「福島第一原子力発電所事故」の版間の差分

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== 専門家による指摘 ==
=== 原子力工学 ===
米国の原子力専門家らが報道陣向けに電話会見し、その中で物理学者のケン・バージェロン (Ken Bergeron) は「福島第一原発は、非常用ディーゼル発電機も使用できなくなったため、原発に交流電流を供給できなくなるステーション・ブラックアウト(station blackout, 全交流電源喪失)と呼ばれる状況に陥っている。ステーション・ブラックアウトは、実際に発生する可能性は極めて低いと考えられていたが、地震と津波により想定外の事態になったのだろう」と述べた<ref>{{Cite news |url=http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=fukushima-core|title=Nuclear Experts Explain Worst-Case Scenario at Fukushima Power Plant |language=英語 |newspaper=Scientific American |date=2011-03-13 |accessdate=2011-03-13}}</ref>。
 
[[マサチューセッツ工科大学]] (MIT) のJosef Oehmen博士とMITの原子力理工学科 (Department of Nuclear Science and Engineering) が共同で発表したドキュメント<ref>{{Cite news |url=http://mitnse.com/2011/03/13/why-i-am-not-worried-about-japans-nuclear-reactors/ |date=2011-03-13 |title=Modified version of original post written by Josef Oehmen |accessdate=2011-03-15}}{{リンク切れ|date=2017年3月}}</ref><ref>{{Cite news |url=http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110316/fukushima_nc_power_plants |date=2011-03-16 |title=MIT原子力理工学部による改訂版・福島第一原発事故解説 |accessdate=2011-03-28}}</ref>(和訳)によると、
* 炉心の[[連鎖反応 (核分裂)|核分裂連鎖反応]]はすでに停止しており、現在の発熱源は定格出力比約7%の[[長寿命核分裂生成物|核分裂生成物]]の[[崩壊熱]]によるものである。
* 核分裂生成物のうちには放射性の[[セシウムの同位体|セシウム]]と[[ヨウ素の同位体|ヨウ素]]の同位体が含まれる。
* 炉心付近で起こっている爆発は水素の燃焼によるものであり、核爆発によるものではない。
2011年3月16日、[[京都大学原子炉実験所(現・[[京都大学複合原子力科学研究所]]原子力基礎工学研究部門教授の[[宇根崎博信]]は、[[UNN関西学生報道連盟]]に対し次のように述べた<ref>{{Cite news |url=http://www.unn-news.com/shinsai-special/article/201103162637 |date=2011-03-16 |title=京大教授に聞く 福島第一原発放射能漏れ問題 |newspaper=UNN関西学生報道連盟 |accessdate=2011-03-26}}{{リンク切れ|date=2017年3月}}</ref>。
 
2011年3月16日、[[京都大学原子炉実験所]]原子力基礎工学研究部門教授の[[宇根崎博信]]は、[[UNN関西学生報道連盟]]に対し次のように述べた<ref>{{Cite news|url=http://www.unn-news.com/shinsai-special/article/201103162637|date=2011-03-16|title=京大教授に聞く 福島第一原発放射能漏れ問題|newspaper=UNN関西学生報道連盟|accessdate=2011-03-26}}{{リンク切れ|date=2017年3月}}</ref>。
* 当該事故発生の原因について、「様々な情報を総合すると、地震ではなく津波が原因」であり、「(津波の)水が原子力施設に与えた影響が想定」を超えていたためこのような事態を招いた。原子炉は「外部からの電力供給が断たれた時の非常用発電設備」を持っているが、「津波によってその機能」が損失したため、このような状況に陥った。
* 「(2011年3月16日の)時点で考えうる最悪の場合は部分的に燃料が溶け、水蒸気爆発が生じ、部分的に格納容器や圧力容器を破損させ、今まで以上に放射性物質を放出させる事態」だが、「その可能性は極めて低い」とえる。
* 住民の健康への影響については、「退避圏の外で(2011年3月16日時点までに)観測されている(放射性物質の)値を見る限り、健康に影響が出る値」ではないので恐らく大丈夫であろう。
* 「原子炉の設計に津波の影響」は考慮されていたが、「それをはるかに超えた津波」であった。「(既存の原子力)施設の安全設計が妥当か」を考え直していくことが必要である。
 
=== 放射線医学 ===
{{See|福島第一原子力発電所事故の影響#放射線医学|被曝#放射線量の大きさに対する人体の影響}}
{{See also|被曝#放射線量の大きさに対する人体の影響}}
 
== 第三者による事故調査・報告 ==