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|関連項目 = *[[ハープ協奏曲]]
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'''ハープ'''({{lang-en-short|harp}})は、[[西洋音楽]]<ref>Lucia Bova, L'arpa moderna. p.2に、楽器編成へモンテヴェルディが「ハープ」と記載したことが書かれている。</ref>で用いられる[[楽器分類学#弦鳴楽器|弦鳴楽器]]。
 
[[ファイル:M217 - pedalharpa - Erard Freres - före 1902 - foto Olav Nyhus.jpg|thumb|コンサートハープ]]
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弦鳴楽器の5分類の内、[[ハープ属]]に属する。楽器用法としては[[弦楽器]]に属し、[[弓 (楽器)|弓]]を使わずにもっぱらはじいて音を出すため、[[撥弦楽器]]に分類される。[[オーケストラ]]においては、弦楽器の主体となる[[ヴァイオリン属]]の楽器と音色も奏法も大きく異なるため、弦楽器群の楽器のひとつとしてではなく、挿入楽器として扱われる。日本語では、'''竪琴'''(たてごと)と呼ばれる楽器群に含まれる。
 
共鳴胴の両端に2本の棹を立て、2本の先を結ぶ。棹のうちの曲線状になった方と共鳴胴との間に平行に[[弦 (楽器)|弦]]を並べて張る。弦の数は数十本に及ぶ。この[[弦 (楽器)|弦]]を指で弾いて演奏する。最も古い[[楽器]]の一つで、同種の楽器は世界各地に分布している。[[アイリッシュハープ]]、[[アルパ]](パラグアイ・ハープ)、[[ノルディック・ハープ]]、[[メキシカン・ハープ]](Arpa jarocha)、がその例である。[[リヒャルト・ワーグナー|ワーグナー]]作曲、楽劇「[[ニュルンベルクのマイスタージンガー]]」において、ベックメッサー・ハープが使われる。これは小型のハープであり、古楽器に近い。また、ハープは、弾くと皮の指がめくれるという特徴がある。
 
尚、ブルースハープ、ヴァイブラハープは、[[ハーモニカ]]と[[ヴィブラフォン]]の俗称で、ハープとの直接の関連はない。
 
== ハープの起源 ==
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== ダブル・アクション・ペダル・ハープ ==
現代の西洋音楽の、[[ソロ (音楽)|独奏]]や[[オーケストラ]]、[[重奏|室内楽]]、[[吹奏楽]]などで広く用いられているコンサートハープは、'''ダブル・アクション・ペダル・ハープ'''である。これは、主に47本の弦を[[変ハ長調]][[全音階]]で張り(半音低く調律された白鍵のみの[[ピアノ]]のイメージ)、7本のペダル(それぞれ3段階の位置があり、上から順にフラット、ナチュラル、シャープ)を足で操作することにより、各オクターブのハ、ニ、ホ、ヘ、ト、イ、ロそれぞれの弦を同時に[[半音]]上げたり、[[全音]]上げたりできるようになっているハープである。全音階ハープを転調などに対応できるようにするため、楽器職人[[セバスチャン・エラール]]<ref>[http://web.archive.org/web/20180809233252/http://www.takada-harp.com/sp/harp/celticvoice.php CAMACハープの原点はエラールハープ] 2018年8月10日閲覧</ref>等により作られた。この仕組みにより、様々な調を演奏することができるが(調によっては[[異名同音]]的に)、どんなに熟練してもペダルの操作を全くの瞬時に行うことは不可能であるため、オーケストラなどでは2人で演奏することによって、ペダル操作の不完全さを補うことがある。また、ダブル・アクション・ペダル・ハープに代わる楽器として、半音ごとに弦が張られた'''クロマティック・ハープ'''というものも19世紀に作られたが、グリッサンドのメリットが完全に失われるため結局は廃れてしまった。
 
音域は6オクターブ半を持ち、最高音は[[中央ハ]]の3オクターブ半上の[[変ト]](ペダルで[[嬰ト]]になる)、最低音は中央ハの3オクターブ下の[[変ハ]]である。いちばん高音から0オクターブ(2音のみ)、1オクターブ・・・7オクターブ(3弦のみ)と数える。弦には識別のために色が付けられており、各オクターブのハ(C)の音が赤、へ(F)の音が青(黒)となっている。
 
最低音の2弦(C1, D1)はペダルアクション機構を持っていない。演奏の途中にフラット、ナチュラル、シャープの調律を切り替えることは出来ず、いずれかの調律に固定しておく必要がある。
 
===現代===
演奏中に調弦を変えることは不可能ではないが、あまり用いられない。前もって平均律ではない調弦にすることも可能で、西洋人ではない作曲家は好むものもいる(武満徹)が、これも一般的ではない。
 
Carlos Salzedoが現代ハープ奏法を確立したのち、紙でこする、二台使うなどの特殊奏法は今では全く珍しくなくなってしまっている。オーケストラに複数のハープ奏者を常備している環境もあるが、近年の金銭難で一人一台のみというオーケストラも多い。
 
== 著名なハープの楽曲・ハープの特徴的な楽曲 ==
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* [[ハープ協奏曲]]
* [[ナブラ記号]]
 
==脚注==
{{Reflist}}
 
==参考文献==
*Anna Paselli, L'Arpa, Palermo, L'Epos, 2008. ISBN 978-88-8302-368-2
*Lucia Bova, L'arpa moderna. La scrittura e la notazione, lo strumento e il repertorio dal '500 alla contemporaneità, prefazione di Luis de Pablo, Suvini Zerboni, Milano, 2008. ISBN 978-88-900691-4-7
*Lucile Lawrence; Carlos Salzedo (1929). Method for the Harp; Fundamental Exercises with Illustrations and Technical Explanations (as an Introduction and Complement to Carlos Salzedos̀ "Modern Study of the Harp") by Lucile Lawrence and Carlos Salzedo. New York, G. Schirmer.
 
== 外部リンク ==