「ウォッチメン (映画)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
34行目:
1930年代、アメリカ合衆国の各地に、犯罪者を相手にマスクとコスチュームで身を隠して戦うヒーロー達が出没し始めた。彼らは自らと同じような仮面とコスチュームを身に着けた犯罪者(作中では身元を隠すためと説明されている)と闘っていくうち、いつしか一堂に集結して「ミニッツメン(Minutemen)」という組織を作り、[[第二次世界大戦]]など政治や戦争の世界にも大きく関与していくこととなる。しかし時と共に当初のメンバーたちは、戦闘や犯罪者の報復で命を落としたり、精神に異常を来したり、彼ら自身が法を破ったとして逮捕されたり、あるいは初代シルク・スペクターのように引退したりと、様々な事情で姿を消していく。
 
数十年後、第2世代の「スーパーヒーロー」達(彼らは最低でも常人をかに凌ぐ体力を持ち、[[テレポーテーション]]などの超能力を持つ者もいる)がまた一堂に集結し、新たな組織「ウォッチメン(Watchmen)」を結成するが、彼らをアメリカ政府は政治の道具として利用し、[[ケネディ大統領暗殺事件|ジョン・F・ケネディの暗殺]]や[[ベトナム戦争]]、[[ウォーターゲート事件]]、[[アポロ11号]]月面着陸等の歴史的事件に関与させていった。これによりアメリカは世界に対して一時的には絶対的な覇権を握ることとなったが、世界情勢は混乱の一途を辿っていきつつあった。
 
ウォッチメンの一員であったDr.マンハッタンとコメディアンの投入により、アメリカはベトナム戦争に勝利する。これにより[[リチャード・ニクソン]]大統領は3選を果たし、しかも大統領の任期を無期限に変更してしまう。1980年代までには、大衆の反自警団感情の噴出(多分にコメディアンによるデモ隊への容赦ない弾圧に原因がある)を契機に、ニクソンは覆面着用者の自警行為を禁止するキーン条例を制定し、ウォッチメンは実質的に非合法化されてしまう。政府に活動を認可されたマンハッタン、政府諜報員となったコメディアン、引退を拒絶するロールシャッハのみがヒーローを続ける一方、合衆国と[[ソビエト連邦]]間の緊張は、[[冷戦]]を核攻撃のレベルまで高めていく。
42行目:
ブレイクの葬儀の後、マンハッタンは公開討論会において、記者からかつての恋人であるジェニーと、彼を現在のような存在に変えてしまったある事故以前からの同僚達(彼とジェニーはかつて同じ研究施設で働く物理学者であった)がガンを発病した原因は彼自身にあるとの非難を受ける。会場に現れた余命半年のジェニーの姿に衝撃を受け、取り乱したマンハッタンは火星に逃避。一方、「歩く核抑止力」たる彼の不在を知ったソビエト連邦はアフガニスタンへの侵攻に乗り出す。
 
ロールシャッハが唱えた陰謀説は、引退前にオジマンディアスとしての正体を公表したエイドリアンが暗殺を辛うじて回避し(その場に居合わせた[[リー・アイアコッカ]]は射殺されてしまった)、さらにロールシャッハ自身が殺人の濡れ衣を着せられ逮捕されるに及んで、正当なものである事が明らかになり始めた。
 
一方、 マンハッタンと破局したローリーは、新たにダニエルと恋に落ちていた。2人は親密になるにつれて現役に復帰する事を決意し、ダニエルはかつてのコスチュームを纏い、万能飛行マシン「アーチー」を復活させる。2人はまず火災現場から逃げ遅れた人々を救助し、さらにロールシャッハを刑務所から脱走させる。しかし、3人でダニエルの隠れ家に戻ったところでマンハッタンが現れ、ローリーをテレポーテーションで火星に連れて行ってしまった。
58行目:
マンハッタンはローリーと最後のキスを交わし、別の銀河へ旅立った。「これが平和の代償か!」と泣き叫ぶダニエルはエイドリアンを殴り続けるが、彼は無抵抗でそれを受け容れる。
 
冷戦の終結と人類の統合体の形成のもと、ローリーとダニエルは破壊され再建中のニューヨークに戻り、新しい生活を始めた。その頃、ニューヨークのある新聞社では、若い局員が上司に「クランク・レター(際物の垂れ込み情報などの信憑性の疑わしい手紙。字幕では「読者の手紙」、吹き替えでは「くず記事」)の束の中からでも何か記事になる事を見つけ出せ」と命じられる。その中にはロールシャッハの手記があった。
 
あれほどの犠牲が結局はロールシャッハの手記により無に帰すのか、あるいは新たな状況がウォッチメンの再結集を促すのか?それは誰にも分からなかった。