「NHKスペシャル シリーズ 「JAPANデビュー」」の版間の差分

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== 番組各回の概要 ==
{{節stubスタブ}}
放送日時は日本標準時([[日本標準時|JST]]) に基づく。[[NHK総合テレビジョン|NHK総合]]で初放送された日時を記した。
{| class="wikitable"
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[[金美齢]]は、「“日本は加害者”という[[自虐史観]]ありき」の偏向番組だと非難<ref>金美齢 「[http://www.kin-birei.com/column/090408.html 自虐史観を出発点とした番組]」 金美齢ホームページ、2009年4月8日。</ref><ref>金美齢 「[http://www.kin-birei.com/column/090611.html NHK「偏向」番組検証へ議員連盟発足]」 金美齢ホームページ、2009年6月11日。</ref>。[[櫻井よしこ]]は、「“人間動物園”という言葉を、当時の[[日本政府]]が使った言葉と錯覚するように使っている。全篇がそうした”歪曲報道”の連続」であると批判した<ref name="週刊新潮423">[[櫻井よしこ]]など「特集:歴史歪曲と「台湾人」も激怒したNHK「超偏向」番組」『[[週刊新潮]]』2009年[[4月23日]]号。</ref>。日本文化チャンネル桜社長でチャンネル桜の番組出演者でもある[[水島総]]は、タイトルバックを例に挙げこの番組は印象操作や意識操作、さらには禁止されている[[サブリミナル効果]]までが駆使されている悪辣な「ドキュメンタリー」であると論じている<ref name="正論216">『[[正論 (雑誌)|正論]]』平成21年6月号</ref><ref>[http://www.youtube.com/watch?v=kKryUdoK_pk 【映像分析】NHK「JAPANデビュー」OPに組み込まれた]SakuraSoTV</ref>。
 
NHKは[[台湾総督府]]に保存されていた文書を交えて、柯徳三の父親が小学校を退学させられたことについて放送したが、チャンネル桜によれば、柯はこのことをNHK側から文書を見せられるまで知らなかったし、父や祖父は何も語っていない、と取材時に初めて知ってコメントしたと証言した<ref name=sakura/><ref name="will20097"/>。水島総はこれを当人が知らない情報をNHK取材陣が提示し、それを証言者自身から出た言葉であるかのように撮影して編集し放送したジャーナリストがしてはならぬ「やらせ」取材で、完全な[[放送法]]違反であることが発覚したと主張した<ref name="will20097"/><ref name=sakura>{{YoutubeYouTube|sHjriEgmKWU|台湾取材レポート 桜 H21/5/6}} SakuraSoTV</ref>。
 
[[中村粲]]は、欺瞞をつぶさに論証した上で意図的なつまみ喰いと作為的編集があったと主張<ref name="正論216"/>。[[渡辺昇一]]は、並べ方や切り口により同じ歴史を全く逆に見せることが可能だと指摘、公平・公正であるのかと疑問を呈し内容を検証した上で同番組を占領政策に基づいて行われた占領軍([[GHQ]])による『[[眞相はかうだ|真相はこうだ]]』に譬(たと)えた。米占領軍によって直接行われた[[ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム]]が中国共産党によって現在間接的に行われているのではないかとも主張した<ref name="渡辺昇一">『[[WiLL (雑誌)|WiLL]]』 2009年6月号。</ref>。台湾系評論家の[[黄文雄 (評論家)|黄文雄]]は、番組に出演した台湾人の証言などを例に挙げ検証、取るに足らない異例をさも全体像であるかのように誘導する手法を駆使した捏造と歪曲の番組であったと批判した<ref name="will20097">『WiLL』2009年7月号。</ref>。
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在台ジャーナリストの[[酒井亨]]<ref group="注記">台湾人の[[親日]]感情を扱った『哈日族』などの著作がある</ref>は、パイワン族の出演者を映した場面で漢族風の名前が出ていたことについて、パイワン名を持つはずの住民を漢名で紹介したのだとして番組を批判した<ref>{{Cite web|author=酒井亨|date=2009年4月19日|url=http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/f0713ab726b42f4321b00ff302ab8f28|title=NHK番組で抗議すべき唯一の問題点、パイワン族を国民党に強制された漢名で紹介する侮辱|work=むじな@台湾よろず批評ブログ|accessdate=2009年8月14日}}</ref>。その一点を除けば、批判されているような意図は感じないと述べた。[[帝国主義]]という他国も含めた背景が説明され日本はむしろ相対化されており、また、台湾人は親日だが批判者のいうそれとは視座が違うだろうと主張した<ref>{{Cite web|author=酒井亨|date=2009年4月19日|url=http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/2413a5f098a97ffc77ab9b694094b9c8|title=NHK「JAPANデビュー」第1回、どこが「反日媚中史観」よ?|work=むじな@台湾よろず批評ブログ|accessdate=2009年8月14日}}</ref>。
 
[[拓殖大学]]客員教授の岡田充<ref group="注記">[http://www.21ccs.jp/profile/profile_okada.html 「21世紀中国総研」岡田充プロフィール]</ref>は、[[経済]]を中心に[[日中関係]]の構築を目指す「21世紀中国総研」<ref>[http://www.21ccs.jp/CRIJP/21st_CRIJP.html 21世紀中国総研:創立にあたって]</ref>で「NHK叩きは[[台湾総統]]の[[馬英九]]の対中緊張緩和路線が[[国際社会]]から高く評価され、かつ日本重視路線を選択したことによって国民党を支持した台湾人を否定した金美齡のような人々とそれと結びつき台湾に単純な親日幻想をいだいる勢力の存在感が薄れてしまい、台湾・国際社会からも孤立し、馬批判ができないことによる代償行為」であると主張し<ref name="海峡両岸論4">{{Cite web|title=海峡両岸論NO.4:NHK叩きは馬批判の代償行為 「親日幻想」捨てない人たち|author=岡田充|url=http://www.21ccs.jp/ryougan_okada/ryougan_04.html|accessdate=2009-08-28}}</ref>、また台湾においては[[与党]]・[[野党]]支持勢力も反対運動に関心を持っていないことや、[[李登輝]][[政権]]時代に[[タイヤル族]]の[[霧社事件|武装蜂起]]が台湾人アイデンティティに基づいた[[抗日]]運動として評価され出したり、[[陳水扁]]政権時代にも[[麻生太郎]]が外相時代に[[植民地]]時代を正当化したことに反発した事実を伝えた上で、日本統治のプラス面を強調する番組が多い中で負の側面をきちんと取り上げたことはむしろバランスがよいと感想を述べた<ref name="海峡両岸論4" />。これについて台湾研究フォーラム会長の永山英樹は、岡田の言う「孤立」があるとすれば、台湾は馬英九政権以前から国際社会から冷淡な扱いをされてきたのであり、以前からあるものとし「問題は我々の「喪失感」ではなくNHKの歴史歪曲」であるとして「残念ながら岡田氏の想像はまったく正しくない」と反論をおこないつつ、なぜJAPANデビューを擁護する人々は中国の代弁者の類や[[日本共産党]]などの[[左翼]]の人ばかりなのだろうか、と疑問を呈した<ref>{{Cite web|title=「NHK叩き」批判の元共同通信台北支局長を批判する(上)—我々の「志」はもう少し高い|url=http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-823.html|author=永山英樹|accessdate=2009-08-28 }}{{Cite web|title=「NHK叩き」批判の元共同通信台北支局長を批判する(下)—我々の「志」はもう少し高い|url=http://mamoretaiwan.blog100.fc2.com/blog-entry-824.html|author=永山英樹|accessdate=2009-08-28}}</ref>。
 
日本共産党の[[山下芳生]]は[[参議院]][[総務委員会]]で「非常によい番組だった。(中略)親日的といわれる台湾の人々の心の奥底にある複雑な思いが伝わった。歴史を直視し、互いに共有し、反省すべきは反省もしてこそ相互理解により深い友好関係が構築できると感じた」と感想を述べた<ref name="mainichi20090706"/>。
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* 4月21日、[[日本文化チャンネル桜]]が、番組に出演した[[台湾人]]を追跡取材し検証番組を放送<ref>「[http://www.youtube.com/watch?v=dDMxsesr3TY 【台湾取材レポート】]・[http://www.youtube.com/watch?v=s0xWSlGhCMM 2]・[http://www.youtube.com/watch?v=tAL0FzMAwks 3]・[http://www.youtube.com/watch?v=8SOhCw4w_5M 4]・[http://www.youtube.com/watch?v=eXvmpZbfooA 5]・[http://www.youtube.com/watch?v=e9rYQ7ndA4I 6]・[http://www.youtube.com/watch?v=9lO3fbu508A 7]・[http://www.youtube.com/watch?v=m76GwZ9PNoA 8]」 {{YouTube channel|SakuraSoTV|チャンネル桜}}、2009年4月21日ほか ([桜 H21/4/21]付の動画は8分割)。</ref>。
* 4月22日、番組にも出演した蒋松輝と藍昭光が連名で「ご参考まで」という題名のメールをNHKに提出した。メールの内容は「人間動物園」「[[日台戦争]]」「[[漢民族]]」「[[中国語]]」について『別の表現が適切でないか』という趣旨だった(下記「6月9日」参照)。
* 4月23日、[[自由民主党  (日本)|自民党]]の[[清和政策研究会|町村派]]総会で同番組に対し「台湾は[[李登輝]]元総統など親日家が多いのに番組は[[反日]]の部分だけを偏向して報じた」との批判が挙がる<ref>{{cite news
| url = http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/090423/stt0904232253007-n1.htm
| title = 安倍、町村氏らがNHK番組を批判「偏っている」
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* 5月18日、この問題に関連して、日本李登輝友の会・日本文化チャンネル桜・『[[WiLL (雑誌)|WiLL]]』・台湾研究フォーラム・[[在日台湾同郷会]]・[[台湾の声]]などは「NHKの大罪」と題する全面[[意見広告]]を連名で産経新聞に出稿。「私はHさん(NHKディレクター)に言うたんだ。あんた、中共の息がかかっているだろう。(中略)NHKは、[[北京]]に呼ばれてチヤホヤとされて貢物を持って行ったんだろう。そう言ったんだ」との番組に出演した台湾人の言葉が掲載された<ref name="意見広告">{{PDF|[http://www.ch-sakura.jp/sakura/noticeofopinion090518.pdf NHK「JAPANデビュー」に抗議する1面広告を「産経新聞」に掲載!]}} [[日本文化チャンネル桜]]、2009年5月18日付</ref>。
* 5月26日、NHK第1095回経営委員会では、番組中に用いられた「日台戦争」という言葉を巡る論議などがあった<ref name="NHK経営委員会1095回"/>。なお、この日の日向理事(放送総局長)の見解は後日行われた参院決算<!-- 総務? -->委員会(後述)とは異なる。
* 5月30日、東京、大阪などNHK周辺で抗議デモが行われ、放送センターがある[[渋谷]]のデモには約1100名の参加があった<ref>[http://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/090530/tnr0905301813013-n1.htm 日台友好団体がNHKに抗議デモ] [[産経新聞]]2009年5月30日</ref>。
* 6月9日、NHKエグゼクティブ・プロデューサー河野伸洋は「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の再質問状(6月4日提出)への回答で、4月22日の蒋松輝と藍昭光のメール「ご参考まで」に言及し、『その後蒋松輝さんとお話をして、こうした表現についてのNHKの考えを理解していただいています』と説明。同時に、柯徳三についても『柯さんがNHKに対して憤っている、という事実はありません。また、NHKは柯徳三さんから抗議を受けていません。今回、「再質問」を受理した後、念のために柯さんに確認したところ、柯さんは「NHKに対して抗議するような気持ちはありません」とおっしゃっています。』と回答した<ref>[http://nakayamanariaki.com/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=41 「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」再質問状(H21.6.4)に対するNHKからの回答書]中山成彬公式サイト2009年6月9日</ref>(上記「4月22日」参照)。
* 6月11日、自民党有志など約60人が参加した報道内容を検証する「[[公共放送のあり方について考える議員の会]]」が発足した<ref>[http://www.jiji.com/jc/zc?k=200906/2009061100989 「NHK番組が偏向」=自民有志が議連] 時事通信社、2009年6月11日。</ref>。
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* 6月20日、先月につづきデモが開かれ、1000人を超える参加があった<ref>[[週刊新潮]]2009年7月2日号</ref>。
* 6月22日、台湾の民間団体「友愛グループ」は、元メンバーの柯徳三や台湾人出演者の発言の批判的な部分だけを報道したとして抗議と訂正を求める文書をNHK福地会長宛に送付した<ref name="産経21625台湾民間団体">[http://sankei.jp.msn.com/world/china/090625/chn0906251846005-n1.htm 【NHK提訴】台湾民間団体「友愛グループ」も抗議書] [[産経新聞]]2009年6月25日</ref>。同日、NHKのディレクターらが台湾人出演者を訪ねサインを要求した(後述)。
* 6月25日、[[小田村四郎]]や[[中村粲]]、[[インターネット]]などを通じた呼びかけで集まった視聴者および台湾人約150名を含む原告8389名が、NHKの放送内容には事実と異なる偏向、やらせや事実の歪曲・捏造があり、放送法の定める公平な報道に違反し、精神的損害を受けたとして、NHKに対し[[原告]]一人あたり1万円の[[損害賠償]]を求める訴えを[[東京地方裁判所]]に起こした<ref>{{Cite web|date=2009-08-04|url=http://www.ch-sakura.jp/topix/1054.html|title=【原告募集!】 NHK集団訴訟 「訴訟委任状」提出のお願い|publisher=[[日本文化チャンネル桜]]|accessdate=2009年9月18日}} タイトル一部略。</ref>。NHK広報局は「番組の内容には問題がなかったと考えている」としている。<ref name="産経626"/><ref>[http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090625/biz0906251726014-n1.htm NHK相手に8400人が集団提訴 「JAPANデビュー」歪曲報道で] [[産経新聞]]2009年6月25日</ref><ref>読売新聞、平成21年6月26日</ref><ref>[http://www.47news.jp/CN/200906/CN2009062501000527.html NHKの台湾支配報道は「捏造」 歴史研究者ら8千人提訴] 共同通信社、[[2009年]](平成21年)6月25日。</ref> 裁判史上最大の集団訴訟となったこの提訴についてNHKは、夕方5時のニュースで報じたのみで、夜7時や9時、11時には一切報じられなかった<ref>『WiLL』2009年9月号 {{要ページ番号|date=2013年12月22日}}</ref>。この裁判では出演した台湾少数民族の[[パイワン族|パイワン人]]らも「[[日本政府]]がパイワン人の実演を『人間動物園』と呼んだことはない」と訴え、民族の誇りを傷付けられたとして原告として参加することになるなど、原告数は[[提訴]]後も増え続け、2009年[[8月11日]]現在で1万人を突破した<ref>[http://s01.megalodon.jp/2009-0812-2217-46/news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20090812007.html パイワン人も提訴 NHK台湾特集訴訟 原告1万人突破] [[産経新聞]]2009年8月11日(gooニュース配信)</ref>。同日、[[参議院]][[総務委員会]]において自民党の[[世耕弘成]]と[[日本共産党]]の[[山下芳生]]によって番組についての質疑が行われた<ref>{{Cite web|date=2009-06-25|url=http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/171/0002/17106250002021a.html|title=参議院会議録情報 第171回国会 総務委員会 第21号|work=国会議事録検索システム|publiher=国立国会図書館|accessdate=2009年9月20日}}</ref>。
* 7月22日、NHKは番組ウェブサイトに「いまだに誤った情報に基づいたご意見やご批判もある」などとして追加の説明文を掲載。この中で、「人間動物園」について「パイワン族の人たち自身がどう受け止め、感じたかということは、「人間動物園」の事実を左右するものではありません」などと主張。パイワン族の方への「やらせ取材」などの取材についても、正当性を主張した。また「台湾・友愛グループ」など台湾の方達から抗議の文章を受取っていたことを明らかにした<ref name="NHK説明2">[http://web.archive.org/20090818005852/www.nhk.or.jp/japan/asia/090722.html シリーズ・JAPANデビュー 第1回「アジアの“一等国”」に関しての説明・追加] NHK 2009年7月22日</ref>。
* 7月23日、日本文化チャンネル桜は自局が7月16日に放送した番組内容に関してNHKから抗議文が届いたと放送。「北京支局の職員」が「[[買春]]」で「[[中華人民共和国公安部|中国の公安警察]]に拘束された」、「日本に戻された」という事実はありません。「これをもみ消した」というのも全くの事実無根です(原文ママ)<ref name="sakurasotv20090723">[http://www.youtube.com/watch?v=iJ5kwK1cJE8&NR=1 1/2【NHKの大罪】NHKからの抗議書について【H21/7/23】] [[日本文化チャンネル桜]]2009年07月23日</ref>。
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;[[2013年]](平成25年)
*11月28日、[[東京高等裁判所]]で一審判決を[[棄却]]しNHKに[[損害賠償]]を命じる判決が下る。
*12月11日、NHKは二審判決を不服として[[最高裁判所  (日本)|最高裁]]に[[上告]]。
;[[2016年]](平成28年)
:1月21日、最高裁第1小法廷(裁判長判事・[[大谷直人]])はNHK側主張を認め、原告請求を棄却。「そういう歴史がかつてあったと述べられただけで、原告親族への名誉毀損があったとは認められない」<ref name="jiji160121"/>。【櫻井龍子、大谷直人、山浦善樹、小池裕、池上政幸 】
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== 脚注 ==
=== 注記 ===
{{Reflist|group="注記"}}
 
=== 出典 ===