「エウローペー」の版間の差分

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[[ファイル:Tizian 085.jpg|thumb|300px|[[ティツィアーノ・ヴェチェッリオ]]の絵画『[[エウロペの略奪 (ティツィアーノ)|エウロペの誘拐]]』(1560-1562年) [[イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館]]所蔵]]
[[ファイル:El rapto de Europa, oleo sobre lino de Joan Tuset i Suau.1999.jpg |thumb|300px|[[Joan Tuset Suau]]『エウロパの誘拐』1999年]]
'''エウローペー'''({{lang-grc|'''Εὐρώπη'''}}, {{lang|grc-Latn|Eurōpē}}, {{lang-la|Europa}})は、[[ギリシア神話]]に登場する姫の名女性である。ラテン語では'''エウローパ'''。[[日本語]]では[[長母音]]記号を省略し'''エウロペ'''ともいう。ラテン語では'''エウローパ'''(長母音を省略し'''エウロパ'''とも)表記される。地名の[[ヨーロッパ]]、[[木星]]の[[衛星]][[エウロパ (衛星)|エウロパ]]の名の由来である。
 
[[フェニキア]]の古代都市[[ティルス|テュロス]]の王[[アゲーノール]]と[[テーレパッサ]]の娘で、[[カドモス]]、[[キリクス]]、[[ポイニクス]]、[[タソス]]と兄弟。[[ゼウス]]との間に3人の息子[[ミーノース]]、[[ラダマンテュス]]、[[サルペードーン]]をもうけた<ref name=Ap_3_1_1>アポロドーロス、3巻1・1。</ref>。エウローペーは本来ミノア系の大地の女神だったと考えられているが<ref>[[ホメロス|ホメーロス]]著、[[呉茂一]] 『イーリアス  [[平凡社]] 2003年、534頁。</ref>、元々神話中の人物だったエウローペーが[[クレタ島|クレータ島]]にいた女神と同一視され崇拝されるようになったという説もある<ref>[[里中満智子]] 『マンガ ギリシア神話2 至高神ゼウス』 [[中央公論新社]] 2000年、236頁。</ref>。
 
== 概要 ==
エウローペーは、[[ティルス|テュロス]][[フェニキア]][[アゲーノール]][[テーレパッサ]]の娘で、美い姫であって生まれエウローペーに一目ぼれは美しく成長た。あるとき、彼女を見た[[ゼウス]]は一目で恋に落ち、彼女を誘惑するために自身を白い牡牛に変える。エウローペーが侍女と花を摘んでいるとき近づいた。そして白い牡牛を見つけたエウローペーがその背にまたがると、その途端白い牡牛は海を渡ってエウローペーをクレータ島へと連れ去った<ref name=Ap_3_1_1 /><ref name="変身物語">オウィディウス『変身物語』2巻。</ref>。そこでゼウスは本来の姿をあらわし、エウローペーはクレータで最初妃となった。連れ去る際ミーノロッパ中ス、ラダマンテュス、サルペードーンもう回っため、その地域はエウロ後、クレペーの名前から「ヨーロッパ」 (タ王{{lang仮リンク|アステリオス|en|Europa}}Asterion (king of Crete)#Asterion と呼ばれるようI}}が3人の息子たちの義理の父になった<ref name=Ap_3_1_1 />
 
ゼウスとの息子に、[[ミエウロノース]]や[[ラダマンテュス]]、[[サルペードーン]]がいる。その後、{{仮リンク|アステリオス|en|Asterion (king of Crete)#Asterion I}}が3人の息子たちの義理の父になった。ゼウスは彼女に[[タロース (ギリシア神話)|タロース]]と必ず獲物をとらえる猟犬となくなる事のない投げ槍の、3つの贈り物を与えた。その後ゼウスは再び白い雄牛へと姿を変え、星空へと上がり、[[おうし座]]になった。またエウローペーが海を渡った西方の地域は彼女の名前から「ヨーロッパ」 ({{lang|en|Europa}}) と呼ばれるようになった<ref>ヘロドトス『歴史』4巻45。</ref>。なお、エウローペーの兄弟たちは彼女を捜索する旅に出たが発見することが出来ず、それぞれが赴いた土地の支配者となった。特に有名なのは[[カドモス]]で、[[トラーキア]]にとどまったのち<ref name=Ap_3_1_1 />ギリシアに渡り、[[テーバイ]]市を創建した<ref>アポロドーロス、3巻4・1。</ref>
 
また、エウローペーを探しに旅に出た兄弟の[[カドモス]]は、その後[[テーバイ]]を創建した。
 
== 系図 ==
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== 出典 ==
{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
* [[アポロドーロス]]『ギリシア神話』[[高津春繁]]訳、[[岩波文庫]](1953年)
* [[オウィディウス]]『[[変身物語]](上)』[[中村善也]]訳、岩波文庫(1982年)
* [[ヘロドトス]]『歴史(中)』[[松平千秋]]訳、岩波文庫(1972年)
* [[ホメーロス]]『イーリアス(下)』[[呉茂一]]訳、[[平凡社]](2003年)。
* 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、[[岩波書店]](1960年)
 
== 関連項目 ==