「絆創膏」の版間の差分
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絆創膏には、救急絆創膏、水絆創膏、テープ絆創膏などの種類がある<ref name="jhpia6"/>。
== 歴史 ==▼
絆創膏は初め、粘着テープであった。粘着テープの始まりは膏薬(''plaster'')である。[[18世紀]]以前は硬膏、たとえばダイアキロン硬膏などは棒状で売られている膏体を熱して軟らかくし布や皮に塗布して使っていたが均一に塗りにくく、膏体にひび割れが入るなど不便であった。18世紀後半にはドイツで[[松脂]]と[[蜜蝋]]などを加え柔軟性と粘着性が改良された「松脂硬膏」が開発され<ref>{{Cite journal |和書|author =伊藤俊男|title =絆創膏の話|date =1990|publisher =日本臨床麻酔学会|journal =日本臨床麻酔学会誌|volume =10|issue =4|doi=10.2199/jjsca.10.315|pages =315-320|ref = }}</ref>、便利になった。その後、松脂硬膏は薬剤や配合剤が加えられ各種の膏薬が開発されたが、まだ膏体そのものは粘着剤とはいえなかった。▼
[[19世紀]]半ばになりゴム工業が盛んになると、これらのゴム技術を用い樹脂と蜜蝋に天然ゴムが加えられる。これにより膏体の粘着性は画期的に良くなる。ゴムの入った膏体をヘンリー・デイが開発し、[[1845年]]にW.H.シカットと2人でU.S.特許を得ている。2人が開発した膏体は天然ゴムを配合したためよく貼り付き、きれいに剥がれる性質を示し粘着剤の特性を持っていた。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]ではこの時、膏体という薬品名が''Adhesive Plaster''に変更され[[イギリス]]では''Resin Plaster''といまだに呼ばれていた。▼
救急絆創膏は[[1921年]]にアメリカ・[[ニュージャージー州]]のアール・E・ディクソン(後の[[ジョンソン・エンド・ジョンソン]]社の副社長)が考案した「[[バンドエイド]]」が最初といわれる<ref name="jhpia6"/>。その後さらに改良を重ね、今日まで色々な種類の絆創膏が開発されるようになっている。日本では[[1948年]]に初めて[[ニチバン]]が[[オーキューバン|ニチバンQQ絆創膏]]という商品名で救急絆創膏を発売した<ref name="jhpia6"/>。以降、各社から発売されてたことで[[コモディティ化]]が進み差別化が難しくなったことから、全体を防水加工する、殺菌作用のある薬剤をガーゼに染み込ませる、[[湿潤療法]]の効果を得られるなど付加価値を付けた高機能製品も登場している。また傷口をセンサーで監視し、状態に合わせた薬剤を投与する『スマート・バンデージ』の研究も行われている<ref>[https://japanese.engadget.com/2018/07/10/smart-bandage-chronic-wounds-reduce-amputations/ 傷口の状態を監視して投薬するスマート絆創膏。切断手術の低減に期待] - [[Engadget]]日本版</ref>。▼
== 種類 ==
絆創膏には、救急絆創膏、水絆創膏、テープ絆創膏などの種類がある<ref name="jhpia6">{{Cite web|url=http://www.jhpia.or.jp/product/bandage/index.html|title=絆創膏の基礎知識|publisher=:[[日本衛生材料工業連合会]]|accessdate=2013-02-13}}</ref>。
=== 救急絆創膏 ===
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日本においては救急絆創膏は薬事法によって[[医薬品]]、[[医薬部外品]]、[[医療機器]]の3つの種類に区分されている<ref name="jhpia6"/>。パッド部分に殺菌消毒薬(アクリノール、塩化ベンザルコニウムなど)を含み殺菌消毒効果を有しているものが[[医薬品]]・[[医薬部外品]]に、パッド部分に薬剤を含んでいないものが医療機器に分類される<ref name="jhpia6"/>。
[[バンドエイド]]([[ジョンソン・エンド・ジョンソン]])、カットバン([[祐徳薬品工業]])、[[サビオ]]([[ニチバン]]・[[ライオン (企業)|ライオン]])、オーキューバン([[ニチバン]])、リバテープ([[リバテープ製薬]])、キズガード([[大正製薬]])等の商品が知られており、それぞれの販路でのこれら商品名が、救急絆創膏の代名詞となっている<ref>[http://www.libatape.jp/about/namemap.html 絆創膏呼び方マップ] - [[リバテープ製薬]]株式会社</ref>。
=== 水絆創膏 ===
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=== テープ絆創膏 ===
[[サージカルテープ]]、粘着包帯、伸縮性粘着包帯などがテープ絆創膏に分類される<ref name="jhpia6"/>。
▲== 歴史 ==
▲絆創膏は初め、粘着テープであった。粘着テープの始まりは膏薬(''plaster'')である。[[18世紀]]以前は硬膏、たとえばダイアキロン硬膏などは棒状で売られている膏体を熱して軟らかくし布や皮に塗布して使っていたが均一に塗りにくく、膏体にひび割れが入るなど不便であった。18世紀後半にはドイツで[[松脂]]と[[蜜蝋]]などを加え柔軟性と粘着性が改良された「松脂硬膏」が開発され<ref>{{Cite journal |和書|author =伊藤俊男|title =絆創膏の話|date =1990|publisher =日本臨床麻酔学会|journal =日本臨床麻酔学会誌|volume =10|issue =4|doi=10.2199/jjsca.10.315|pages =315-320|ref = }}</ref>、便利になった。その後、松脂硬膏は薬剤や配合剤が加えられ各種の膏薬が開発されたが、まだ膏体そのものは粘着剤とはいえなかった。
▲[[19世紀]]半ばになりゴム工業が盛んになると、これらのゴム技術を用い樹脂と蜜蝋に天然ゴムが加えられる。これにより膏体の粘着性は画期的に良くなる。ゴムの入った膏体をヘンリー・デイが開発し、[[1845年]]にW.H.シカットと2人でU.S.特許を得ている。2人が開発した膏体は天然ゴムを配合したためよく貼り付き、きれいに剥がれる性質を示し粘着剤の特性を持っていた。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]ではこの時、膏体という薬品名が''Adhesive Plaster''に変更され[[イギリス]]では''Resin Plaster''といまだに呼ばれていた。
▲救急絆創膏は[[1921年]]にアメリカ・[[ニュージャージー州]]のアール・E・ディクソン(後の[[ジョンソン・エンド・ジョンソン]]社の副社長)が考案した「[[バンドエイド]]」が最初といわれる<ref name="jhpia6"/>。その後さらに改良を重ね、今日まで色々な種類の絆創膏が開発されるようになっている。日本では[[1948年]]に初めて[[ニチバン]]が[[オーキューバン|ニチバンQQ絆創膏]]という商品名で救急絆創膏を発売<ref name="jhpia6"/>。以降、各社から発売されている。
==出典==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
== 関連項目 ==
==リンク==
* [http://www.jhpia.or.jp/product/bandage/index.html 絆創膏] - [[日本衛生材料工業連合会]]
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