「セミオートマチックトランスミッション」の版間の差分
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これらの形式はトルクコンバータ式の[[オートマチックトランスミッション]]のギア段数が少なく、動力損失や重量増大も大きかった時代、[[燃費]]の低下やエンジン騒音などを嫌気したメーカーによって「軽量で動力ロスのない形式」として開発が進められた。トルコン式フルATは元々は大排気量で[[エンジンの振動]]が少なく、高回転までスムーズに吹け上がる[[V型8気筒]]が主流で、他の国では高級なエンジン形式である[[直列6気筒]]すら最廉価版として位置付けられていたハイパワーな[[アメリカ車]]のために開発されたものであり、排気量や最大出力、エンジンの振動を考慮した実用回転数に一定以上の制約が避けられない[[直列4気筒]]や[[直列2気筒]]などが主流にならざるを得ない日本車や欧州車では、最大段数が少なく歯車比が低いアメ車とほぼ同じ構成のトルコン式フルATを搭載したAT車の走行性能や快適性は、同一車種のMT車と比較してどうしても大きく低下する傾向があった為である。
それでも、自動クラッチ車はスムーズに変速するには一度ニュートラルに入れてアクセルを煽ることで回転数を合わせたり、急なシフトレバー操作を控えるなどといった独特のコツが必要とされた為、市場のニーズは変速操作も自動化されたフルATに次第に移行していくようになった。
一方、欧州ではサキソマットの遠心クラッチを流体継手に置き換えたポルシェ・スポルトマチックや、VW・オートマチック・スティックシフトなどのような形式が1980年代まで製造された後も、ルノーやフィアットなどの廉価な小型大衆車を中心に、トルクコンバータ式フルATに比べて安価に製造できる自動クラッチ車の需要が残り続け、1990年代には乾式単板クラッチを油圧で操作するルノー・イージーシステムなどが登場、1990年代後半からは電磁クラッチとMTを組み合わせた方式がセミATの機構として一般化し、さらにその変速操作をアクチュエーターにより自動化してフルATとなったAMT(ロボタイズドMT、RMTとも)や[[デュアルクラッチトランスミッション]](DCT)が、[[ヨーロッパ]]を中心に廉価な小型車や大型トラックで普及しつつある<ref name="jama">{{Cite web|url=http://www.jama.or.jp/lib/jamagazine/201102/02.html|title=JAMA -JAMAGAZINE-|publiser=一般社団法人 日本自動車工業界|accessdate=2015-02-26}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.udtrucks.com/ja-jp/trucks/quon/cd/fuel-efficency|title=UD Trucks - 燃費効率 Quon CD|publisher=UDトラックス株式会社|accessdate=2015-02-26}}</ref>。AMTは日本ではNAVi5以降は[[スムーサー (変速機)|スムーサー]]や[[ツインクラッチSST]]などが、一部の大型トラックや[[スポーツカー]]に採用されている程度であったが、2014年にスズキが油圧式ロボタイズドMTである'''オートギアシフト'''(AGS)を自社の[[軽自動車]]に積極的に採用し始め、2016年からは小型の[[ハイブリッドカー]]へと採用の範囲を広めたことで[[大衆車]]にも普及の兆しが見え始めている。
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