「独眼竜政宗 (NHK大河ドラマ)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
タグ: モバイル編集 モバイルウェブ編集
81行目:
 
=== 登場人物のイメージを重視した俳優陣 ===
また、本作での「[[渡辺謙]]=知名度の高くない若手」、「[[勝新太郎]]=衆目の知るところの大御所」という図式が、そのまま「政宗=奥羽の若き大名」、「秀吉=老成した天下人」にも当てはまる。もっとも、渡辺は大河二本目であったのに対し(但し、時代劇作品としては初)、『[[座頭市]]』シリーズなどに主演した大御所・勝は、本作が唯一の大河ドラマ出演であった(NHK制作のドラマとしても同様)。
 
配役決定後、渡辺は勝のクランクイン前に一度挨拶したのみで、初共演のシーン本番まで顔を合わせることがなかった<ref name="カツシンp2">{{Cite web |url=http://www.dailyshincho.jp/article/2015/07020630/?all=1&page=2|title=渡辺謙が語る、独眼竜政宗での秘話とは……!? 感動のエピソードで綴る天才・勝新太郎の真実|publisher=デイリー新潮|work=[[吉本浩二]]「カツシン」|accessdate=2016-06-13}}</ref>。これは「小田原で政宗が秀吉と初めて出会うのなら、そのシーンの撮影まで渡辺と会うべきでない」という勝のアイデアによるもので、収録は渡辺と勝が会うことがないよう調整して行われた<ref name="カツシンp2"/>。初共演となる小田原参陣での対面シーンはリハーサル無しで収録され<ref name="カツシンp2"/>、2人の楽屋も隔離されており収録シーン本番で初めて対面することとなった<ref name="カツシンp3">{{Cite web |url=http://www.dailyshincho.jp/article/2015/07020630/?all=1&page=3|title=渡辺謙が語る、独眼竜政宗での秘話とは……!? 感動のエピソードで綴る天才・勝新太郎の真実|publisher=デイリー新潮|work=[[吉本浩二]]「カツシン」|accessdate=2016-06-13}}</ref>。このシーンの収録後、渡辺は勝から「いい眼をしていたぞ…」との声をかけてもらったという。
 
本作主演には当初、歌手の[[西城秀樹]]に対してNHKからオファーがあったが、西城のマネージャーを務めた[[天下井隆二]]によれば「([[芸映|芸映プロダクション]]から)独立して新事務所を立ち上げたばかりであったため、新会社の経営状況を考慮してこれを断った」という<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201805180000094.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp|date=2018-05-18|title=「ヤングマン」製造工場のミカン箱で歌った 秘話|newspaper=ニッカンスポーツ・コム|agency=日刊スポーツ新聞社|accessdate=2018-05-18}}</ref>。
また、終生のライバルのひとり[[最上義光]]役には当初、[[松田優作]]がキャスティングされていたが実現しなかった(奇しくも後年、[[2009年]]の大河ドラマ『[[天地人 (NHK大河ドラマ)|天地人]]』では優作の長男である[[松田龍平|龍平]]が政宗役を演じ、渡辺の娘である[[杏 (女優)|杏]]が愛姫役だった)。
 
主演の渡辺は[[1984年]](昭和59年)の『[[山河燃ゆ]]』以来、2度目の大河ドラマ出演であり、本作の前年(1986年)に同じNHKで放映されていた[[連続テレビ小説]]『[[はね駒]]』出演中に「眼がいい」と言われ、抜擢されたという。彼は当時必ずしも知名度のある俳優ではなかったが、本作の主演に起用されたことで一躍一流スターの仲間入りを果たした。ただ、はまり役となったために、「渡辺謙=伊達政宗 」の固定イメージが定着してしまい、彼はその後役者としては苦労したようである。十数年後、渡辺は映画『[[ラストサムライ]]』で[[アカデミー賞]]助演男優賞候補に挙げられるが、その時の記者会見でも「これでようやく伊達政宗から卒業できるかな」と発言している。
 
渡辺の出演は実際に右目を閉じた状態で行われたため所作には苦労し、西郷輝彦によると、入室の場面で頭を下げていたら大きな音がしたので面を上げると、渡辺がひっくり返っていたという。ただし、第11回「八百人斬り」での夢の中のシーンにて、かつ鏡に映った姿でのみ両目を開いた状態で登場している。最終話の脚本段階では、政宗臨終の幻想シーンで両目が開かれるという演出が盛り込まれていたが、本編では用いられなかった。
 
また、終生のライバルのひとり[[最上義光]]役には当初、[[松田優作]]がキャスティングされていたが実現しなかった(奇しくも後年、[[2009年]]の大河ドラマ『[[天地人 (NHK大河ドラマ)|天地人]]』では優作の長男である[[松田龍平|龍平]]が政宗役を演じ、渡辺の娘である[[杏 (女優)|杏]]が愛姫役だった)。
 
錚々たる豪華出演陣にジェームス三木は「嬉しい悲鳴」と前置きしつつ「勝さんと岩下さんの[[クレジットタイトル|クレジット]]の優劣をつけられないから、二人が同じ回に登場しないように書き分けた」と語っている<ref name="gendai">『週刊現代』2012年10月13日号166頁 「『独眼竜政宗』を語ろう」のジェームス三木、北大路欣也、吉村芳之の対談</ref>。他誌のインタビューでも「トメは秀吉役の勝新太郎。北大路欣也、岩下志麻をどうするかでモメた。その結果、勝、岩下の2人が出る放送回がなくなった」と語っている<ref>[http://www.asagei.com/12610 名作ドラマ&漫画「最終回のヒミツ」(1)平均視聴率40%「独眼竜政宗」が変えた大河の歴史]</ref>。