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== 化学的性質 ==
水は化学的には[[化学式]] '''H{{sub|2}}O''' で表される、[[水素]]と[[酸素]]の化合物である。水分子の[[酸素]]原子と[[水素]]原子は[[共有結合]]で結びついており、<!--原子価結合法の考え方では-->その結合は水素原子と酸素原子から[[価電子]]を1つずつ供給されてできている。さらに酸素原子の最外殻には共有結合に使われていない[[孤立電子対]]が2つ存在する。水素と酸素の[[電気陰性度]]の違いから、O-H 結合においては酸素原子側が電気的に負、水素原子側が正となり、局所的に[[電気双極子]]を作っている。分子全体でも H-O-H 結合角が約104.45°と分子が曲がっていることから極性を持つ。以上の理由から水の比誘電率は 79.87 (20℃) と高い。このためイオン間の[[静電気力]]を弱め[[塩化ナトリウム]]などの[[イオン結晶]]の結合格子を破壊して溶解させる、すぐれた[[溶媒]]として働く。複数の水分子の間では水素原子と酸素原子の間に[[水素結合]]を作る。水に限らず、最外殻に孤立電子対を持つ窒素や酸素やフッ素などの原子やイオン、あるいは電気陰性度が高い原子に結合している水素原子は水分子と水素結合を作ることができる。したがって水は、[[糖]]など[[イオン]]性ではない分子に対する溶解性も示す。一方、[[シクロヘキサン]]などの炭化水素]]はイオン性でなく、水素結合も形成しないため、水には溶解せずに寄り集まって油滴を作る。このように水に溶けない[[疎水性]]の化合物同士が水の中で見かけ上親和性を示す現象を[[疎水効果]]と呼ぶ。
 
複数の水分子の間に水素結合が働くことで、[[クラスター (物質科学)|クラスター]]状の高次構造([[水クラスター]])が生じる。水の高次構造は寿命がピコ秒からフェムト秒オーダーと非常に短く、一度形成してもすぐ別の高次構造に移り変わる<!--[[水クラスター]]参照-->。