「管理通貨制度」の版間の差分

「概要」が長いので「特徴」に変更。そもそもページ冒頭に既に概要が書いてある。「紙幣は年貢や塩など現物資産の対等物」は管理通貨制度とは無関係な記述なので除去。
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(「概要」が長いので「特徴」に変更。そもそもページ冒頭に既に概要が書いてある。「紙幣は年貢や塩など現物資産の対等物」は管理通貨制度とは無関係な記述なので除去。)
[[ファイル:Components of the United States money supply2.svg|thumb|アメリカのマネーサプライの推移。<br>通貨当局は金保有量にかかわらず通貨供給量を増減させることが出来る。]]
'''管理通貨制度'''(かんりつうかせいど)とは、[[通貨]]の発行量を[[通貨当局]]が調節することで、[[物価]]の安定、[[経済成長]]、[[雇用]]の改善、[[国際収支]]の安定などを図る制度。[[本位制度]]に対していう。
 
管理通貨制度のもとでは通貨当局は金保有量にかかわらず通貨供給量を増減させることが出来るので、[[第二次世界大戦後]]から[[情報革命#IT革命の進行・歴史|情報革命]]を背景に電子記録としての[[預金通貨]]を止め処なく増やしている。右図のような[[通貨供給量]]の増加は世界的な傾向である。
 
== 概要特徴 ==
管理通貨制度の下では、自国通貨は原則的にいくらでも発行できる<ref>田中秀臣・野口旭・若田部昌澄編 『エコノミスト・ミシュラン』 太田出版、2003年、229頁。</ref>。[[金]]を[[貨幣]]価値の裏付けとする[[金本位制]]においては、[[銀行券]]発行量は[[正貨]]準備高に拘束されるのに対し、管理通貨制度では行政府の通貨政策次第であり、貨幣の価値は政府または[[中央銀行]]の政策によって裏付けされるためその価値は不安定となりやすい。よって通貨当局は[[金融政策]]により貨幣価値の安定化を図ることを重視する。
 
[[銀行学派]]の考え方によれば、中央銀行はプライマリバンク(中央銀行と直接取引の口座を開設している市中銀行)の担保の差出の対等物として通貨を発行するのが原則であり<ref>バジョットの原理、「公衆が要求する限りどこまでも信用を供与すべきであり、またそれを可能にするために平時においては十分な準備を維持しておくようにしなければならない」とする銀行学派の命題。「インドネシアにおける通貨金融危機の再考(下)」内野好郎(立教経済学研究第61巻第4号2008年)[http://www.rikkyo.ac.jp/eco/pdf/papar/61_4_9.pdf#search='バジョットの原理']</ref>、この場合通貨の価値は市中の信用力に依存している。一方で議会や行政府が[[国債]]を発行して中央銀行に引き受けさせている場合、その通貨の価値は行政府の信用(徴税権や国庫財産など)を担保としている。なお、「[[紙幣]]は政府が刷っており、紙幣の価値は政府次第である」を誤解とする解釈もあるが、「[[紙幣]]の発行は日本の場合、[https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a07.htm/ 日本銀行の最高意思決定機関である政策委員会9人全員を、衆議院および参議院の同意を得て、内閣が任命]しており、紙幣の価値は政府次第」とする解釈もある。
 
歴史上で紙幣が初めて登場した中国の[[元 (王朝)|元]]や[[宋 (王朝)|宋]]の時代から、紙幣は[[年貢]]や塩など現物資産の対等物、あるいは銅銭の預かり証など実際の資産物の手形として使用されてきたものであり、管理通貨制度においても通貨は市中あるいは政府の信用の対等物として取り扱われるのが原則である{{要出典|date=2010年11月}}。この原則に政策上の事情あるいは恣意性が加わると[[インフレーション]]や[[デフレーション]]の原因となる。
 
管理通貨制度では、発行量が本位の備蓄量に拘束されることがないので、[[景気]]や物価調整のために柔軟な通貨量調整をすることができるメリットがある。一方で通貨当局と行政府の関係(独立性と協調性)がつねに問われ、通貨当局が行政府の影響下にある場合、景気対策のための恒常的な[[金融緩和]]が[[インフレ]]を招く場合がある。また独立性が極端に保護されている場合、通貨当局の失策が国家に破滅的な混乱をもたらす場合がある([[中央銀行#中央銀行の独立性|ライヒスバンクの事例]])。
 
歴史上で紙幣が初めて登場した中国の[[元 (王朝)|元]]や[[宋 (王朝)|宋]]の時代から、紙幣は[[年貢]]や塩など現物資産の対等物、あるいは銅銭の預かり証など実際の資産物の手形として使用されてきたものであり、管理通貨制度においても通貨は市中あるいは政府の信用の対等物として取り扱われるのが原則であ{{要出典|date=2010年11月}}この原則に政策上の事情あるいは恣意性が加わると[[インフレーション]]や[[デフレーション]]の原因となる。
 
== 歴史 ==
[[ファイル:One dollar 1928.jpg|thumb|金本位制度下の1ドル兌換紙幣([[1928年]])。]]
20世紀に管理通貨制度が採用される以前において、欧米諸国を中心とした国際決済市場では[[金本位制度|金本位]]を利用することが一般的であった。これは銀行に金貨・金地金を預託しその預かり券(紙幣)を用いて取引を行い、最終的な決済は売り手・買い手の指定する銀行間で金現送することによって精算する制度である。
 
金本位による国際決済は戦争によりしばしば中断されることがあり、とりわけ[[19世紀]]には[[ロンドン]]が主要国にとって国際決済の中心であった事から、[[第一次世界大戦]]の発生により金本位の中断を余儀なくされた。例えば日本は[[1913年]]12月末の時点で[[日本銀行|日銀]][[正貨]]準備は1億3000万円、在外正貨2億4,600万円であり、在外正貨はすべてロンドンにあった。また外貨決済の8 - 9割をロンドンで行っていたが、第一次世界大戦が始まる[[1914年]]の8月には手形輸送が途絶し(当時は[[シベリア鉄道]]で輸送していた)、ロンドンの金融機関が活動を停止するなど混乱した。大戦終結にともない[[1919年]]にアメリカが、[[1925年]]にはイギリスが金本位制に復帰した。