「2ストローク機関」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
P-610MA (会話 | 投稿記録)
カギかっこの閉じがなかったため付け足しました
51行目:
その他にも、2ストロークエンジンゆえの欠点を補う技術的な大きな変革は下記のようなものがある。
; 混合燃料潤滑
: 2ストロークエンジンは機構上、吸気口から入った混合気がクランク室を通過するため高回転や長時間運航をするとエンジンの腰下(コンロッドやクランクシャフト、クランクケース)の焼き付きを発生してしまう。そのため、燃料にあらかじめ[[潤滑油]](2ストロークエンジンの場合は2サイクルオイル)を混合し、燃料を使用するだけで[[潤滑]]もなされるようにした。これによって潤滑を左右する[[オイルポンプ]]などのメカニズムを省略できるという、バルブ省略にも比肩する大きなメリットが生じる。
: 一方、混合した潤滑油は燃料と共に燃えて排出されてしまう。従って潤滑油の消費が大きい不経済な性質がある。また潤滑油は(本来の燃料油と違って)燃焼性は必ずしも良いわけではないので、不完全燃焼や熱効率の低下、排気ポート周囲に付着する煤の発生といったロスの原因にもなる<ref>初期のガソリンエンジンは現在のようなピストンリングの密閉技術がなく、4ストローク形でもオイル消費(いわゆるオイル上がり)が激しかったので、混合燃料によるオイル使い捨てはさほど問題にされなかったとも考えられるが、後年の4ストロークエンジンの燃焼室とクランク室をはっきりと分ける密閉精度向上に伴い、2ストロークエンジンでは潤滑油の消耗や排出ガス浄化への影響が問題視されることになる。ちなみにこの問題がロードレース世界選手権(現在のMotoGP)か2ストロークエンジンから4ストロークエンジンへと2002年から切り替わった理由である。</ref>。
:: [[1950年代]]には2ストロークエンジン自動車の一部で、燃料と潤滑油を別のタンクに貯留し、キャブレター直前で自動混合する取扱い省力化が試みられるようになる。その後、混合された燃料の供給を絞った状態だとエンジンの焼けつきが生じやすいことに着目し、[[1960年代]]には混合燃料を使わず、専用配管を介して潤滑油を潤滑箇所に圧送する手法が現れたが、メカニズムが複雑化してしまった一方、潤滑油を燃やしてしまう根本に変わりはない。