「ミズムシ (昆虫)」の版間の差分

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足→肢、羽根→翅に統一。
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'''ミズムシ'''(水虫)は、[[カメムシ目]]'''ミズムシ科'''(Corixidae)に属する[[水生昆虫]]である。多くの[[水生カメムシ類]]が鎌状の前をもち、鋭い口の捕食者であるのに対して、ミズムシ類は[[藻類]]などを食べるおとなしい虫である。
 
== 形態 ==
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頭部は幅広く、左右に大きな[[複眼]]がある。[[触角]]は目立たない。下面にある口は、吸い口ではあるが、ごく短い。
 
前胸とそれ以降の胴体とは、幅がほぼ同じ、成虫では胴体の背面は羽根で覆われる。背面はつやつやして水を弾く。
 
はごく短く、鎌状というよりスプーン型である。中は長く、先がカギ状になって、体を器物に固定するのに使われる。後は長く、先がオールのようになって、遊泳用に使われる。また、前の部分に発音器官があり、短く鋭い音をたてるものがある。
 
[[卵]]は水中の水草の茎などに産み付ける。[[幼虫]]は体がやや短く、羽根がない以外は成虫にそっくりであ酷似している。
 
== 習性 ==
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== 分類 ==
いくつかの属があるが、チビミズムシ属を除いてはいずれも外見がよく似ているうえ、同属の種も多いので、分類はむずかしい。日本では約30種が知られているが、未記録種も存在しているものと考えられている。また、一部の[[ため池]]に生息する種は生息地が減少しているため、絶滅を危惧されている。ここでは日本産の普通種の一部を挙げるにとどめる。
 
; ミヤケミズムシ属 Cenocorixa
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== 利用 ==
他の水生カメムシのように魚を襲うこともなく、経済上や人間社会に直接は全くの無害無用の昆虫であるが、ミズムシをつかった遊びがあり、その面では有用ともいえる。ミズムシは'''風船虫'''(ふうせんむし)ともよばれるが、夜間に明かりに飛んできたミズムシの中で比較的大型のものを使う遊びのなかで生まれた別名である。ミズムシは、水中を泳ぐとすぐに水底に脚でしがみついて体を固定する。そうしないと呼吸のために保持している空気の浮力で浮いてしまうためである。そこで、まず、コップに水をいれ、色紙を小さく切って沈めておく。その中にこの虫をいれると、ミズムシはすぐに水底に潜り、色紙につかまる。すると、虫は紙を持ったままで浮いてくる。水面に達すると、ミズムシはあわてて再び潜り、また別の色紙につかまる。するとまた紙と一緒に浮きはじめ、虫が離れた紙は沈む。これを繰り返すため、やがてコップの中は浮かぶ色紙、沈む色紙とさまざまな色紙が舞うようになるのを見る遊びである。
 
紙をつかんで浮いてくる虫が、まるで[[風船]]のようだというので、これを風船虫というようになった。このことはよく子供向の本にも紹介されているので、現実の現代生活で親しまれている実態以上に有名になっている模様である。