「気管挿管」の版間の差分

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嶋岡徹 (会話 | 投稿記録)
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Hiso000 (会話 | 投稿記録)
合併症の項に追記
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*片肺挿管
:よくある合併症の一つ。気管内チューブを奥に挿入し過ぎることで、先端が片方の[[気管支]]に挿入されることで片側の[[肺]]のみの換気になってしまうこと。通常[[聴診器]]にて両肺の換気音の聴取にて確認する。
 
* 粘膜壊死
 
:[[気管内チューブ|挿管チューブ]]のカフで圧迫されると、粘膜に血液が流れなくなり、粘膜表皮の細胞障害が発生する。特に小児の喉頭や気管の粘膜はデリケートであり、粘膜の損傷を防ぐためカフなしを使用することもある。気管チューブのカフが原因で粘膜[[壊死]]を起こし、のちに喉頭・気管狭窄を起こした例も報告されている。
 
* 喉頭痙攣
 
:喉頭筋([[随意筋]])の収縮によって[[声帯]]の閉塞をきたしたもの。全身麻酔導入時と覚醒時に起こりやすい。気道異物、低酸素状態、[[咽頭]]部での操作、[[バルビツール酸系|バルビツレート]]などが原因となる。マスクによる100%酸素の加圧人工呼吸でたいていの場合は治まる。
 
* 気管支痙攣
 
:気管支平滑筋(不随意筋)の[[攣縮]]で、[[筋弛緩剤|筋弛緩薬]]を投与しても改善しない。[[気管支喘息]]の既往のある患者だけでなく、[[気管内チューブ]]や気道異物が原因となって起こるとされている。
* 悪性高熱症
:[[骨格筋]]細胞内のCaイオン上昇による筋収縮の異常亢進とそれに伴う発熱が原因病態とされている。[[スキサメトニウム]]を使った場合に多く報告されている。かつては死亡率が80%を超えていたが、[[ダントロレン]]の使用により15%程度まで低下している。家族内発生がみられるため、術前の問診が大切である。
* バッキング
:気管挿管中の咳のことで、気道反射の亢進と考えられている。多くの場合、浅麻酔が原因である。バッキングに引き続いて気管支痙攣や喉頭痙攣に移行することもあるため注意が必要である。気管内チューブが[[下気道|気管分岐部]]に接触している場合は、チューブの位置を変更する必要がある。挿管前の気道の表面麻酔が予防措置として有効である。
 
== 気道確保困難 ==