「柳田國男」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
136行目:
==作品紹介 ==
* 『[[遠野物語]]』
*: [[東北地方]]の伝承を記録した、柳田民俗学の出発点。現行版は[[新潮文庫]]・[[角川ソフィア文庫]]・岩波文庫ほか(話者:[[佐々木喜善]]『聴耳草紙』より、新版[[ちくま学芸文庫]])、他に「佐々木喜善全集」[[遠野市立博物館]]編・刊行(全4巻)。
* 『[[蝸牛考]]』
*: 各地の[[カタツムリ]]の呼び名の[[方言]]分布を比較検討することにより、言葉が[[近畿地方|近畿]]から地方へ伝播していったことを明らかにしたもの。この中で提唱された理論が'''[[方言周圏論]]'''である。言葉は文化的中心地を中心として、まるで何重もの円を描くように周辺へと伝播し、中心地から遠く離れた地方ほど古い言葉が残っていることを示したものである。柳田自身は晩年になって、「あれはどうも成り立つかどうかわかりません」と発言し、方言周圏論に懐疑的になっていたといわれる。しかし、彼の死後6年経って刊行されはじめた[[国立国語研究所]]の『日本言語地図』では「牝馬」「もみがら」など、調査した言葉のおよそ27%に周圏分布が見られ、方言周圏論が有効な理論であることが確認された。
144行目:
=== 全集・文庫 ===
*'''筑摩書房'''版「全集」の刊行一覧
** 『定本 柳田國男集』(全31巻別巻5)は、没する寸前に刊行開始し短期間で完結(※別巻1・2巻は「[[朝日新聞]]論説集」、3巻は「故郷七十年、同増補」<ref>『故郷七十年』は、(朝日選書、オンデマンド版2002年)と(のじぎく文庫・神戸新聞総合出版センター、新装版2010年)があり、2016年には講談社学術文庫で再刊された。他に石井正己が再編した『柳田国男の故郷七十年』(PHP、2014年)がある。</ref>は晩年の口述回想、[[嘉治隆一]](朝日新聞記者)と宮崎修二朗([[神戸新聞]]記者)が筆記しまとめた。なお宮崎、著書『柳田国男 その原郷』([[朝日選書]]、1978年))ある、筆記しまとめた。4巻は「炭焼日記・書簡」、5巻は「総索引、書誌、年譜」)、[[1970年代]]前半から半ば前後新装版を刊行(函を軽くした)が刊行
** 1978-81年に、資料編(全5巻、内容は基本文献の項目を参照)を加えた愛蔵版(装丁は新装版と同一)が刊行。1978-79年に、代表作を現行仮名遣いで読み易くした『新編 柳田国男集』(全12巻)も刊行した。
** 1989-91年に、'''[[ちくま文庫]]'''版『柳田国男全集』(全32巻、新字+現行仮名遣い)が刊行、大いに反響を呼んだ。