「ティーガーI」の版間の差分

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通常、徹甲弾はその存速に貫徹能力を持つ。したがって戦闘距離が短くなればより厚い装甲を貫くことができる(第二次世界大戦ではほとんど使用されなかった[[成形炸薬弾|HEAT弾]]を除く)。ティーガーIの主砲の大きな貫通威力は、敵戦車を相手が反撃できない遠距離から撃破できることを意味する。ロシアなどの平地の多い開けた地形ではこれは大きな戦術的優位だった。敵戦車はティーガーIを撃破するために側面からの攻撃を強いられた。
 
しかし一方で[[オードナンス QF 17ポンド砲]]や[[ZiS-2 57mm対戦車砲]]のような対戦車砲はティーガーの正面装甲を貫通するに十分な威力をもっており、よく準備された対戦車陣地を正面装甲に頼って突破することは不可能であった。
 
ティーガーIは1942年8月29日に初めて[[レニングラード]]近郊のムガにおける戦闘で使用された。[[アドルフ・ヒトラー|ヒトラー]]の圧力で計画より数ヶ月も早く使用されたため、初期型の多くは機械的な問題を抱えたままであることが判明した。1942年9月23日の初陣で、投入されたティーガーIの4両は全てが湿地にはまり込み、ソ連の[[トーチカ]]に据えられた対戦車砲により撃破された。うち3両は回収に成功したものの、1両は回収不能となった。これは爆破処分されたが[[鹵獲]]され、ソ連に同戦車を研究し、対抗手段を準備する機会を与えた<ref name=walter108>『ティーガー戦車』108頁。</ref>。