「観念的競合」の版間の差分

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作為犯の場合は、行為者の動態を外部的・客観的に認識しやすいのに対し、[[不作為犯]]の場合は、不作為の状態があるだけであるため、これが同時に複数の作為義務違反に当たる場合に観念的競合と解するか併合罪とするかが大きな問題となる。
 
[[ひき逃げ]]犯人が現場から逃走する場合の、[[道路交通法]]上の救護義務違反の罪(同法72条1項前段、117条1項)と報告義務違反の罪(同法72条1項後段、119条1項10号)の罪数について、二つの不作為犯がそれぞれ成立し併合罪の関係に立つとするのが従来の判例<ref>最高裁判所昭和38年4月17日大法廷判決・刑集17巻3号229頁・[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51753 判例情報]</ref>・多数説であったが、最高裁昭和51年9月22日大法廷判決<ref>最高裁判所昭和51年9月22日大法廷判決・刑集30巻8号1640頁・[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=51103 判例情報]</ref>は、自然的観察のもとでは「[[ひき逃げ]]」という1個の行為であるとして、従来の判例を変更し、両者は観念的競合に当たるとした。
 
=== 過失犯の罪数 ===
[[飲酒運転|酒酔い運転]]とその過程における運転中止義務違反の過失による[[業務上過失致死罪]]は併合罪となる(前掲最高裁昭和49年判決。同種の事案である極度の疲労と眠気による無謀運転とその過程における運転中止義務違反の過失による[[業務上過失致死罪]]を観念的競合としていた旧判例から判例変更。)
 
=== 共犯の罪数 ===
最高裁昭和57年2月17日決定<ref>最高裁判所昭和57年2月17日決定・刑集36巻2号206頁・[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57031 判例情報]</ref>は、[[幇助]]罪の個数は正犯の罪の数によって決定され、幇助罪が数個成立する場合にそれらが1個の行為によるものであるかは、幇助行為それ自体について判断すべきであるとした(最高裁昭和57年2月17日決定<ref>最高裁判所昭和57年2月17日決定・刑集36巻2号206頁・[http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=57031 判例情報]</ref>)
 
== 処断刑 ==