「沖縄県」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Kmrco (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
Kmrco (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
タグ: サイズの大幅な増減
1行目:
沖縄本島近海で発生した地震]]で約100年ぶりに沖縄本島で震度5以上を観測し、[[勝連城跡]]の城壁の一部が崩壊した<ref>[http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-158365-storytopic-1.html 沖縄本島近海地震 糸満で震度5弱 本島99年ぶり 勝連城跡一部崩落] - 琉球新報(2010年2月28日付の報道)</ref>。
 
同年3月1日付の琉球処分に関する文章には「琉球藩ヲ廃シ、更ニ琉球県ヲ被置候、此旨布告候事但県庁ハ首里ニ被置候事」とあり、琉球県の名称が使われていたが採用には至らなかった。この間の経緯は不明であるが、[[中国語]]由来の琉球に対し、沖縄のほうがより日本帰属の意思が明確になるため選ばれたと推察できる。用語としての「沖縄」は元々は[[沖縄本島]]を指す言葉であったが、沖縄県設置により鹿児島県[[奄美群島]]を除く[[琉球諸島]]全域が沖縄と呼ばれるようになり、より広義に解釈されるようにもなった<ref>『琉球史辞典』[[中山盛茂]] 著、琉球文教図書、1969年</ref>。
 
== 地理・地域 ==
[[ファイル:Okinawakenchizu.png|thumb|right|沖縄県の地図]]
[[国土交通省]]による日本の14地域区分の1つである沖縄は、沖縄県1県のみから成る<ref name="yougo">'''14地域''' ⇒ 北海道、東北、関東内陸、関東臨海、東海、北陸、近畿内陸、近畿臨海、中国山陰、中国山陽、四国、九州北九州、九州南九州、沖縄。{{Cite web|url=http://www.mlit.go.jp/term/file000005.html#shi|title=用語集|publisher=国土交通省|accessdate=2013-06-01}}</ref>。なお、「九州地方」の一部または「九州・沖縄地方」と呼ぶ場合もある。([[九州#「九州」の由来|九州・「九州」の由来]]参照)[[国土交通省]]は、「[[沖縄本島]]」を、「[[本土]]」5島の一つとしている<ref>[[島国]]([[領土]]がすべて[[島]]から成る国)である日本を構成する6,852の島に対する『国土交通省』による区分け ⇒ 6,852島(本土5島・[[離島]]6,847島)。[出典] 『国土交通省』サイト 離島振興課 離島とは(島の基礎知識)[http://www.mlit.go.jp/crd/chirit/ritoutoha.html] 2009年11月27日閲覧。<br />
ただし、島について地理学上はこのような分類・区分けはない。</ref><ref>【参考】日本の[[島]]の面積順に上位10島 ⇒ [[本州]]、[[北海道]]、[[九州]]、[[四国]]、[[択捉島]]、[[国後島]]、[[沖縄本島]]、[[佐渡島]]、[[奄美大島]]、[[対馬]]。<br />
[出典] [[国立天文台]] (編)[[理科年表]] 平成19年版 P565 ISBN 4621077635。</ref>。
[[国土地理院]]、[[海上保安庁]]によると、沖縄県は363の島から成っている<ref name="国土構成島数" />。49の有人島と多数の[[無人島]]からなり、0.01[[平方キロメートル|km<sup>2</sup>]]以上の面積を有する島は160島存在する<ref name="160islands">[http://www.pref.okinawa.jp/site/kikaku/tochitai/tousho.html 沖縄県の島しょ別面積一覧] (沖縄県を構成する160の[[島]]の名称と面積の一覧表) 沖縄県土地対策課。</ref>。最東端から最西端までは約1,000[[キロメートル|km]]、最北端から最南端までは約400kmと、広大な県域を持つ<ref>{{Cite web
|url = http://www3.pref.okinawa.jp/site/contents/attach/12017/P1-7.pdf
|title = NATURE in OKINAWA
|format = PDF
|publisher = 沖縄県文化環境部 自然保護課
|accessdate = 2012-06-28
}}</ref>。
南西諸島は鹿児島県から台湾近くまで長く延びており、地理的分布では北の[[トカラ列島]]までと、[[奄美群島]]と[[沖縄諸島]]および[[先島諸島]]の3つに大きく分けられる。<br>
[[沖縄本島]]と[[宮古島]]の間は[[宮古海峡]]と呼ばれ最狭区間でも約145[[海里]](約270km)の距離があり、そのうち約48海里(約89km)が[[領海]]と[[接続水域]]になっており、残りの約97海里(約97km)が[[排他的経済水域]]になっている。<br>
与那国島と台湾の間は約54海里(約100km)である。
{|class="wikitable" style="width:70%;text-align:center"
|+沖縄県の端<span style="font-weight:normal"><ref>{{Cite web
|url = http://www.pref.okinawa.jp/tochi/toukeide%20tisei.html
|title = 統計データ 沖縄の東西南北端
|publisher = 沖縄県企画部土地対策課
|accessdate = 2012-08-02
}}</ref></span>
!
!島
!所属自治体
!備考
!位置
|-
!最北端
|[[硫黄鳥島]]
|[[久米島町]]
|有人島に限れば[[伊平屋島]]<ref>{{Cite web
|url = http://www.pref.okinawa.jp/chiiki_ritou/simajima/iheya.html
|title = 知・旅・住 離島総合情報サイト 沖縄のしまじま 伊平屋島 / 野甫島
|publisher = 沖縄県企画部地域離島課
|accessdate = 2012-08-02
}}</ref>
|rowspan="4" style="width:252px;padding:auto"|{{Location map many|Japan Ryukyu Islands
|width = 250
|label = 硫黄鳥島
|pos = right
|mark1size = 8
|lat1_deg = 27|lat1_min = 52.45
|lon1_deg = 128|lon1_min = 13.6
|label2 = 波照間島
|pos2 = bottom
|mark2size = 8
|lat2_deg = 24|lat2_min = 2.4
|lon2_deg = 123|lon2_min = 47.25
|label3 = 北大東島
|pos3 = bottom
|mark3size = 8
|lat3_deg = 25|lat3_min = 56.7
|lon3_deg = 131|lon3_min = 18.4
|label4 = 与那国島
|pos4 = top
|mark4size = 8
|lat4_deg = 24|lat4_min = 28.1
|lon4_deg = 123|lon4_min = 0.3
|label5 = 那覇市
|mark5 = Blue 000080 pog.svg
|pos5 = bottom
|mark5size = 8
|lat5_deg = 26|lat5_min = 12.7
|lon5_deg = 127|lon5_min = 40.8
|label6 = 伊平屋島
|label6_size = 80
|pos6 = left
|mark6size = 5
|lat6_deg = 27|lat6_min = 2.4
|lon6_deg = 127|lon6_min = 58.1
}}
|-
!最南端
|[[波照間島]]
|[[竹富町]]
|日本最南端の有人島<ref>{{Cite web
|url = http://www.town.taketomi.lg.jp/islands/index.php?content_id=6
|title = 美しき島々 波照間島
|publisher = 竹富町
|accessdate = 2012-08-02
}}</ref>
|-
!最東端
|[[北大東島]]
|[[北大東村]]
|
|-
!最西端
|[[与那国島]]
|[[与那国町]]
|日本最西端の島<ref>{{Cite web
|url = http://www.gsi.go.jp/KOKUJYOHO/center.htm
|title = 日本の東西南北端点の経度緯度
|publisher = [[国土地理院]]
|accessdate = 2012-08-02
}}</ref>
|}
離島が多いものの、離島の医療は人材的・経済的理由から不足気味であり、[[病院]]がなく[[診療所]]のみという島も多い。そのため、離島で治療できない急患患者の[[沖縄本島]]への空輸を[[陸上自衛隊]]や[[海上保安庁]]が行っている。なお、[[宮古島]]、[[石垣島]]には県立の総合病院が設置されているため、それらの島の周辺離島での急患は沖縄本島ではなく宮古島や石垣島に搬送される場合もある。
 
県庁所在地である那覇市の半径1,000km圏内には[[九州|九州島]]全域や[[下関市]]、[[上海市|上海]]、[[福州市|福州]]や[[台湾|台湾島]]全域が含まれ、1,500km圏内には[[大阪市|大阪]]、[[南京市|南京]]、[[ソウル特別市|ソウル]]、[[平壌]]、[[マニラ]]、[[香港]]などが位置する。2000km圏内には[[東京]]、[[仙台市|仙台]]、[[北京市|北京]]、[[瀋陽市|瀋陽]]、[[海口市|海南省海口市]]、[[長春市|長春]]、[[ウラジオストク]]等が存在し、2500km圏内には[[稚内]]、[[成都市|成都]]、[[重慶市|重慶]]、[[ハノイ]]、[[グアム]]、[[北マリアナ諸島]]、[[パラオ]]が収まるなど、まさに[[東アジア]]・[[東南アジア]]と[[日本]]との接点とも言える位置にある。
 
沖縄本島の中部・南部は[[那覇市]]・[[沖縄市]]を中心として都市化・人口集中が進んでおり、全面積の約5分の1に110万人以上が居住している(''[[沖縄本島#中南部都市圏]]'' も参照)。その上、[[治外法権]]の米軍基地が多数存在しており、利用できる面積はさらに限られる。そのため[[人口密度]]は全国で第9位であり、[[三大都市圏]]の都府県を除くと[[福岡県]]に次いで2番目に高い。
 
=== 地質 ===
琉球諸島は太平洋側の[[琉球海溝]]と東シナ海側の[[沖縄トラフ]]に挟まれる。琉球海溝は[[フィリピン海プレート]]が[[ユーラシアプレート]]に潜り込むことによりできたもので、これは[[南海トラフ]]と同様の成因である。また背海盆沖縄トラフはユーラシアプレートが新しい時代に引き裂かれて陥没した1000〜2000[[メートル|m]]の窪みであり熱水鉱床などがみられる。地質的には琉球列島(諸島)のうち沖縄島と奄美大島はケラマ海裂とトカラ海峡とに挟まれた中琉球と呼ばれ、島は海洋地殻の上に海洋地殻の付加体(海洋地殻の陸側斜面となるユーラシア・プレートの下にフィリッピン海プレートが沈み込むときに、海溝の陸側斜面ユーラシアプレートの端に押し付けられて隆起した海洋地殻の上の堆積物)で構成され、さらに3億〜5000万年前の古い付加堆積物で作られる沖縄島北側と、500万年前に作られた現地性堆積物により構成される沖縄島南側に大きく分けられる。
 
=== 自然 ===
;[[生物]]
:[[亜熱帯]]で[[生物]]に好適な気候に恵まれ、貴重な動植物が多い。沖縄本島北部には[[山原]]と呼ばれる[[森林]]が広がっており、[[ノグチゲラ]]、[[ヤンバルクイナ]]、[[ヤンバルテナガコガネ]]といった[[天然記念物]]等貴重な生物が生息している。山原と沖縄本島の海岸線の一部、[[慶良間諸島]]等が[[沖縄海岸国定公園]]に指定されている。西表島一帯および石垣島の一部が[[西表石垣国立公園]]に指定されており、[[マングローブ]]林が広がるほか、[[イリオモテヤマネコ]]等の貴重な生物が生息している。なお、[[環境省]]が指定する[[日本の重要湿地500]]のうち、55ヶ所が沖縄県内にある。これは、[[北海道]](61ヶ所)に次いで日本で2番目に多い。
;[[大雨]]と[[水不足]]
:[[2005年]](平成17年)から[[2007年]](平成19年)各年の[[6月]]に[[梅雨前線]]の影響で大雨と[[雷]]が沖縄本島を襲い、各地で冠水、[[土砂崩れ]]、[[崖崩れ]]等が相次いだ。平年値では年間を通じて降水量が多いが、[[梅雨]]と[[台風]]による降雨が多いこと、年による変動が大きいこと、大きな河川がなくすぐに海に流出してしまうことなどから、気候・地形的に水不足に陥りやすい<ref>[http://www.pref.okinawa.jp/kodomo/sugata/a2_kikou.html 沖縄の気候 沖縄こどもランド]</ref>。また、1946年に約51万人だった人口が、本土復帰の[[1972年]](昭和47年)に約96万人と増加し、需給関係から[[1990年代]]前半までしばしば水不足による[[断水]]が行われた<ref>[http://www.eb.pref.okinawa.jp/museum/gallon/seigen/ 給水制限の記録(沖縄県企業局)]</ref><ref>{{PDFlink|[http://www.eb.pref.okinawa.jp/jigyou/gaiyou/H18/pdf/p1.pdf 沖縄県企業局概要 沖縄の水]}}</ref>。特に[[昭和56-57年沖縄渇水|1981-1982年の渇水]]では日本最長の326日間にわたって給水制限が実施された。そのため、屋根の上などに給水タンクを設置している家が多い。しかし、沖縄本島北部から南部への導水が進み、また[[1997年]](平成9年)に気候に左右されず安定して水の供給が可能な[[海水淡水化]]施設が[[北谷町]]に完成し<ref>[http://www.eb.pref.okinawa.jp/sisetu/suigen/kaisui/index.html 海水淡水化施設(沖縄県企業局)]</ref>、[[2005年]](平成17年)に県人口が約136万人と増加したものの、断水に見舞われることは減った。
;[[地震]]
{{Main|南西諸島近海地震}}
:「地震大国」と言われる日本において、[[九州]]などと同じく、一年あたりの(有感)地震回数が少なく、また気候や人口密度などの面から最も地震に関する[[リスク]]が少ない地域の一つとされていた(地震の発生度や発生時の被害の大きさを示す地震地域係数が日本で唯一「0.7」の都道府県となっているが、この値は後年見直される可能性もある)。しかし、[[損害保険料率算出機構]]の最新の統計集では2等地となっており、特段リスクが低い地域と見なされなくなった。過去には[[1771年]]の[[八重山地震]]による[[大津波]]で、[[先島諸島]]に多大な被害が生じている。最近では[[2010年]](平成22年)の[[沖縄本島近海地震|沖縄本島近海で発生した地震]]で約100年ぶりに沖縄本島で震度5以上を観測し、[[勝連城跡]]の城壁の一部が崩壊した<ref>[http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-158365-storytopic-1.html 沖縄本島近海地震 糸満で震度5弱 本島99年ぶり 勝連城跡一部崩落] - 琉球新報(2010年2月28日付の報道)</ref>。
 
=== 気候 ===