「酸と塩基」の版間の差分

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LUE=42 (会話 | 投稿記録)
概要の節が「定義」、「酸塩基反応」に分解されていたが、「定義」節に定義が書いてない(定義は次節以降に記載)ので元に戻す。
LUE=42 (会話 | 投稿記録)
m 誤植修正:OH-を上付きに
24行目:
前節で説明した、デービーによる成果を踏まえ、[[スヴァンテ・アレニウス|アレニウス]]は、酸と塩基を以下のように定義した[[#MF1|<sup>MF1</sup>]]{{Rp|page=144}}:
* 酸:水中で[[解離 (化学)|解離]]して[[水素イオン|水素イオン<ce>{H+}</ce>]]を生じる物質
* 塩基:水中で[[解離 (化学)|解離]]して[[水酸化物イオン]][[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]を生じる物質
アレニウスの定義は、[[水|水分子<ce>{H2O}</ce>]]が水素イオン[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と水酸化物イオン[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]とに分解できる事を考えると理解しやすい。この事実を鑑みると、なんら物質を溶かしていない[[純水|純粋な水]]の場合、そこに含まれる[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]とは同じ量である。それに対し、酸性の水溶液では、酸が[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を生じるので[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]の方が[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]よりも多く、逆に塩基性の水溶液では塩基が[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]を生じるので、[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]の方が[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]よりも多い。
 
酸性の水溶液と塩基性の水溶液を混ぜ合わせた時に起こる中和は、酸性の水溶液にある[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]と塩基性の水溶液にある[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]が反応して水分子[[水|<ce>{H2O}</ce>]]に変わる過程であると解釈できる。
 
=== 欠点 ===
45行目:
アレニウスによる酸の定義は、ブレンステッド・ローリーによる酸の定義における「他の物質」が水分子であり、しかも[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を水分子に渡す原因が解離である場合に相当するので、ブレンステッド・ローリーによる酸の定義はアレニウスによる酸の定義を含意する。
 
一方ブレンステッド・ローリーによる塩基の定義はアレニウスによる塩基の定義と見かけ上大幅に異なるが、アレニウスによる塩基の中に存在する[[水素イオン|<ce>{OH^-}</ce>]]が「他の物質」である反応相手の酸から[[水素イオン|<ce>{H+}</ce>]]を奪って水分子[[水|<ce>{H2O}</ce>]]を生成すると考えれば、ブレンステッド・ローリーによる塩基の定義がアレニウスによる塩基の定義を含意する事が分かる。
 
=== 欠点の解消 ===