「成形炸薬弾」の版間の差分

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対戦車榴弾は、現在のもので漏斗の直径の約5-8倍(理論的には約12倍)、[[第二次世界大戦]]期のもので2倍程度の[[装甲#均質圧延鋼装甲|均質圧延鋼装甲]](RHA:Rolled Homogeneous Armor, 標準的な防弾鋼板)を貫通することが可能である。着弾時の速度によらず貫通力が一定なため、遠距離射撃用の[[戦車砲]]弾や速度の遅い[[対戦車ミサイル]]などに用いられている。
[[ファイル:S-tank.jpg|thumb|250px|防護柵を装着したStrv.103 C]]
多種な[[兵器]]に搭載できる長所を持つが、[[モンロー/ノイマン効果|モンロー効果]]の有効距離がわずか数十cm程度であり、また、その[[信管]]作動の関係で[[装甲]]の数十cm手前に鎖のカーテンをつるしたり(例 [[イスラエル]] [[メルカバ (戦車)|メルカバ]])、柵状の装甲(例 [[スウェーデン]] [[Strv.103]]C)を装着しておくだけで[[信管]]の[[短絡|ショート]]などによる不発無効化や威力の大幅軽減ができてしまう弱点がある。しかし、最近では二重又は三重の[[弾頭]]を備えたタンデム弾頭と呼ばれるタイプや、大抵の兵器の弱点でもある上部を狙ったホップアップするものなどが採用され始めているほか、{{要出典範囲|date=2016年9月12日 (月) 23:05 (UTC)|中には[[APFSDS]]を応用した射程強化型も登場している(ただし、多目的[[砲弾]]として)}}。
{{独自研究|date=2017年6月10日 (土) 17:30 (UTC)|section=1}}
上記のように成形炸薬弾は、動的超高圧により塑性流動を生じさせることが主たる効果であり、APFSDSの侵徹原理にも繋がるが、現代においては対[[主力戦車|MBT]]用の砲弾としてはHEATではなくAPFSDSが搭載されることが多い。その理由としてHEATは数値上(RHA換算など)ではAPFSDSと同程度の威力を示すが、現在のMBTに多く使われる[[装甲#複合装甲|複合装甲]]に対してはAPFSDSに比べ有効ではないことが挙げられる。これはメタルジェットがAPFSDSのペネトレーターに比べ質量が著しく小さく、固体としての挙動ではない事により、複合装甲の持つ衝撃インピーダンス勾配界面の影響を受けやすい他、複合装甲に用いられる[[セラミックス|セラミック]]の[[ユゴニオ弾性限界]]は鋼鉄の10倍以上であり、メタルジェットの圧力ではこれを超えることができない。さらにセラミックは原子間結合が強く、古典的破壊理論における亀裂の成長速度がメタルジェットの速度よりも遅いため、メタルジェットはこの結合力を引裂きながら進まなければならなくなり、実質的にはセラミックは[[酸化アルミニウム|アルミナ]]化合物としての理論上の理想強度を発揮しているのと同じになり、メタルジェットのエネルギーが減衰してしまう。