「アサルトライフル」の版間の差分

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|image4=AUG A1 508mm 04.jpg
|caption4=[[ステアーAUG|AUG]](1970年代-)
|image5=FNScar F2000L Standard.pngjpg
|caption5=[[FN F2000|F2000SCAR]](2000年代-)
|image6=MsbskandmsbsbMSBS Grot.jpg
|caption6=FB MSBS Grot(2010Grot(2000年代-)
}}
__TOC__
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[[第二次世界大戦]]後の[[アメリカ軍]]では、第二次世界大戦以来極めて効果的かつ有効に運用されてきた.30-06弾とこれを用いる[[M1ガーランド]]及び[[ブローニング自動小銃M1918|BAR]]へ絶大な信頼を寄せていた。これらの後継として.30-06弾の威力を多少低下させただけの[[7.62x51mm NATO弾]]とM1ガーランドをベースにフルオート機能と着脱式弾倉を追加しただけのものに近い[[スプリングフィールドM14|M14]]を採用した。ベトナム戦争時にベトナム民主共和国が使用したAK47は[[M4カービン]]と同程度の全長であり、それに対して全長1mを超えるM14は取り回しにおいて劣っていた。また、M14はAK47と比較して反動が大きいためフルオート制御が難しく携行弾数でも劣り歩兵の戦力差は明らかだった。英国やカナダなどが強硬に反対を唱えたにも関わらず無理やり[[7.62x51mm NATO弾]]をNATO標準弾として採用させたアメリカだったがベトナム戦争でそれが間違いであったことを自国軍兵士の犠牲によって身をもって味わった。また、戦時中にドイツ軍が示した突撃銃の概念も広く理解されていなかった。
 
[[1961年]]、[[フェアチャイルド (航空機メーカー)|フェアチャイルド]]社の[[アーマライト]]事業部が開発した'''[[M16自動小銃|M16]]'''自動小銃をアメリカ軍は制式採用した。M16で使用された.223レミントン弾は[[7.62x39mm弾]]に近い性質をもつ弾薬であり利点もおおむね共通する。初期の弾倉はM14などの旧式小銃と同じく20発の装填数だったがAK47の湾曲した弾倉を参考に30発に増やされたものが開発され小口径高速弾の利点を更に活かすことに成功した。フェアチャイルド社は航空機メーカーであり従来の銃器メーカーでは使用が困難だった航空機用[[アルミニウム合金|アルミ合金]]をレシーバーに使用している。また、M14で問題とされていた木材は使用せず既にH&K G3などで実用化されていたプラスチックをグリップやストックに使用している。また、M16の銃身下に装着する単発式の[[グレネードランチャー]]である[[M203 グレネードランチャー|M203]]もM16と同時期に採用された。アドオン式グレネードランチャーに光学照準器、レーザー測距装置、コンピューターなどを装備した[[XM29 OICW]]単純で安価だM16およびM203の後継としてテストされたが重量やコスト、過度な複雑さや信頼性の低さなどら実が高く擲弾による攻撃力が高いため現在でも引き続き使されずむしろアンダーバレル式のグレネードランチャーの有効性を証明したている。{{main|M16自動小銃|5.56x45mm NATO弾}}
 
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== 近年の動向 ==
=== 革新的な構造 ===
{{main|M4カービン}}
 
<gallery widths="180" heights="150">
ファイル:M4A1-flattop.jpg|[[M4カービン]]
ファイル:CRS8 Domenjod 2016.jpg|[[ピカティニー・レール]]と伸縮式銃床が取り入れられたG36
ファイル:CZ 805 A1.jpg|設計時より[[ピカティニー・レール|<u><font color="#0066cc">ピカティニー・レール</font></u>]]と伸縮式銃床を備えるCz805
</gallery>
 
[[M16自動小銃|M16]]の後継として米軍に採用された[[M4カービン]]は新しい弾薬であるSS109に対応し、より短い銃身長(14.5インチ)を持ち伸縮式銃床を標準で装備している。採用からすぐM4カービンのアッパーレシーバーには新しく開発された[[ピカティニー・レール]]が搭載されキャリングハンドルは着脱式となった。当初、[[ピカティニー・レール]]は照準器搭載用のマウントとして開発されたが、他のアクセサリーを装着するためのマウントとしても注目された。M4カービンの円柱型のハンドガードはRail Adapter System (RAS)と呼ばれる金属製のハンドガードに置き換えられた。M4カービン以外のライフルでも伸縮式銃床を導入し、ハンドガードやアッパーレシーバーに[[ピカティニー・レール]]を追加するなどの近代化が施されるようになった。また、M4カービン改修後に新規開発されるライフルは[[ピカティニー・レール]]や伸縮式銃床を既に備えた状態で設計されるようになった。
 
=== 5.56mm NATO弾の普及 ===
{{Multiple image
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現在、アメリカでは旧式化したM14やM110の後継として[[H&K HK417]]の導入を検討中である。なお、同じくM16系統のアサルトライフルを制式化しているオランダ、デンマーク、ノルウェーでは既にHK417をマークスマン・ライフルとして運用している。
 
=== M4カービン革新的な構造 ===
{{main|M4カービン}}
 
<gallery widths="180" heights="150">
ファイル:Flickr - Israel Defense Forces - 3.jpg|M16をカービンに改造したもの
ファイル:M4A1USMC-flattop090529-M-8583E-106.jpg|[[M4カービン]]
ファイル:USMC-120405-M-AB169-005.jpg|[[M27 IAR]]
</gallery>
 
アメリカ軍は[[1984年]]より、制式カービンの開発要求を行なっており、[[M4カービン]]は[[M16自動小銃]]の後継として選定された。
 
AK47の全長870mmに対しM16の全長は999mmでお世辞にも取り回しがいいとは言えず、M4カービンは850.9mmに短縮された。アメリカは銃器に携帯性はさほど要求せず折り畳み式銃床の代わりに伸縮式銃床を装備している。採用からすぐM4カービンのアッパーレシーバーには新しく開発された[[ピカティニー・レール]]が搭載されキャリングハンドルは着脱式となった。当初、[[ピカティニー・レール]]は照準器搭載用のマウントとして開発されたが、他のアクセサリーを装着するためのマウントとしても注目された。M4カービンの円柱型のハンドガードはRail Adapter System (RAS)と呼ばれる[[ピカティニー・レール]]を備えたアルミ合金製のハンドガードに置き換えられた。このハンドガードは全体がレイルで覆われているためアクセサリー類取り付け位置の自由度は高いがレイル自体の重量が負担となり、またイルカバーと呼ばれる保護パーツが必要となった。こうした問題点を回避するため同じくM16の派生型である[[コルト・カナダ C7]]のハンドガードはレーザーサイト、フラッシュライト、グレネードランチャーを装着できる最低限のレイルのみ備える。
 
[[M4カービン]]全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)派生モデルとしてH&K社によって存在が危ぶま開発された[[H&K HK416|HK416]]、「M4に全面的に更新存在なければならないほどの問題はなく予算的アメリカ海兵隊も困難が多い」[[分隊支援火器]][[M27 IAR]]として中止され現在もアメリカ軍で使用されている。
 
=== 新世代のアサルトライフル ===
<gallery heights="180" widths="150">
[[ファイル:United States Navy SEALs 121.jpg|サムネイル|250x250ピクセル|[[FN SCAR]]]]
ファイル:Operation Moshtarak.jpg|アメリカ海兵隊で使用されるM4カービン
[[ファイル:Exercise TRIDENT JUNCTURE (22804826445).jpg|サムネイル|250x250ピクセル|[[ベレッタ ARX160]]]]
ファイル:Colt M4 MWS Carbine Iraq.jpg|アメリカ陸軍で使用されるM4カービン
ファイル:Guereiro de Selva (26673363406).jpg|インベルIA2
</gallery>
 
M4カービンの後継として開発された[[FN SCAR]]は[[ガス圧作動方式#ショートストロークピストン式|ショートストロークピストン式]]を取っているため、命中精度は若干低下するものの、ボルトキャリアが汚れることはなくなった。[[ステアーAUG]]や[[H&K G36|G36]]で多用されたプラスチックを使用しているが[[5.56mm NATO弾]]の普及と同時期に開発された[[ピカティニー・レール]]を備えるためM4カービンと同じくアルミ合金も使用してる。またM4カービンでは不可能だった折り畳み式銃床を装備しているだけでなくその銃床は伸縮式でもある。M4カービンの全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募されたが、「M4に全面的に更新しなければならないほどの問題はなく、予算的にも困難が多い」として中止されアメリカ軍に全面的に採用される機会は訪れなかった。[[FN SCAR]]は商業的には成功していないがその構造は後に登場する[[ベレッタ ARX160|<font color="#0066cc">ベレッタ ARX160</font>]]、CZ805、MSBSに影響を与えた。また、すべての操作系の左右両用化、廃莢方向の左右切り替え機能を備えるアサルトライフルが多く登場し単純な扱いやすさでは[[FN SCAR]]より優れたものが多く開発されている。
=== ベレッタ ARX160 ===
[[ファイル:Exercise TRIDENT JUNCTURE (22804826445).jpg|サムネイル|250x250ピクセル|[[ベレッタ ARX160]]]]
[[イタリア軍]]の「将来歩兵」(Soldato Futuro)計画の一環として開発されたARX-160は、商業用兵器システムとして「将来歩兵」計画群から独立し、[[2008年]]に公表された。
 
この[[兵器]]は、底部および下部機関部から構成され、両方ともにポリマーが主用されている。また、作動はガス圧作動方式([[ガス圧作動方式#ショートストロークピストン式|ショートストロークピストン式]])(?)である。給弾は[[STANAG マガジン]]を用いる。
 
この兵器のユニークな装備には両手用の安全装置、マガジンキャッチ、および給弾ハンドルが含まれ、また、銃のどちら側を用いて排莢するかを変更する機能がある。[[銃砲身|銃身]]の急速換装にあたっては[[ピカティニー・レール]]や器具を用いることなく数秒で着脱可能である。また、折り畳み可能な[[銃床|テレスコピックストック]]がある。
 
M4カービンの全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募されたが、「M4に全面的に更新しなければならないほどの問題はなく、予算的にも困難が多い」として中止されアメリカ軍に全面的に採用される機会は訪れなかった。
 
=== H&K HK416 ===
[[ファイル:Baghdad street fight.jpg|サムネイル|293x293ピクセル|[[H&K HK416]]]]
[[アメリカ陸軍]]が、[[ヘッケラー&コッホ|H&K]]社に[[M4カービン]]の改修を依頼して開発されたもので、[[M4カービン]]の独自改良版である。
 
[[M16自動小銃|M16]]が[[チャンバー]]内のボルトキャリアまでガスを流入させる[[ダイレクトインピンジメント方式|リュングマン式]]を採用したのに対し、HK416は[[ガス圧作動方式#ショートストロークピストン式|ショートストロークピストン式]]を取っているため、命中精度は若干低下するものの、ボルトキャリアが汚れることはなくなった。
 
運用試験と実戦での試験運用の結果、「重心が前に偏っているために構え辛い」との意見が多数出されたことから、銃身部を7[[オンス]](約198.5[[グラム]])軽量化する改良が行われ、その後は「依然として重心偏重の問題は残されている」とされながらも「[[M4カービン]]に比べて高い信頼性と耐久性を持つ」として使用部隊の将兵には好評を得ている。
 
M4カービンの全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募されたが、「M4に全面的に更新しなければならないほどの問題はなく、予算的にも困難が多い」として中止されアメリカ軍に全面的に採用される機会は訪れなかった。
 
=== FN SCAR ===
[[ファイル:United States Navy SEALs 121.jpg|サムネイル|250x250ピクセル|[[FN SCAR]]]]
更新対象だった[[7.62mm NATO弾]]が一転して重要な存在となった米軍では、[[5.56mm NATO弾]]、[[6.8mm×43SPC]]弾([[7.62x39弾]]相当)、7.62mm NATO弾(.303ブリティッシュ弾相当)の3種の弾薬に、最小限の部品交換で対応できる共通のプラットフォームを持った次世代アサルトライフルを求めるようになった。
 
弾薬のサイズが近似した5.56mm NATO弾と6.8mm×43SPC弾の共通化は多くのメーカで達成できたものの、大きくサイズが異なり、発射時の衝撃も大きな7.62mm NATO弾との共通化は既存のアサルトライフルでは困難であり、7.62mm NATO弾用には別サイズのプラットフォームで対応した[[M16自動小銃|M16]]をベースとする[[H&K HK416|HK416/417]]と、独自設計の[[FN SCAR|FN SCAR-L/H]]が提出された。
 
1950年代に設計された[[AR-10]]の発展型であるHK416/417よりも、先進的な設計のFN SCARがテストでわずかに優秀な成績を収め、[[2009年]]4月に[[第75レンジャー連隊|米陸軍第75レンジャー連隊]]が最初に納入された600挺を受領し、実戦でのテスト段階へ移行している。
 
M4カービンの全面更新用たる米軍次期カービン計画(ICC:Individual Carbine Competition)に応募されたが、「M4に全面的に更新しなければならないほどの問題はなく、予算的にも困難が多い」として中止されアメリカ軍に全面的に採用される機会は訪れなかった。
 
== 主なアサルトライフル ==