「オウィディウス」の版間の差分

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井伊谷 (会話 | 投稿記録)
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オウィディウス自身が記述したところによると『愛の歌』の初稿全五巻は失われてしまったという。『愛の歌』初稿本の内容は何一つ現伝していない。『女の化粧論』も最後の部分が散逸してしまっている。しかしながら、最大の喪失はオウィディウスが作った唯一の悲劇『メーデーア』である。『メーデーア』からはわずか二三行が伝わるのみである。[[クインティリアヌス]]は本作を偉大な作品と賞賛し、この詩人の天分を示す最良のサンプルと考えた<ref>Quint. ''Inst.'' 10.1.98. Cfr. Tacitus, ''Dial. Orat.'' 12.</ref>{{efn|なお、可能性は低いが『祭暦』の後半六巻が存在したとすれば、これも大きな損失となる。}}。
 
[[ルキウス・カエキリウス・フィルミアヌス・ラクタンティウス|ラクタンティウス]]や{{仮リンク|マルクス・ウアレリウス・プロブス|en|Marcus Valerius Probus}}の著作には、ヘレニズム詩人[[ソロイのアラトゥス]]の『パエノメナ』(現象)のラテン語翻訳からの引用句が含まれるものがあり、その翻訳者がオウィディウスに帰せられている<ref>Lact. ''Div. Inst.'' 2.5.24.</ref><ref>Marcus Valerius Probus ''ad Verg. Georg.'' 1, 138</ref>。その翻訳は全体が現伝せず、失われた作品かもしれない。しかし、オウィディウス自身が『パエノメナ』の翻訳に関して他の作品内で言及していないため、その翻訳が実際にオウィディウスの手によりなされたものであるのか、疑わしい<ref>Lact. ''Div. Inst.'' 2.5.24.</ref>。 また、[[カエサレアのプリスキアヌス]]の『文法課程』には、「エピグラムマタ」(''Epigrammata'')なる題名のオウィディウス作品から1行が引用されている<ref>''Inst. gramm.'' 5, 13, ''Gramm. Lat.'' 2, 149, 13 Keil.</ref>。その他に「エクス・ポントス」からは、詩人が特別な機会のために作った詩がいくつか存在することが読み取れる(「祝婚歌」(''Epithalamium'')<ref>''Ex P.'' 1.2.131</ref>、「挽歌」<ref>''Ex P.'' 1.7.30</ref>、[[ガタイ|ガタイ人]]の言葉で作った詩歌<ref>''Ex P.'' 4.13.19></ref>)が、いずれも失われている。
 
==受容史==
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*『恋の歌』 ''Amores''
**『ローマ恋愛詩人集』[[中山恒夫]]編訳、[[国文社]]、1985年に所収。
*『恋愛術(アルス・アマトリア)』 ''Ars amatoria''
**『恋の手ほどき  ほれた病の治療法』[[藤井昇 (文学研究者)|藤井昇]]訳、わらび書房、1984年。
**『恋の技法』[[樋口勝彦]]訳、[[平凡社ライブラリー]]、1995年。初版思索社
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[[Category:古代ローマの文筆家]]