「毒もみ」の版間の差分

'''毒もみ'''（どくもみ）とは、海や河川などに毒を撒いて魚を取る漁法である。「毒もみ」とは[[宮城県]]などで使われる呼称で、他に'''毒流し'''（アメながし）（、[[秋田県]]）、'''根流し'''（[[福島県]]）、'''ドウス'''（[[長野県]]）、<ref>『佐久市志民俗編』 長野県佐久市平成２ 1990年２2月２０20日発行 全１５０６1506頁</ref>などと呼ぶ地方もある。

かつては世界中で行われており、その土地にある固有の有毒植物が使われていたが、日本では主に[[サンショウ|山椒]]が使われていた。川の中で山椒の入った袋を揉んで毒の成分を出すので「毒もみ」と呼ぶ（山椒の皮に含まれるサンショオールには麻痺成分がある）。日本では1951年施行の[[水産資源保護法]]第六条で、調査研究のため農林水産大臣の許可を得た場合を除いて禁止されている。

淡水・海水問わず、毒もみに関しては世界中で歴史上の様々な文章に記されている<ref>A.L. Dahl (1985}Dahl（1985） ''Traditional Environmental Management in New Caledonia: A Review of Existing Knowledge''</ref>。昔の人々は食料や医療目的など様々な用途に植物を使っており<ref>V. Singh (ed) (2007)Singh（ed）（2007） ''Indian Folk Medicines and Other Plant-Based Products.'' Jodhpur Scientific Publications. Chapter 22 ISBN 81-7233-481-8</ref>、植物の毒を漁につかうことは人類の歴史の中で非常に古い習慣である。[[神聖ローマ帝国]]の[[フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝)|フリードリヒ2世]]は1212年に毒もみを禁止する法令を出しており、同様の法律が15世紀までの他のヨーロッパ諸国にも存在した。アメリカの先住民族である[[タラフマラ族]]も毒を用いた漁を行っていた。

* 砕いた粉末を、一1貫匁（約3750グラム）につき[[草木灰|木灰]]七百700匁（約2625グラム）の割合で混ぜる。

*「 『毒もみのすきな署長さん」』 - [[宮沢賢治]]の童話（生前未発表）。なお、賢治の童話「『[[風の又三郎]]」』には、「発破」という名称で[[ダイナマイト漁]]が登場する。失敗しているが少年らが毒もみを行った描写がある。

* 「『イワナの怪」』 - 南会津地方の民話で、[[岩魚坊主]]のバリエーションの一つ。