「八丈小島のマレー糸状虫症」の版間の差分

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==== ミクロフィラリアの夜間定期出現性 ====
[[File:Patrick Manson experimenting with filaria sanguinis-hominis Wellcome V0018137.jpg|thumb|250px|{{仮リンク|パトリック・マンソン|en|Patrick Manson}}による[[アモイ]]におけるフィラリア被験者[[治験]]。被験者は[[蚊帳]]の中のベッに横たわっている。]]
[[File:Patrick Manson3.jpg|thumb|180px|パトリック・マンソン(1844–1922)]]
佐々は名主や島の長老たちに、この病気はフィラリアという病気によく似ているが、それを確かめるために血液検査が必要なので今晩協力してほしいと伝えた<ref >小林(1994)、p.64</ref>。ヒトに罹患するリンパ系フィラリア虫は血管やリンパ管の中に寄生する寄生虫である。したがって血液中からフィラリア虫の幼生であるミクロフィラリアが確認できれば感染の有無は判別できる<ref group="†">この夜間検査は末梢血中のミクロフィラリア確認であるが、あくまでも検査時点でのミクロフィラリア保虫有無の確認である。宿主体内でのフィラリア虫の寿命は5年程度であり、フィラリア症末期の象皮病に進行する頃には虫体はリンパ管に潜伏し末梢血管に現れなかったり、死んでしまっていることが多く、その場合は血液検査でミクロフィラリアは見つからない(吉村・上村・近藤(1991)、pp.81-82)。血中にミクロフィラリアが見つかっても、まだ症状を出していない感染初期患者も、血中からミクロフィラリアが見つからない末期の象皮病患者も広義のフィラリア症である(佐々(1959)、p.110)。</ref>。ただ、この採血検査は夜間に行う必要があった<ref name="Sassa-60-B"/>。その理由はミクロフィラリアの夜間定期出現性<ref >横川・森下(1975)、pp.246-247</ref>である。