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水道企業など
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'''上水道'''(じょうすいどう)とは、一般に飲用可能な[[水]]の公共的な供給設備一般を指す。上水道には単に「'''水道'''」という呼び方もあり、[[下水道]]や[[中水道]]などとの区別を強調する場合に上水道と呼ばれることが多い。
 
== 世界の上水道の歴史 ==
水道のルーツは[[古代]][[地中海]]沿岸諸国とされる。当初は、深いところにある[[井戸]]の水を遠くに運ぶための[[水路]]であったと考えられている。[[古代ローマ|古代ローマ人]]は後世「[[ローマ水道]]」と呼ばれることになる巨大なネットワークを構築したが、[[中世]]以後衰微する。
 
水道の近代化は[[1787年]]の[[パリ]]で蒸気式揚水用ポンプが使われ、[[1829年]]に[[ロンドン]]で[[砂濾過池]]による浄水設備の設置以降のことであり、鉄製パイプによる[[水道管]]の開発など[[19世紀]]の[[ヨーロッパ]]で急速に発達した。
 
== 世界の水道企業 ==
欧州や米国では水道事業を民間に開放しているところもあり、必ずしも自治体が提供する公営事業とは限らない。[[イギリス]]や[[フランス]]、[[オランダ]]等のように水道事業を民間会社が行っているのが一般的な国もあり、これらの国の水道運営会社は世界各国にも進出し[[水メジャー]]と呼ばれている。水メジャーの世界3大企業はフランスの[[スエズ・エンバイロメント|スエズ]]と[[ヴェオリア・ウォーター]]、イギリスの[[テムズ・ウォーター]]である。このほかにも[[ベクテル]]のような建設関連企業が海外での水資源開発や水道事業の受託を行っている。
 
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== 日本の上水道の歴史 ==
日本に上水道が導入されたきっかけとしてはコレラなどの伝染病への対策という面もあるが、多少なれど事業当事者にとっての利潤という面も無視できなかった。東京水道の建設などは政府内務省と当時の野党である改進党の思惑に、条約改正を目論む外務省が関わる東京改造計画が絡んだ<ref>小野芳朗『水の環境史「京の名水」はなぜ失われたか』(PHP新書) PHP研究所、2001年 p.177 ISBN 9784569616186</ref>。しかし日本では上水道の導入が検討されていた明治中期、上水道が需要を集める保証は無かったとされている。特に湧水に恵まれた京都市などでは「京都の人がわざわざ金を払って水道を使うだろうか?」「使うだけの『水質』の魅力が水道にあるのか?」と甚だ疑問の目が向けられていた<ref>小野芳朗『水の環境史「京の名水」はなぜ失われたか』(PHP新書) PHP研究所、2001年 p.144 ISBN 9784569616186</ref>。