「ベトナム語」の版間の差分

[[image:I speak vietnamese.JPG|thumb|right|上段がクオック・グー(國語)による表記で、下段はチュノム(下線部)と漢字による表記である。「私はベトナム語を話す」という意味。]]
 
中国の支配を受けていたため、ベトナムの[[古典]]や歴史的な記録の多くは、[[漢字]]による[[漢文]]で書かれており、[[漢字文化圏]]である。現代語をみても、辞書に載っている[[単語]]の 70% 以上が[[漢語系語彙|漢字語]]であり、漢字表記が可能である。対応する漢字が無い語については、[[古壮字]]などと同じく、漢字を応用した独自の文字[[チュノム]]({{vie|v=Chữ Nôm|hn={{拡張漢字|B|𡨸}}喃|f=y}})を作り、漢字と交ぜ書きをすることが行われた。しかし、[[1919年]]の[[科挙]]廃止、[[フランス]]総督府による[[クオック・グー]](後述)教育の推進により漢字、チュノムの使用頻度は次第に減少、[[1945年]]の[[阮朝]]滅亡と[[ベトナム民主共和国]]の成立により、ベトナムの国字として漢字に代わりクオック・グーが正式に採択されたことで、漢字やチュノムは一般には使用されなくなった。公式な漢字の廃止は[[1954年]]であり、南北に分断したこの年に[[ベトナム民主共和国]]紙幣における漢字使用は廃止されている。現在では日常生活で漢字が見られるのはテト(旧正月)や中秋節などの伝統行事や仏事、冠婚葬祭などである。漢字の理解者も、高齢者の一部や、国文学や歴史学などの研究者、書道家や仏僧、日本語及び中国語の学習者などに限定される
 
しかし、[[1919年]]の[[科挙]]廃止、[[フランス]]総督府による[[クオック・グー]](後述)教育の推進により漢字、チュノムの使用頻度は次第に減少、[[1945年]]の[[阮朝]]滅亡と[[ベトナム民主共和国]]の成立により、ベトナムの国字として漢字に代わり、クオック・グーが正式に採択されたことで、漢字やチュノムは一般には使用されなくなった。
現在のベトナム語表記に使われるのは[[17世紀]]に[[カトリック教会|カトリック]]の[[宣教師]][[アレクサンドル・ドゥ・ロード]]が考案し、[[フランス領インドシナ|フランスの植民地化以降]]普及した[[ラテン文字|ローマ字]]表記「[[クオック・グー]]({{vie|v=Quốc ngữ|hn=國語|h=y}})」である。植民地期にはクオック・グーはフランスによる「文明化」の象徴として「フランス人からの贈り物」と呼ばれたが、独立運動を推進した民族主義者はすべてクオック・グーによる自己形成を遂げたため、不便性と非効率性を理由にして漢字やチュノム文は排除され、クオック・グーが独立後のベトナム語の正式な表記法となった。現在、クオック・グーを公式の表記法とすること自体への異論はあまり存在しないが、伝統的な漢文や難解な漢字・チュノム混交文を理解運用できる人材が少なくなっているため、人文科学、特に歴史研究の発展に不安をもつ知識人の間には、中等教育における漢字教育の限定的復活論がある。
 
公式な漢字の廃止は[[1954年]]であり、南北に分断したこの年に[[ベトナム民主共和国]]紙幣における漢字使用は廃止されている。現在では日常生活で漢字が見られるのは、[[テト]](旧正月)や[[月見|中秋節]]などの伝統行事や仏事、冠婚葬祭などである。漢字の理解者も、高齢者の一部や、国文学や歴史学などの研究者、書道家や仏僧、日本語及び中国語の学習者などに限定される。
 
現在のベトナム語表記に使われるのは[[17世紀]]に[[カトリック教会|カトリック]]の[[宣教師]][[アレクサンドル・ドゥ・ロード]]が考案し、[[フランス領インドシナ|フランスの植民地化以降]]普及した[[ラテン文字|ローマ字]]表記「[[クオック・グー]]({{vie|v=Quốc ngữ|hn=國語|h=y}})」である。植民地期にはクオック・グーはフランスによる「文明化」の象徴として「フランス人からの贈り物」と呼ばれたが、独立運動を推進した民族主義者はすべてクオック・グーによる自己形成を遂げたため、不便性と非効率性や[[識字]]率向上を理由にして漢字やチュノム文は排除され、クオック・グーが独立後のベトナム語の正式な表記法となった。現在、クオック・グーを公式の表記法とすること自体への異論はあまり存在しないが、伝統的な漢文や難解な漢字・チュノム混交文を理解運用できる人材が少なくなっているため、人文科学、特に歴史研究の発展に不安をもつ知識人の間には、中等教育における漢字教育の限定的復活論がある
 
現在、クオック・グーを公式の表記法とすること自体への異論は存在しないが、伝統的な漢文や難解な漢字・チュノム混交文を理解運用できる人材が少なくなっているため、人文科学、特に歴史研究の発展に不安をもつ知識人の間には、中等教育における漢字教育の限定的復活論がある。
 
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