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ロディニアの時期は約11億年前~7.5億年前が今の通説なので、各箇所を修正加筆。生態系の項目を追加。
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[[File:Rodinia reconstruction.jpg|thumb|7億5000万年前のロディニア大陸。造山帯が緑色の帯で示されている。赤点は13~15億年前のAタイプ花崗岩が見つかる場所を示している。<ref>{{cite news|url=http://antarcticsun.usap.gov/science/contenthandler.cfm?id=2497 |title= Research paper suggests East Antarctica and North America once linked |date=26 August 2011 |newspaper=The Antarctic Sun |publisher=United States Antarctic Program |accessdate=15 November 2012}} Reconstruction originally published in {{Harvnb|Goodge|Vervoort|Fanning|Brecke|2008|loc=Fig 3A, p. 238}}; research paper mentioned is {{Harvnb|Loewy|Dalziel|Pisarevsky|Connelly|2011}}.</ref>]]
 
'''ロディニア大陸'''(ロディニアたいりく、Rodinia)とは、[[プレートテクトニクス]]理論において、約10億 - 711億年前に誕生し、約6から75000万年前に分裂かけて存在したと考えられている<ref>「[https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/4731/ テキサス州と南極大陸は地続きだった?]」ナショナルジオグラフィック、2011年8月17日、2018年8月4日閲覧。</ref>、世界のほぼ全ての[[陸塊]]が集まってできた[[超大陸]]である。「ロディニア」という名前は[[マーク・マクメナミン]]によって1987が1990年に考案され命名1990年に発表された<ref>妻のダイアナと共著で書いた『動物の出現 -カンブリア紀の大躍進-』という本で発表した。(テッド・ニールド 2008年 216ページ)</ref>。これは[[ロシア語]]で「[[故郷]]」を意味する単語の「ロージナ」({{lang|ru|родина}}, rodina)に由来する<ref>「ロディニ妻ダイナと共著『動物の出現 -カンブリア紀の大躍進-』という名は本で発表。ロシア語で「ロディニア」一族、親戚を意味する名詞であり、「~を生む」という意味の動詞ロディツに由来し、ロディツが元になってロディナ(生誕の地、母国の意味)ができた。(テッド・ニールド 2008年 216ページ)</ref>、[[エディアカラ生物群]]がこの大陸の周辺で進化したことを表している
 
== 概要 ==
20世紀後半の研究の進歩により、過去の[[大陸移動]]の様子が詳しくわかってくると、[[パンゲア大陸]]以前にも、超大陸が存在したことが分かってきた。ロディニア大陸は古地磁気を使った研究([[グレンヴィル造山運動古地磁気学]]によって形成されたり、過去の大陸移動は約6億年前まで詳細に遡るこ考えられている可能でその時期更なる過去については研究者各大陸間でもまだ見解が一致移動ルートを逆算推測ていない。1991年ポール・ホフマンがアメリカ各地科学雑誌『[[サイエンス地層]]』にデータも踏まえて導き出された超大陸がロディニア大陸の主要配置について発表した<ref>テッド・ニールド 2008年 231ページ</ref>である
ロディニア大陸は、パンゲア大陸が形成された地域からほぼ正反対の、現在の[[太平洋]]地域に、やや[[南半球]]寄りに形成されたと考えられている。ロディニア大陸があった時代に[[スノーボールアース|全球凍結]]が起きたという説があるが、その原因のひとつは当時ほとんどすべての陸地が低緯度にあり、南北両極ともに海だったことだという(陸地は海よりも熱の反射率が高く、赤道近くに陸地が多いほど太陽エネルギー吸収の効率を下げることになる)。
 
1991年、[[ポール・ホフマン]]がアメリカの科学雑誌『[[サイエンス]]』にロディニア大陸の主要配置について発表した<ref>テッド・ニールド 2008年 231ページ</ref>。ロディニアは、後の超大陸[[パンゲア]]が形成された地域からほぼ正反対の、現在の[[太平洋]]地域に、やや[[南半球]]寄りに形成されたと考えられている。ロディニアの大陸配置が地球の[[全球凍結]]を引き起こした(南北両極とも海洋なので凍結しやすい)という説もあるが、いわゆる[[スノーボールアース]]現象は約7億年前の出来事とされ、ロディニアの大陸分裂が起こってから約5000万年後<ref>ピーター・ウォード, ジョゼフ・カーシュヴィンク, 梶山あゆみ『[https://books.google.co.jp/books?id=1L4_DwAAQBAJ&pg=PT109&lpg#v=onepage&q&f=false 生物はなぜ誕生したのか 生命の起源と進化の最新科学]』河出書房新社、2016年1月14日、107-111頁。</ref>、というのが現在の通説である。
ロディニア大陸が分裂した後は、[[ゴンドワナ大陸]]と呼ばれるかなり大きな[[大陸]]と、[[シベリア大陸]]、[[ローレンシア大陸]]、[[バルティカ大陸]]と呼ばれる小さな大陸へと分裂したと考えられている。
 
約7.5億年前にロディニア大陸が[[分裂]]をはじめ、その後に関しては[[ゴンドワナ大陸]]と呼ばれるかなり大きな[[大陸]]と、[[シベリア大陸]]、[[ローレンシア大陸]]、[[バルティカ大陸]]と呼ばれる小さな大陸へと分裂したと考えられている。ロディニア分裂後に関しては、各々の大陸が1億年ほどかけて異なる配置に集結し、新たな超大陸[[パノティア大陸|パノティア]]が約6.5億年前にできたとする異説<ref>Pietro Gaietto「[https://books.google.co.jp/books?id=u8uwBgAAQBAJ&pg=PA19&lpg#v=onepage&q&f=false Phylogensesis of Beauty]」Lulu.com.(2014年4月25日).p-19.2018年8月4日閲覧。 この資料内では名称がパノティアではなく、パノニア(pannonia)と表記されている。</ref>もある。
21世紀初頭では、ロディニア大陸よりもさらに前の超大陸として、約10億年前に存在した[[パノティア大陸]]の存在が指摘されている。あるいは約10億年前に存在した超大陸をロディニア大陸、約7億年前に存在した超大陸をパノティア大陸と呼ぶこともある。
 
ロディニアよりも前の時代に関しては、昨今の地質学や古地磁気学データから、約20億年前から18億年前の間にあった[[コロンビア超大陸]]の存在が支持されており<ref>{{cite web|author=Zhao, G.; Sun, M.; Wilde, S. A.; Li, S. |url=https://www.researchgate.net/publication/222891080_A_Paleo-Mesoproterozoic_supercontinent_Assembly_growth_and_breakup|title= A Paleo-Mesoproterozoic supercontinent: Assembly, growth and breakup|date=2004|publisher=Earth-Science|accessdate=4 August 2018}}</ref>、大陸移動説に基づいた[[学術研究]]が行われている。
 
== 生態系 ==
3億年前の超大陸[[パンゲア]]には多彩な生物がいたが、ロディニア大陸は地上に[[生命体]]と呼べるものがいない、岩石だけの大地である。
 
ロディニアが形成された約10億年前は、海の中でようやく小さな[[多細胞生物]]([[菌類]])が出現するようになった時期であり<ref>真柳仁『[https://books.google.co.jp/books?id=G7hdDwAAQBAJ&pg=PA212#v=onepage&q&f=false 高校とってもやさしい生物]』旺文社、2018年3月26日、210-212頁。 </ref>、陸生生物は当然いなかったと考えられている。また、これまで発見されている最古の陸上植物(の化石)も約4億7000万年前の陰[[胞子]]である<ref>西田治文 『[http://www.utp.or.jp/book/b307533.html 化石の植物学 -時空を旅する自然史]』東京大学出版会、2017年06月22日。</ref>ため、超大陸ロディニアには原始の植物すら生えておらず、ただ岩石だけの[[陸塊]]だったと考えるのが妥当である。
 
== 脚注 ==
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* [[大陸]]
* [[超大陸]]
* [[スノーボールアプレトテクトニクス]]
 
== 参考文献 ==