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[[電波産業会]]の標準規格・技術資料において「限定受信方式」と定義されており<ref name="ARIB_TR-B14_Ver5.1">{{cite web|url=http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/4-TR-B14v5_1-3p3.pdf|title=ARIB TR-B14 地上デジタルテレビジョン放送運用規定 ARIB TR-B14 5.1版 (第三分冊)|author=一般社団法人 電波産業会|publisher=www.arib.or.jp|date=2013-03-19|accessdate=2013-10-01}}</ref><ref name="ARIB_STD-B25_Ver6.2">{{cite web|url=http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B25v6_2.pdf|title=デジタル放送におけるアクセス制御方式 ARIB STD-B25 6.2版|author=一般社団法人 電波産業会|publisher=www.arib.or.jp|date=2012-09-25|accessdate=2013-10-01}}</ref>、一般に'''ARIB限定受信方式'''とも呼ばれる<ref>{{cite web|url=http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/235321/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/eisei/pdf/1010.pdf|title=(5)BS放送とCS放送の概要|author=総務省|publisher=国立国会図書館 インターネット資料収集保存事業 (WARP)|date=|accessdate=2013-10-01}}</ref><ref name="ARIB_STD-B10_Ver5.1">{{cite web|url=http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/2-STD-B10v5_1.pdf|title=ARIB STD-B10 デジタル放送に使用する番組配列情報 ARIB STD-B10 5.1版|author=一般社団法人 電波産業会|publisher=www.arib.or.jp|date=2012-09-25|accessdate=2013-10-01}}</ref>。関連する方式として、地上デジタル放送に限って[[地上放送RMP管理センター]]が運用する[[コンテンツ権利保護専用方式]](RMP方式、地上RMP方式<ref name="av.watch.impress.20130619">{{cite web|url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20130619_604221.html|title=【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】第619回:ソフトウェアCASで実現した“小型な地デジ” - AV Watch|author=小寺信良|publisher=Impress Watch Corporation|date=2013-06-19|accessdate=2013-10-01}}</ref>)があり、上述の標準規格・技術資料において「コンテンツ保護方式<ref name="ARIB_TR-B14_Ver5.1" /><ref name="ARIB_STD-B25_Ver6.2" />」(ARIBコンテンツ保護方式<ref name="ARIB_STD-B10_Ver5.1" />)と定義される。
 
B-CAS方式は、[[日本における衛星放送|日本のBSデジタル放送]]の有料放送受信者を対象とする狭義の[[限定受信システム]] (CAS : Conditional Access System) としてスタートし、現在も社名にビーエスを冠する<ref name="b-cas.co.jp/about-bcas">{{cite web|url=http://www.b-cas.co.jp/www/b-cas/|title=名前の由来|publisher=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ|date=|accessdate=2013-10-01}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。その後、BSデジタル放送以外にも利用されデジタル放送における[[デジタル著作権管理]] (DRM) の一部として正規の機器を認証する広義の限定受信方式(コンテンツ保護方式)としても利用されている<ref name="b-cas.co.jp/about-bcas" />。
 
== 概要 ==
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その他、白カード(店頭展示テレビ専用)、黄色カード(用途限定カード)、黒カード(業務用)など限られた用途のB-CASカードも存在するが一般視聴者が目にすることはあまりない。これらのカードはネットオークションに出品されることもあるが、同社は契約違反であるとして問題視している<ref>{{Cite web|author=長谷川博|date=2007-09-10|url=http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070905/281210/|title=B-CASカードのネット転売に権利者団体が警鐘、背後に「無反応機」の影|work=ITpro|publisher=日経BP社|accessdate=2009-07-06}}</ref>。
 
B-CASカードの転売や譲渡については、B-CAS社はカード所有権は自社にあるとして転売などを認めていない<ref>{{cite web|url=http://www.b-cas.co.jp/www/faq/card.html#card8|title=B-CASカードよくある質問|publisher=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ|date=|accessdate=2013-10-01}}</ref>。{{要出典範囲|date=2017年10月|転売すると著作権法違反で逮捕される}}。カード単体での発売も行われておらず、故障や紛失した際には、B-CAS社のカスタマーセンターに申し込むことで、1枚あたり送料込み2,050円で再発行される<ref>{{cite web|url=http://www.b-cas.co.jp/www/step/triple/application1.html|title=各種お手続き(一般向けカード)|publisher=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ|date=|accessdate=2013-10-01}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
雑誌『[[週刊ポスト]]』の報道では、毎年の発行枚数と売り上げから計算するとB-CAS社にとっては1枚600円前後のビジネスと推測されている<ref name="post">{{Cite journal|和書|year=2008|month=10|title=地デジマフィアを肥えさせる新型テレビ「不要な内蔵カード (B-CAS)」|journal=週刊ポスト|volume=40|issue=44|pages=pp. 150-151|publisher=[[小学館]]}}</ref>。メーカーの仕入れ値については、1枚あたり100円程度であることが2013年のB-CASカード横流し事件の際に報じられた<ref>{{cite web|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130802/crm13080214120014-n1.htm|title=「B-CASカード」横流し全国初摘発 製造販売会社社長を逮捕 - MSN産経ニュース|publisher=産経新聞|date=2013-08-02|accessdate=2013-10-01}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
B-CAS社は[[デジタル放送推進協会]] (Dpa) と契約を交わし、[[ARIB規格]]に準拠して著作権保護機能を遵守するメーカーの機器にカードを支給していると述べている<ref name="post"/>。
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==== バックドアの存在 ====
1億5千万枚以上発行(2014([[2014]]時点)されたB-CASカードの大多数に、カードに書き込まれた情報が平文で読み書きできる[[バックドア]]が存在する<ref name="B-CAS 事故 '8674422'">{{Cite book |和書 |author=鳥取ループ |year=2013 |title=B-CAS 事故 '8674422' 2012年テレビ視聴制限崩壊の真実 |publisher=示現舎 |isbn=978-4990578787 }}</ref>{{要ページ番号|date=2014年9月}}(この事案から、カード裏のT記号が東芝のTであり、他の記号は製造メーカーの頭文字と推定される)。最初に明らかにされた東芝製B-CASカードは東芝製品にしか付属しない事、早期にB-CASカードからバックドアへのアクセスプログラムが削除された為、流通数は全体からすると少ない。
 
しかし、残る他社カードではバックドアプログラムをB-CASカードに再プログラム出来る事が判明。[[2012年]]、全てのB-CASカードのセキュリティが突破される。この時、B-CASカードには「お試し視聴期間」として受信開始から一週間だけ全ての有料チャネルが視聴できる機能があった。すなわち本来暗号化されたEMMメッセージで書き込まれる筈のワークキーがあらかじめカードに平文で書き込んであり、バックドア経由で全ての鍵が取り出され、また契約者情報を任意に変更できる状態にあった(地上波専用カードは衛星放送の契約者情報が予め期限切れに設定してあるだけで、B-CASカードのほぼ大多数を占める青カードが問題となる)。これが後述の不正視聴問題とDRM能力の喪失に繋がった。
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B-CAS方式は、かねてよりB-CASカードそのものを悪用する(ARIB非準拠機器にB-CASカードを挿入した)不正コピーには対応できない可能性が指摘されていた。
 
[[2007年]]([[平成]]19年)[[10月25日]]、既に発行されたB-CASカードを流用した上でコピー制御信号を無視することを前提とした地上・BSデジタルチューナーの[[フリーオ]]が発売された<ref name="itpro.20071214/289590">{{Cite web|author=中野淳|coauthors=高田学也|date=2007-12-14|url=httphttps://itprotech.nikkeibp.co.jp/it/pc/article/NEWS/20071214/289590/|title=放送業界を揺るがすコピーフリーの地デジ受信機「フリーオ」を入手|work=ITpro|publisher=日経BP社|accessdate=20092018-0709-0618}}</ref>。[[フリーオ]]発売以降も複数のARIB非準拠チューナーが発売されており<ref name="oshiete-kun.2008.12.bscs_4pt1">{{Cite web|date=2008-12-23|url=http://www.oshiete-kun.net/archives/2008/12/bscs_4pt1.html|title=地デジ・BS/CS 4番組同時受信!「PT1」の設定を徹底解説|work=教えて君.net|publisher=[[ネトラン|にゅーあきば]]|accessdate=2009-07-06}}</ref><ref>{{cite web|url=http://gigazine.net/news/20100621_px_s3u/|title=PT2のUSB外付けバージョンか、3波対応チューナー「PX-S3U」が登場 - GIGAZINE|publisher=OSA INC.|date=2010-06-21|accessdate=2013-09-26}}</ref>、実質的に DRM が機能しているとは言い難い。
 
==== 限定受信システムの問題 ====
フリーオ発売以降、スクランブルされたストリームのデコードに必要なキーをインターネット経由で共有する手段が実用化され<ref name="gigazine.20080821_friio">{{cite web|url=http://gigazine.net/news/20080821_friio/|title=ついにあの「フリーオ」がB-CASカード不要に、とんでもない方法を採用 - GIGAZINE|publisher=OSA INC.|date=2013-08-21|accessdate=2013-09-26}}</ref><ref name="akiba.hotline.20090523">{{Cite news |url = http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20090523/etc_friio.html|title = 「フリーオ」が初の店頭販売、地デジ/BS放送などに対応 |work = Akiba PC Hotline! |publisher = [[インプレス]] |date = 2009-05-23 |accessdate = 2009-07-06}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>、[[地デジ難視対策衛星放送]]や無料民放放送などが視聴可能となった。
 
2012年には、B-CAS社が発行したものでない、サードパーティ製の[[海賊版]]B-CASカードが出回り<ref name="gigazine.20120223-black-cas-card">{{cite web|url=http://gigazine.net/news/20120223-black-cas-card/|title=テレビを見まくりな謎のカード「BLACKCASカード」をテレビに挿してみた|publisher=OSA INC.|date=2012-02-23|accessdate=2013-09-26}}</ref>、その後B-CASカードを[[改竄]]する手法も明らかになり<ref>{{cite web|url=http://gigazine.net/news/20120518-b-cas-card/|title=B-CASカードを有料放送見放題カード「BLACKCAS」にする手順が判明するまでの経緯まとめ、一体ネット上で何が起きたのか? - GIGAZINE|publisher=OSA INC.|date=2012-05-18|accessdate=2013-09-26}}</ref>、放送限定受信システムとしての機能を果たさなくなった。
 
本件は、刑事事件として[[逮捕]]者が出る事態となっている<ref>{{cite web|url=http://www.b-cas.co.jp/www/law/index.html|title=「不正改ざんカード」について | B-CAS|publisher=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ|date=|accessdate=2013-09-26}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>(詳細は次節を参照)。
 
=== 有料チャンネル等の不正視聴への対応 ===
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さらに[[2013年]][[7月]]には、[[さいたま市]]在住の会社員らが有料放送の視聴料を支払わないで見られるように細工した、不正B-CASカードを放送局などに無断で制作・販売した疑いで逮捕された事例がある。この会社員らは不正B-CASカード6000枚を売りさばき1億3000万円以上の稼ぎを得たといわれている。
 
[[2014年]][[8月]]には、[[台湾]]で、日本向けのインターネット通販を利用して、有料放送局に無断で不正B-CASを売ることを目的に、B-CASのデータを無料で見られるように書き換えたとして、現地の30-40代の2人が摘発された。彼らが作成・販売した不正カードは、[[スカパー!]]や[[WOWOW]]、[[ケーブルテレビ]]での正規視聴契約ならば、月総額で5万円程度かかるところを、[[2038年]]まで無料で見られるように不法改造され、1枚1万円程度で通販され、摘発の際に約11,000枚が押収された<ref>[http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140814/k10013789721000.html B-CASカード 台湾で偽造・販売か](NHK2014年8月14日 当日閲覧){{リンク切れ|date=2018年9月}}・[http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/140813.html 発表の概要と当社の見解](ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ2014年8月13日 8月14日閲覧){{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
このサイト<ref>[https://www.blackcas.com/ 問題の不正B-CASの通販サイト]</ref>によると、[[2012年]]ごろからこの不正B-CASカードを製造・発売しており、'''「[[日本における衛星放送#地デジ難視対策衛星放送|衛星のセーフティネット]](地デジ難視聴対策による衛星放送での在京キー局の再配信)を含めたBS・CSのチャンネルを放送事業者に加入手続きをすることなく半永久的に視聴できる」'''と謳っていた。更に'''「このカードは自己完結タイプであり、一旦ICチップに使用許可が書き込まれると、外部からのコマンドを受けて、勝手に変更することができません。放送事業者がカードのナンバーを知らなければ、カードの無効化(視聴許諾取消し)はできません。言い換えると、どの機器に使われても、放送事業者に把握されることは不可能です」'''とする説明が書かれていた。またミニB-CASに対応するため、抜き取りができるようになっていた。
 
更にこのサイトは'''「(不正B-CASの販売会社)はB-CAS株式会社に買収されました。 (不正B-CASカード)のご注文方法について、「商品のご購入」のページをご覧ください。(注文書の送り先としてビーエス・コンディショナルアクセスシステムズの住所が記載されている)」'''であったり'''「偽物サイトにご注意ください。偽物サイトと買うと、詐欺に遭うおそれがありますので、くれぐれもご注意ください。」'''などとした注釈をサイトに掲載していた。もちろんこれはB-CASを管理するビーエス・コンディショナルアクセスシステムズとは全く関係がないため、B-CAS社は'''「"有料放送を無料で見られる"などという安易な気持ちで不正カードを購入・使用すると刑事罰の対象になりますので、絶対に購入や使用はもちろん購入しないようにしてください」'''と警告を掲載した。<ref>{{Cite web |url=http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/index.html |title= お知らせ|accessdate=2018-09-07 |publisher= ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ|archiveurl=https://web.archive.org/web/20141017013701/http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/index.html |archivedate= 2014-10-17|deadlink=2018年8月}}</ref>
 
この事件を受けて、B-CAS社、[[スカパーJSAT]]、[[スターチャンネル]]、[[WOWOW]]の有料衛星放送事業者3社の合計4社から、[[東京税関]]に対して申し立てていたこの偽B-CASカード「BLACK CAS」と「不正B-CAS」の輸入差し止めの申し立てが受理され、今後は日本国内の全[[税関]]で、輸入した場合の没収などの取り締まりの規制対象に追加された。これは'''「[[不正競争防止法]]第2条・第1項・第11号」に規定される技術的制限手段を回避する知的財産侵害品とみなされる'''。この知的財産侵害品と扱われたものは、「[[関税法]]第69条の11 輸入してはならない貨物」の扱いとされ、輸入した場合は税関に押収される<ref>[http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/140821.html 不正なB-CASカードに対する輸入差止申立ての受理](ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ2014年8月21日 9月5日閲覧){{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref><ref>[http://www.customs.go.jp/mizugiwa_search/chiteki/fuseikyoso/1000-1741.htm 不正なB-CASカードに対する輸入差止((不正改ざんされたものに限る))]</ref>
 
===B-CASカードエミュレーション===
[[2012年]](平成24年)[[5月23日]]午前 ‏6時37分、[[バックドア]]を経て[[リバースエンジニアリング]]されたB-CASプログラムを基に、B-CASを[[エミュレーション]]する[[ソフトウエア]]である[[Softcas]]が発表された。このプログラムを[[インストール]]すると、あたかもB-CASカードが存在する様に振舞い、DRM解除や限定受信システム回避の為に違法なB-CASカードの改竄(この罪は[[私電磁記録不正作出罪]]および同行使となる)も、またカードそのものの装着も不要となる。本プログラムの存在は、[[Google]]がプログラムの場所を削除させる事によって隠蔽された。しかし、[[コンピュータプログラム]]は[[ソースコード]]と共に流出。現在は[[イラン]]に存在する、[[Tor]]による[[匿名]][[サーバ]]によって公開され、[[2015年]]現在も[[メンテナンス]]されている<ref>{{Cite web|date=2012-05-23|url=http://buzzap.jp/news/20120523-softcas/|title=「B-CASカード不要で地デジや衛星放送を視聴可能」と称する謎のプログラム「SoftCAS」最新版公開、ネット環境も必要無し|publisher=BazZap|accessdate=2014-12-09}}</ref>。
 
== B-CAS見直しに向けて ==
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=== ユーザー登録の廃止 ===
[[2009年]]([[平成]]21年)[[11月9日]]に、ビーエス・コンディショナル・アクセス・システムズ (B-CAS) は地デジ専用B-CASカードのユーザー登録制度を[[2011年]]([[平成]]23年)[[3月]]末で廃止すると発表した<ref>{{Cite web|accessdate=2009-11-09|date=2009-11-09|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0911/09/news070.html|title=地デジ専用B-CASカードのユーザー登録制度を廃止|publisher=ITmediaNews}}</ref><ref>{{Cite web|accessdate=2009-11-11|date=2009-11-09|url=http://www.b-cas.co.jp/whatsnew/091109.html|title=地上デジタル専用B-CASカードのユーザー登録廃止の予定について}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
[[2010年]]([[平成]]22年)[[7月5日]]に、ビーエス・コンディショナル・アクセス・システムズ (B-CAS) は、全てのB-CASカードのユーザー登録を廃止すると発表した。廃止後は、それまでに収集した個人情報は速やかに消去するとしている<ref>{{cite web|url=http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1007/05/news070.html|title=B-CASカード、来年3月末でユーザー登録を全廃 - ITmedia ニュース|author=ITmedia|publisher=ITmedia Inc.|date=2010-07-05|accessdate=2013-10-01}}</ref>。しかし、収集した個人情報が確実に消去され、かつ他の第三者(特に法的権限を持つ公的機関)に漏洩していないかどうかについて、実質的な監査を行う法制度は、発表時点で存在していない。
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=== 著作権法改正に伴う変化 ===
2012年(平成24年)6)[[6月20日]]に成立した改正[[著作権法]]により、私的使用目的であっても、暗号方式による技術的保護手段の回避により可能となった複製を、その事実を知りながら行う場合には、民事上違法となることとなった。この他、暗号方式が技術的保護手段の対象に加わることにより、第120条の2第1号において、暗号方式による技術的保護手段の回避を可能とする装置又はプログラムの譲渡等を行った者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科することとなった<ref>{{Cite web|author=文化庁|date=2012-06-20|url=http://www.bunka.go.jp/chosakuken/24_houkaisei.html|title=平成24年通常国会 著作権法改正について|publisher=日本政府文化庁|accessdate=2014-04-07}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
これに伴い、これまで暗号化解除手段を開発・提供していたコミュニティサイトは、著しく縮退・消滅し、[[オープンソース]]等で公開されていたコンピュータプログラムは、過去のリビジョンを残して施行後のリビジョンから、暗号化解除に関するコードを削除した。ただし、これらの[[コンピュータソフトウェア]]のフレームワークは、あらゆる[[オペレーティングシステム]]で既に完成していた為、罪に対する[[法の不遡及]]は行えず、施行前に完成・公開されていた[[コンピュータプログラム]]は、そのまま[[インターネット]]の[[サーバ]]上に残る事となった。
 
=== セキュリティー対策を強化した新カードを配布 ===
2012年[[8月30日]]に共同通信は、有料デジタル放送の事業者が有料放送を無料で見られる不正カードは、事業の存続に影響があるとして、警察の取り締まりに期待するだけでなく、自分たちも不正カードの対策をした新しいB-CASカードを配布して、対応していく予定であると報道した<ref>{{Cite web|author=共同通信|date=2012-08-30|url=http://www.47news.jp/CN/201208/CN2012083001000894.html|title=有料デジタル放送カード刷新へ 「タダ見」根絶狙い|publisher=47NEWS|accessdate=2014-03-12}}</ref><ref>{{Cite web|author=B-CAS|date=2014-01-18|url=http://www.b-cas.co.jp/www/b-cas/maker.html|title=受信機メーカーの方々へ|publisher=B-CAS|accessdate=2014-03-12}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
具体的には、セキュリティ強化カードにWOWOWとスカパー、スターチャネルが作成した新しいKwを予め書き込んだ状態で2014年[[4月]]ころより配布を開始、その後契約者に新Kwを配信し終えて以降の[[2015年]][[2月18日]]に、WOWOWはKsで新しいKwを選択し、従来のKwでは放送をデコード出来ない様にした。これにより予め新カードに交換・あるいは契約者として新しいKwを受信したB-CASカードを使用している場合以外は、WOWOWの視聴が出来なくなった(ただし契約者であればカスタマーサポートに連絡することで新Kwを受信できる)。その後、WOWOWの後を追って2015[[6月15日]]にスターチャンネル、その翌日にはスカパーが相次いでKsで新しいKwを選択し、WOWOWと同様に旧Kwのみを持つB-CASカードでは試聴が不可能になった。
 
しかし、依然Kmで暗号化されているEMMメッセージが、バックドア付きB-CASカードによって平文として解読可能であるため、この対応は「いたちごっこ」であり、根本的な解決法ではない。しかし[[ICカード]]を直接書き換える技術のない者による、カジュアルな不正視聴対策としての効果はあった。その後も各社ほぼ1年半毎にKwの切り替えを行っている。
 
=== コンテンツ権利保護専用方式の本格運用開始 ===
2013年[[4月16日]]、全地上テレビ放送局の運用テストがスケジュール通り完了し、同時にリファレンス実装となる機器の発売が決定。B-CAS方式と並行して運用するサイマルクリプト方式によるコンテンツ権利保護専用方式の運用が始まった。これに伴い三波方式以外の地上デジタル放送受信機でのB-CASカードの運用・添付は段階的に終了し、また三波方式でも地上デジタル放送の受信にはB-CASカードを使用しない方向での運用が確定する(同時2チャンネルの制限を受けないコンテンツ権利保護専用方式の方が望ましいからである)<ref>{{Cite web|author=ARIB|date=2014-04-16|url=http://www.arib.or.jp/tyosakenkyu/kikaku_hoso/hoso_std-b014.html|title=ARIB TR-B14 標準規格の概要及び改定の概要|publisher=ARIB|accessdate=2014-04-08}}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
 
=== B-CAS社による初の民事訴訟の提起 ===
2013年[[5月9日]]B-CAS社は、B-CASカードを不正改ざんし第三者に譲渡したなどの行為で有罪判決が確定している二人に対して、不正改ざん事件では初めてとなる損害賠償の支払いを求める民事訴訟を東京地方裁判所に提起した<ref>{{Cite web |author=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ |date=2014-05-09 |url=http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/130509.html |title=民事訴訟の概要 |accessdate=2014-04-08 }}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref>。
同日、株式会社WOWOW、株式会社スター・チャンネル、スカパーJSAT株式会社の3社も同様の訴訟を提起している<ref>{{Cite web |author=株式会社インプレス |date=2014-05-09 |url=http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20130509_598673.html |title=有料放送3社、B-CASカードの不正視聴で有罪となった2人に損害賠償を請求 |accessdate=2014-09-04 }}</ref>。
同年[[7月8日]][[7月31日|同月31日]]に、被告欠席によりB-CAS社側の主張が認められ請求を全面的に認める判決が言い渡された<ref>{{Cite web |author=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ |date=2014-07-08 |url=http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/130708.html |title=判決の概要 |accessdate=2014-09-04 }}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref><ref>{{Cite web |author=株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ |date=2014-07-31 |url=http://www.b-cas.co.jp/www/whatsnew/130731.html |title=判決の概要 |accessdate=2014-09-04 }}{{リンク切れ|date=2018年9月}}</ref><ref>{{Cite web |author=株式会社インプレス |date=2014-07-09 |url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130709_606892.html |title=B-CAS不正改ざんカード販売の男性に、損害賠償支払い判決 WOWOW、スター・チャンネル、スカパーに約339万円 |accessdate=2014-09-04 }}</ref><ref>{{Cite web |author=株式会社インプレス |date=2014-07-31 |url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20130731_609769.html |title=B-CAS不正改ざんプログラムをネット公開した男性に、240万円の賠償金支払い |accessdate=2014-09-04 }}</ref>。
 
=== 不正B-CASカードに係る民事訴訟の提起 ===
2014年[[2月20日]]、B-CASカード発行費用を負担する、有料放送事業者のスカパーJSATとスターチャンネル、WOWOWの3社は、有料放送を無料で視聴できるように不正改ざんしたB-CASカードを第三者に販売した3人に対し、2月20日に民事訴訟を東京地方裁判所へ提起。損害賠償として3億2590万9127325909127円の支払いを求めた。5000枚以上(本B-CAS不正視聴項における情報によると6000枚)を不正に改ざん、販売した事は悪質であり、懲罰的罰金とも言える超高額訴訟を提起するに至った。また、スカパーカスタマーセンターの説明によると、本事案で関係した購入者5000人の購入情報は既に警視庁より入手しており、およそ一人当たり500万円前後の著作権侵害における損害賠償請求を提起するとしている<ref>{{Cite web|author=インプレス|date=2014-02-20|url=http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140220_636182.html|title=不正B-CASカード販売の3人に、有料放送3社が損害賠償3億2,590万円の民事訴訟|publisher=インプレスAVウオッチ|accessdate=2014-03-22}}</ref>。
 
=== その他 ===