「ポルシェ・911」の版間の差分

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}}</ref>。初代生産型は開発コードの901からそのまま901型と称され、部品番号の冒頭にも901が入っている(同様の理由で[[ポルシェ・904]]はポルシェ・カレラGTSに改名されている)。通称「ナロー」。日本には[[ミツワ自動車]]により[[1965年]]より輸入されている。技術担当重役はF.トマラ、エンジン開発主任は[[フェルディナント・ピエヒ]]、スタイリングは[[フェルディナント・アレクサンダー・ポルシェ]]が担当した。
 
エンジンは新たに開発された[[空冷エンジン|空冷]][[水平対向6気筒]]で内径φ80 mm×φ80mm×行程66 mm66mm。低[[騒音]]と高[[出力]]を兼ね備えており将来性があるとの観点から、従来の[[OHV|プッシュロッド]]式に換えて[[SOHC]]が採用された。[[排気量]]は大きなマージンを取り、かつ手の届きやすい価格にするため1,991ccになったものの、後の市場の要求次第で2.7リットル程度まで拡大できるようになっていた。総[[アルミニウム合金]]製の[[クランクケース]]、[[タイミングチェーン|チェーン]]駆動<ref group="注釈">4気筒の356カレラエンジンでは[[歯車#種類|ベベルギア]]駆動であったため騒音が大きく、[[タイミングベルト|ベルト]]駆動はシンプルで静粛であるが当時としては[[ハンス・グラース (自動車メーカー)|ハンス・グラース]]しか採用しておらず、リスクを負うべきではないとの結論になり、チェーン駆動となった。高性能エンジンは[[フライホイール]]が軽くチェーンに大きな[[加速力]]が掛かるため、当時最高品質であったレノルド(''Renold'' )製を採用した。</ref>される[[カムシャフト]]、[[ドライサンプ]]<ref group="注釈">水平対向エンジンは横幅があるため横Gが掛かったときのオイルレベル変動が激しい。ウエットサンプでオイルパンを深く取れば[[最低地上高]]を確保するためエンジン位置を上げねばならず、[[重心]]が高くなる。また、空冷のためオイル量を増やす目的もあって4気筒エンジンでもカレラ(356と904)にはドライサンプが採用されていた。</ref>、鉄製[[シリンダーライナー]]をアルミフィンで包んだバイラル構造シリンダー<ref group="注釈">当初はアルミニウム合金、試作段階では[[鋳鉄]]製であった。</ref>、軸流式冷却ファン<ref group="注釈">従来使われていたシロッコ式は非常に安価にフォルクスワーゲンから購入できたが効率が劣り、また風が左列に行くので右列用にダクトを設けるか右寄りにファンを移動する対策が必要になっていた。</ref>などが特徴点として挙げられる。[[キャブレター]]は[[ソレックス]]トリプルチョーク40PIオーバーフロー型をツインキャブで採用していた。[[クラッチ]]はフィヒテル&ザックス(''Fichtel & Sachs'' 、現[[ZFフリードリヒスハーフェン|ZF]])が生産した砂型アルミニウム[[鋳物]]製で軸間距離は68 mm、φ215 mm単板ダイアフラム式。
 
全長は4163 mm4163mm。全幅は1,610 mm610mm。[[ホイールベース]]は2,211 mm211mm。[[トレッド]]は前1,337 mm337mm、後1,317 mm317mm。ホイールは前後とも4.5J15 in5J15in。[[タイヤ]]は前後とも165HR15。[[ブレーキ]]は1系統で[[ブレーキパッド|パッド]]面積前52.5 cm5cm<sup>2</sup>、後40 cm40cm<sup>2</sup>。[[オルタネーター]]は490 W。
 
[[暖房]]は[[カーヒーター#ヒートエクスチェンジャー|ヒートエクスチェンジャー]]に加え、補助的に[[燃料タンク (自動車)|メインタンク]]の[[ガソリン]]を燃料とし、電気的に点火するエーバーシュペッヘル製[[カーヒーター#燃焼式ヒーター|燃焼式ヒーター]]を標準採用した。
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[[1967年]]の[[フランクフルトモーターショー]]で[[タルガトップ|タルガ]]モデルが発表された。
 
* '''911''' - エンジンは[[圧縮比]]9.0で130 [[馬力|PS]](96 kW(96kW128 hp)128hp)/6,100 [[rpm (単位)|rpm]]、17.8 kgm8kgm/4,200 rpm200rpmの901/01型が搭載されていた。プロトタイプは高度な腕を持つ[[職人]]が個々に作っていたので問題が起こらなかったが、[[大量生産]]を始めるとフロント[[ホイール・アラインメント#キャンバー角|キャンバー]]4[[分 (角度)|分]]、リアキャンバー1[[度 (角度)|度]]6分、フロント[[ホイール・アラインメント#|トーイン]]15から20分、リアトーイン0から - 2分、[[ホイール・アラインメント#キャスター角|キャスター]]7度45分<ref>初期の説明書による</ref>という厳しいサスペンション調整に関する[[公差]]を守れず、初期の製品は非常にハンドリングが神経質となったため、11 kg11kgもの[[鋳鉄]]製の[[重し|錘]]2つが「[[バンパー]]補強材」の名目でフロントバンパー両側に取り付けられた。初期型に搭載されていたソレックス製キャブレターでは2,500 - 3,000 rpm000rpmの領域でパワーが出ず、ソレックスの工場に社員が派遣されたが効果は上がらず、[[1966年]]2月から元々[[ランチア・フラミニア]][[V型6気筒|V6]]用に開発された[[ウェーバー (企業)|ウェーバー]]401IDA3C/40IDA3C1に変更され、これによりエンジン形式名が901/05型エンジンとなった。'''911S'''に先行して採用されていた新型のヒートエクスチェンジャーが1966年11月に採用され、暖房の効きが改善されると同時に、[[バルブオーバーラップ]]を小さくした901/06型エンジンとなった。
* '''911S'''([[1966年]]7月25日発表、[[1967年]]発売) - Sはスポーツを意味する。軽合金[[鍛造]][[ピストン]]採用、バルブ大径化とオーバーラップ引き上げ、ポート大径化、圧縮比9.8で160 PS(118 kW160PS(118kW158 hp)158hp)/6,600 rpm600rpm、18.2 kgm2kgm/5,200 rpmの901/02型エンジンを搭載し、リアトレッドを拡大されたモデル。[[トランスミッション]]は5速のみ高くし911用を流用している。新型のヒートエクスチェンジャーが使用され、暖房の効きが改善された。ブレーキは通風式となった。
 
=== Aシリーズ ===