「モントリオール地下鉄」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
編集の要約なし
39行目:
 
2012年現在営業している路線は、4路線存在している。この4本の路線は、それぞれに番号とシンボルカラーが与えられている。3号線が欠番となっているのは、当初、[[:en:Red Line (Montreal Metro)|3号線]]は他の路線で使われているゴムタイヤではない既存の鉄道路線を走る路線として計画されていたが、計画中止となったためである。現在では、この3号線の代わりに[[モントリオール大都市圏交通局]]の近郊鉄道路線のドゥ・モンターニュ線として整備されている。
 
=== 駅舎 ===
冬季のモントリオールは最低気温がマイナス30度、最高気温ですらマイナス20度にしかならないこともある寒冷な気候である。この影響で、全駅が地下駅であり、外気が直接駅舎内に入ってこないように設計されている。ただ、このように全駅が地下駅であるという共通点はあるにせよ、どの駅舎もそれぞれ別の建築家によってデザインがなされており、そのためどれも駅舎の様式は異なっている
<ref name="tani_cf_p207">
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
それぞれの駅舎には、[[ステンドグラス]]や[[彫刻]]や[[壁画]]などを取り入れるなど、芸術性を重視して設計されている。また、天井が高い駅が多く、太陽光が間接的に地下空間に入るように地下空間が広く設計されている駅が多い。ちなみに、右の写真のヴィクトリア広場駅(Square Victoria)の入口のデザインは[[パリ地下鉄]]を模した駅舎となっているが、これは[[パリ|パリ市]]より寄贈されたものである。
 
なお、駅舎内や地下鉄車内での大道芸などは基本的に禁止されている。ただし、乗り換え駅の通路には大道芸人用のスペースが設けられており、そこには目印として[[ハープ]]の絵が掲げられていて、そこでのパフォーマンスは許されている
<ref name="tani_cf_p207">
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
 
[[File:QC-STM 20080113-161802 Metro-PlaceDesArts MuraleFredericBack.jpg|rightleft|thumb|450px|芸術広場駅の[[ステンドグラス]]]]
== 歴史 ==
モントリオールでの地下鉄建設の計画は1910年に遡る
<ref>
{{cite web|title=An underground railway project since 1910|url=http://www.stm.info/english/en-bref/a-project.htm|accessdate=2007-06-11|publisher=STM|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070901223559/http://stm.info/English/en-bref/a-project.htm|archivedate=2007年9月1日|deadurldate=2017年9月}}
</ref>
しかし実際にモントリオール地下鉄の建設が始まったのは、1962年5月と半世紀経ってからのこと。[[モントリオール万国博覧会|モントリオール万博]]の開催が決まり、それに向けて地下鉄の建設をすることになったのである。この頃すでにフランスの[[パリ]]には地下鉄が走っており、[[パリ地下鉄]]の技術を導入し、パリの地下鉄と似たスタイルの地下鉄が建設されていった
<ref>
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207、p.208 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
そして、1966年10月に1号線と2号線でモントリオール地下鉄は開業する。その後、1967年4月には4号線がモントリオール万博に合わせて開通した。また、1986年6月には5号線が開通したことで、先述の4路線が揃った。以降、路線の新設や延伸は財政問題の為、1990年代は行われなかった。しかし、2002年に2号線を3駅の延伸する工事が開始され、2007年4月には新たに3駅が延伸開通した。この他に2012年現在、4号線や5号線の延伸などが計画されている。
 
== 路線と駅 ==
[[File:Lionel-groulx-montreal-metro.jpg|thumb|300px|リオネル・グルー駅]]
{| class="wikitable"
|-
65 ⟶ 94行目:
※マークのある駅は世界最大の[[モントリオール地下街]]を形成し、相互に地下街を通じて行き来が可能である。
=== グリーン・ライン ===
[[File:Montreal metro LaSalle.jpg|thumb|200px|ラ・サール駅]]
[[File:Metropeel montreal.jpg|thumb|200px|ピール駅の装飾]]
[[File:McGill station rouge red.jpg|thumb|200px|マギル駅]]
[[ファイル:Berri-UQAM Metro station2.jpg|thumb|right|ベリUQAM駅のステンドグラス]]
[[ファイル:MonkPapineau Stationstation MetroMontreal.jpg|thumb|200px|モンクパピヌー駅]]
 
1号{{ill2|モントリオール地下鉄グリーンライン|en|Green Line (Montreal Metro)}} - 開業当初から存在する路線。フランス語では'''リーニュ・ヴェルトゥ'''。モントリオール地下鉄で最も混雑する路線としても知られている。
221 ⟶ 249行目:
 
[[ファイル:GuimardMon.JPG|thumb|200px|right|ヴィクトリア広場駅の入り口]]
[[ファイル:Metro Cartier.jpg|thumb|200px|right|カルティエ駅]]
[[ファイル:Delasavane2.jpg|thumb|200px|ドゥ・ラ・サヴァン駅]]
[[File:Cote-Sainte-CatherineMetro.JPG|thumb|200px|コート・サンテ・カトリーヌ駅]]
415 ⟶ 444行目:
[[ファイル:StationUniversité-de-Montréal.jpg|thumb|200px|モントリオール大学駅]]
[[ファイル:Villeray–Saint-Michel–Parc-Extension - Station Parc.jpg|thumb|200px|パルク駅の駅舎]]
5号{{ill2|モントリオール地下鉄ブルーライン|en|Line 5 Blue (Montreal Metro)}} - モントリオール地下鉄の中で最も新しい路線で、1986年に開通した。フランス語では'''リーニュ・ブルー'''と呼ぶ。なお、営業中の4路線の中では最も乗客が少ないものの、この路線にもサンミッシェルから先のアンジューまでの延伸計画が存在しているあり、連邦政府・州政府からの予算が認可された。2020年に建設開始予定
 
{| class="wikitable" rules="all"
486 ⟶ 515行目:
|}
 
=== 歴史延伸計画 ===
前述のブルーラインのアンジューまでの延伸の他、[[:en:Pink Line (Montreal Metro)|ピンクライン]]の計画がある。また、既存の近郊電車区間の再整備と新規路線を合わせた[[Réseau électrique métropolitain|REM]]が建設中となっている。
[[File:QC-STM 20080113-161802 Metro-PlaceDesArts MuraleFredericBack.jpg|right|thumb|450px|芸術広場駅の[[ステンドグラス]]]]
モントリオールでの地下鉄建設の計画は1910年に遡る
<ref>
{{cite web|title=An underground railway project since 1910|url=http://www.stm.info/english/en-bref/a-project.htm|accessdate=2007-06-11|publisher=STM|archiveurl=https://web.archive.org/web/20070901223559/http://stm.info/English/en-bref/a-project.htm|archivedate=2007年9月1日|deadurldate=2017年9月}}
</ref>
しかし実際にモントリオール地下鉄の建設が始まったのは、1962年5月と半世紀経ってからのこと。[[モントリオール万国博覧会|モントリオール万博]]の開催が決まり、それに向けて地下鉄の建設をすることになったのである。この頃すでにフランスの[[パリ]]には地下鉄が走っており、[[パリ地下鉄]]の技術を導入し、パリの地下鉄と似たスタイルの地下鉄が建設されていった
<ref>
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207、p.208 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
そして、1966年10月に1号線と2号線でモントリオール地下鉄は開業する。その後、1967年4月には4号線がモントリオール万博に合わせて開通した。また、1986年6月には5号線が開通したことで、先述の4路線が揃った。以降、路線の新設や延伸は財政問題の為、1990年代は行われなかった。しかし、2002年に2号線を3駅の延伸する工事が開始され、2007年4月には新たに3駅が延伸開通した。この他に2012年現在、4号線や5号線の延伸などが計画されている。
 
1980~1990年代初頭には[[:en:Red Line (Montreal Metro)|3号線]](レッドライン)、[[:en:Line 6 (Montreal Metro)|6号線]]、[[:en:White Line (Montreal Metro)|7号線]](ホワイトライン)の計画が持ち上がったが頓挫している。
== 駅舎 ==
[[ファイル:Stained glass, McGill metro station, Montreal (3 of 5).JPG|thumb|300px|right|マギル駅のステンドグラス]]
冬季のモントリオールは最低気温がマイナス30度、最高気温ですらマイナス20度にしかならないこともある寒冷な気候である。この影響で、全駅が地下駅であり、外気が直接駅舎内に入ってこないように設計されている。ただ、このように全駅が地下駅であるという共通点はあるにせよ、どの駅舎もそれぞれ別の建築家によってデザインがなされており、そのためどれも駅舎の様式は異なっている
<ref name="tani_cf_p207">
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
それぞれの駅舎には、[[ステンドグラス]]や[[彫刻]]や[[壁画]]などを取り入れるなど、芸術性を重視して設計されている。また、天井が高い駅が多く、太陽光が間接的に地下空間に入るように地下空間が広く設計されている駅が多い。ちなみに、右の写真のヴィクトリア広場駅(Square Victoria)の入口のデザインは[[パリ地下鉄]]を模した駅舎となっているが、これは[[パリ|パリ市]]より寄贈されたものである。
 
なお、駅舎内や地下鉄車内での大道芸などは基本的に禁止されている。ただし、乗り換え駅の通路には大道芸人用のスペースが設けられており、そこには目印として[[ハープ]]の絵が掲げられていて、そこでのパフォーマンスは許されている
<ref name="tani_cf_p207">
谷川 一巳 『地下鉄のフシギ!?』 p.207 山海堂 1999年6月10日発行 ISBN 4-381-10335-1
</ref>
 
== 車両 ==
533 ⟶ 539行目:
 
2016年には36年ぶりとなる[[ボンバルディア・トランスポーテーション|ボンバルディア]] - [[アルストム]]製の新型車両の[[:en:MPM-10|Azur]]が導入され、徐々に置き換わっているおり、2018年にはオレンジラインの全車両が新車両となった
 
=== 過去の車両 ===
540 ⟶ 546行目:
=== ゴムタイヤの使用について ===
ゴム製車輪による走行は鉄製車輪と比べると静粛で、またゴム製車輪には振動を抑える効果があり、さらに急勾配、急曲線にも対応できる。急勾配は6.5%まで登坂可能であり、このような勾配は通常の鉄製車輪では登れない。この他、低速での急加速、急減速などもゴム製車輪の方が鉄製車輪より有利である。したがって、勾配があって、曲線が多く、駅間距離が短いような場合は、ゴム製車輪の優位性が出てくる。一方で、ゴム製車輪は鉄製車輪に比べて寿命が短く、より短い走行距離での交換が必要となる。また鉄製車輪に比べ、ゴム製車輪は転がり抵抗が大きいため、その分エネルギーロスも多くなってしまう。
 
==ギャラリー==
<gallery style="font-size:90%;">
[[Fileファイル:Montreal metro LaSalle.jpg|thumb|200px|ラ・サール駅]]
ファイル:Turnstiles with OPUS reader at Bonaventure Metro Station in Montreal.jpg|thumb|自動改札機
[[ファイル:Stained glass, McGill metro station, Montreal (3 of 5).JPG|thumb|300px|right|マギル駅のステンドグラス]]
ファイル:MontrealMetroPlasDeArts.JPG|thumb|芸術広場駅
ファイル:AngrignonMetro station.jpg|thumb|自然光が差し込むアングリニョン駅
ファイル:Verdun metro station.jpg|thumb|ヴェルダン駅
ファイル:Monk Station Metro.jpg|thumb|モンク駅
ファイル:PrefontaineStationMetro.jpg|thumb|プレフォンテーン駅
ファイル:Près du Stade Olympique iv..JPG|thumb|ピーヌフ駅の入口
ファイル:L'Assomption-metro Station.jpg|thumb|アソンプシオン駅
ファイル:WTMTL T35 P1130366.JPG|thumb|ランジェリエ駅
ファイル:Snowdon Montreal Metro.jpg|thumb|スノードン駅
ファイル:Acadie Montreal Metro 925097664.jpg|thumb|アカディー駅
ファイル:Delasavane.jpg|thumb|ドゥ・ラ・サヴァン駅
ファイル:Station Namur 02.JPG|thumb|ナムール駅
ファイル:PlaceSaintHenri Metro.jpg|thumb|聖アンリ広場駅
ファイル:Montreal metro georges vanier interior.jpg|thumb|ジョルジュ・ヴァニエ駅
ファイル:Bonaventuremetro2011.jpg|thumb|ボナヴァンチュール駅
ファイル:Montreal - Metro Champ-de-Mars, panorama-20050329.jpg|thumb|シャン・ド・マルス駅のステンドグラス
ファイル:Crémaziemetro.jpg|thumb|クレマジィ駅
</gallery>
 
== 出典 ==