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'''S-AWC'''(Super All Wheel Control)(スーパーオールホイールコントロール)は、4輪の駆動力や制動力をそれぞれ独立して電子制御し、最適な駆動状況が得られるようにした、三菱自動車の車両運動統合制御システム(もしくはその思想)のことである。[[ACD]]を軸に、[[横滑り防止装置]]や[[トラクションコントロール]]と総合的に組み合わせて制御する。各車輪の回転状況をモニターしながら、路面状況に応じた前後駆動力配分を行っている。併せて、「スノー」「ターマック」「ロック」など、3種類のドライブモードを運転者が任意に選択することができる機構
[[ACD]]を軸に、[[横滑り防止装置]]や[[トラクションコントロール]]と総合的に組み合わせて制御する。各車輪の回転状況をモニターしながら、路面状況に応じた前後駆動力配分を行っている。併せて、「スノー」「ターマック」「ロック」など、3種類のモードを運転者が任意に選択することができる機構。
 
== 成立 ==
*1980年代のパジェロやギャランなどに採用された4輪駆動システムを、三菱では「オールホイールコントロール」という言葉で表現してきた<ref>{{Cite journal|date=2018-08-16|title=三菱・パジェロ|url=https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E4%B8%89%E8%8F%B1%E3%83%BB%E3%83%91%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%AD&oldid=69598156|journal=Wikipedia|language=ja}}</ref>。それは、単なる4WDとせずに、ギャラン・シグマでは4WSによる操舵やデフにLSDを採用したり、パジェロなどではビスカスカップリングなどの差動制限など、AWDをさらに補佐する装置を積極的に取り入れてきた。しかし、一つの自動車をコントロールする機能の名称としては使用してはいなかった。また、[[トラクションコントロール]]も機械的な初期型を採用したりしていた。
*1990年代からは、ランサーエボリューションやギャランやシグマなどの車種で、電子制御(アクティブ化)したリアデファレンシャル[[AYC]]アクティブヨーコントロールを用いて、フルタイム4WD車両の旋回性能を改善しようとしてきた。さらに、電子制御化された[[横滑り防止装置]]や[[トラクションコントロール]]も様々な車種で採用されるようになってきた。
*2001年、それまでのAYCや[[横滑り防止装置]]、[[トラクションコントロール]]に加え、アクティブセンターディファレンシャル[[ACD]][[ランサーエボリューション]]に追加し、センターデフも含めトータルで電子制御でコントロールする機構を追加する旨が発表。それまでのAWCを進化させたものとして「S-AWC」と呼称するようになった。逆に、AYCを持たずにACDのみを持つギャランフォルティスにおいては、そのトータル制御機構の名称は、Sを除く単なる「AWC」機構であるとした。
*2005年に発表されたアウトランダーでもAYCを含むS-AWCシステムとして採用された。「スノー」の前後駆動配分は70:30、「ターマック」の前後駆動配分は90:10、「ロック」は前後駆動配分は55:45であった。
*2018年に発表された[[三菱・エクリプスクロス]]ではアクセル開度や車速、車両の走行条件などから、後輪へ伝達するトルクを常に適切に配分する「電子制御4WDシステム」を搭載。これに[[AYC]]デフではなく、AYCを擬似的にブレーキ制御で実現する機能を追加した車両運動統合制御システム「S-AWC」とした。ドライブモードセレクターも装備されており、ドライバーは状況に応じて「AUTO」「SNOW」「GRAVEL」の中から最適な制御を選択することが可能となっている。