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|名称 = コチョウラン
|色 = lightgreen
|画像 = [[ファイル画像:Boholflora7.jpg|240px]]
|画像キャプション = コチョウラン
|分類体系 = [[APG III]]
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|属 = [[コチョウラン属]] {{Snamei||Phalaenopsis}}
|種 = '''コチョウラン''' {{Snamei||Phalaenopsis aphrodite}}
|学名 = ''{{Sname||Phalaenopsis aphrodite}}''<br />[[w:Rchb.f.|Rchb.f.]]
|英名 = ''[[w:Orchid|Orchid]]''
|和名 = '''コチョウラン'''(胡蝶蘭)
}}
'''コチョウラン''' (学名:''{{Sname||Phalaenopsis aphrodite}}'') は、[[ラン科]]植物の一つ。東南アジアに分布し、白い美しい花をつける。この名は他の意味にも使われるが、ここではこの種のみについて記す。
 
== 概説 ==
'''コチョウラン'''という名は、[[コチョウラン属]] ''Phalaenopsis'' の総称としても、同属および[[ドリテノプシス属]]を含む[[洋ラン]]を含む名称としても使われる。しかし和名としてのコチョウランは ''P. aphrodite'' にあたえられたものである<ref>橋本 (1997) p.149</ref>。総称としてのコチョウランについては[[コチョウラン属]]を参照されたい。
 
種としてのコチョウランは東南アジアに分布する大きな平たい葉を持つ単軸性の着生ランである。白い花は美しく、よく似た[[ファレノプシス・アマビリス]] ''{{sname||Phalaenopsis amabilis|P. amabilis}}'' と共に洋ランとしてのコチョウランのイメージを代表するものである。学名の種小名はギリシャ神話の愛と美と豊穣の女神[[アフロディテ]]から<ref>唐沢 (1996) p.511</ref>。
 
== 特徴 ==
多年生の[[着生植物]]で、単軸性のラン。茎はごく短く直立し、上には4枚程度の葉を密生し、下方からは多数の根を出す。根は太くて良く伸びる。
 
葉は二列性で折り重なって生じ、楕円形から長楕円形、表面は緑。
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花茎は茎の側面から伸びて斜上して先端は枝垂れ、長さは50-80cm、時に分枝する。先端よりに十数個の花をつける。花は白で径7cmほど、側花弁が幅広く、花全体が丸く見える。唇弁は黄色を帯び、赤味のある斑紋が出る。唇弁の先端は左右に突き出してまき鬚状になる。
 
== 分布 ==
フィリピンから台湾に分布する<ref>唐沢 (1996) p.511</ref>。
 
== 近似種 ==
同属のアマビリス ''P. amabilis'' は、本種に非常によく似ている。花はこの種の方が本種より多少大きく、また芯弁の基部中央の肉質突起がこの種では2個の角になるのに対して、本種では4個の角になっている。
 
== 利用 ==
洋ランとして栽培される。この種そのものも栽培されるが、アマビリスの方が名が通っている。また交配親としても重視され、白花大輪種はこの種を親にしたものが数多い<ref>富山 (2003) p.12</ref>。本種およびアマビリスは通称としてのコチョウランのイメージの基本となっている面がある。
 
== 出典 ==
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
*橋本保、「コチョウラン」『植物の世界』9〈朝日百科〉、1997年 p.149-151
*{{Cite book|和書 |author=[[富山昌克、『]] |year=2003-12-12 |title=コチョウラン  |series=NHK趣味の園芸  よくわかる栽培12か月』、(2003)、 |publisher=[[NHK出版]] |isbn=978-4140402023}}
*{{Cite book|和書 |author=唐澤耕司 |year=1996-10 |title=蘭 |series=山渓カラー名鑑 |publisher=[[山と溪谷社]] |isbn=978-4635090261}}<!--
*唐澤耕司 『蘭』 山と溪谷社〈山溪カラー図鑑〉、1996年。
[[Image画像:Phalaenopsis_lindenii_toapelPhalaenopsis lindenii toapel.jpg|thumb|right|240px|''Phalaenopsis lindenii'']]
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[[Image:Phalaenopsis_lindenii_toapel.jpg|thumb|right|240px|''Phalaenopsis lindenii'']]
 
'''コチョウラン'''(胡蝶蘭、''Phalaenopsis aphrodite'')は、[[ラン科]][[コチョウラン属]]([[学名]]:''Phalaenopsis''、英語:moth orchid)に属する[[着生ラン]]の一種。ただしこの属の総称としても使われ、その意味では学名から'''ファレノプシス'''とも呼ばれる。[[和名]]の語源については、[[花]]が[[チョウ|蝶]]の舞っている姿に似ているところからつけられた。学名も発想的には近いが、チョウではなく、[[ガ]]である。
 
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コチョウランは、その美しさで取り上げられるだけでなく、その[[光合成]]についても独特の性質がある。他の多くの植物と同様、ランの花の花弁は[[花粉媒介]]を行う[[昆虫]]を誘引し、中心にある器官を保護する役割を担っている。花粉媒介がすめば、花弁は衰える(しおれる、あるいは枯れるなど)のが普通である。これは、それらの器官を維持するのにそれなりの栄養を消費するから、不用になったら素早く捨てる方がよいからである。
 
しかし、コチョウラン属においては、''P.violacea''などの多くの種で花弁は新しい役割を担うようになる。それらは緑色に変化し、明らかに光合成をするようになる。--><!--
 
<!-- 日本語訳が出るまでコメントアウト;これでどう?
== Post-pollination changes in ''Phalaenopsis'' orchids ==
''Phalaenopsis'' are not only outstanding in their beauty, but also unique in their photosynthetic mechanism. As in many other plants, the petals of the orchid flowers serve to attract pollinating insects and protect essential organs. Following pollination, petals will usually undergo senescence (i.e. wilt and disintegrate) because it is metabolically expensive to maintain them.
 
In many ''Phalaenopsis'' species such as ''P.violacea'', the petals and sepals found new uses following pollination. They turn green, become fleshy and apparently photosynthesize.--><!--
-->
 
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== 原産地 ==
[[ヒマラヤ山脈|ヒマラヤ]]・[[インド]]・[[東南アジア]]・[[台湾]]
 
== 利用 ==
園芸植物としては[[品種改良]]され、花が丸っこく大きいものがよく知られる。かつては栽培困難であったが、近年は贈答の洋ランとしてもっともポピュラーなものとなっている。
 
なお、[[デンドロビウム]]のうち、茎先端付近から長い花茎を出し、花を穂状に近く出すものをファレノプシス系、時に略して[[デンファレ系]]というのは、このタイプの元となった種がコチョウランに似た花をつけ、その名を[[デンドロビウム・ファレノプシス]]というためである。園芸書等にデンドロビウムとファレノプシスの間の雑種と紹介されることがあるが、誤りである。
 
なお、一般に「コチョウラン」と呼ばれるものには、''Phalaenopsis''属以外に、近縁の別属である[[ドリティス属]]のの[[ドリティス・プルケリマ]]
''Doritis pulcherrima''との交配によって出来た品種群もある。人工属[[ドリテノプシス]] ''Doritinopsis''の名が当てられるが、一般にはファレノプシスに含めて扱う。-->
 
== コチョウランにちなむ名前 ==
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== コチョウランにちなむ名前 ==
* [[ファレノプシス_(競走馬)]]:日本の競走馬、1998年の[[桜花賞]]、[[秋華賞]]、2000年の[[エリザベス女王杯]]勝ち馬
* [[胡喋蘭]]:女性お笑いコンビ
* [[はがき]]: 主に[[喪中]]はがきは、料額印面に胡蝶蘭が描かれたはがきが使われる。
 
== 書籍 ==
コチョウラン [[富山昌克]] 日本放送出版協会 2003年12月 発行
 
{{Commons|Phalaenopsis}}