「ヴェルクマイスター音律」の版間の差分

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この音律は[[モノコード]]の長さの196(<math>= 7\times 7\times 4</math>)の部分への分割に基づいている。次に、様々な音が、その音高を生み出すために駒を196の部位のどこの置くべきかによって定義される。得られた音階は[[有理数]]の周波数関係を有するため、上述した[[無理数]]の調整値とは数学的に異なる。しかしながら、実際上は、どちらも純正と非純正に響く五度を含む。ヴェルクマイスターはまた、全長を147分割した音律も示している。これは単純に196分割音律の音程の[[移調]]である。ヴェルクマイスターはセプテナリウスを「コンマの分割を全く行わないが、にもかかわらず実際上は本当に満足できるほど正しい追加の音律」と記している。
 
これらの音律に伴う一つの見掛け上明らかな問題はD(または移調版ではA)に与えられる値である。ヴェルクマイスターはこれを176として書いた。しかしながら、これは音楽的に悪い効果を生み出す。そ理由は、五度G-Dは非常に(半コンマ以上)低くなり、三度B{{music|b}}-Dは純正であるが、D-F{{music|#}}は1コンマ以上高くなるためであり、これらは全て音律に関するヴェルクマイスターの著作物のその他の部分と矛盾する。モノコード分割の図において、数「176」は極端に右よりの位置に書かれている(175が書かれるべき位置)。したがって、176という数は175の間違いと考えられ、175を使うと音楽的にはるかに矛盾のない結果が得られる。両方の値を下の表に示している。
 
D=175を用いる音律では、五度C-G、G-D、D-A、B-F{{music|#}}、F{{music|#}}-C{{music|#}}、B{{music|b}}-Fは純正よりも狭く調整されるのに対して、五度G{{music|#}}-D{{music|#}}は広く調整される。その他の五度は純正である。