「山縣初男」の版間の差分

'''山縣 初男'''（やまがた はつお、[[1873年]]（〈[[明治]]6年）8〉8月31日 - [[1971年]]（〈[[昭和]]46年）1〉1月11日）は、[[大日本帝国陸軍|日本陸軍]]の軍人。最終階級は陸軍[[大佐]]。陸軍の中国通（支那通）の一人として知られ、[[繆斌]]工作に関与していた。別号は'''三志園'''、'''海城'''。娘婿は[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]の政治家である[[三原朝雄]]。[[新潟県]][[村上本町]]表新町（現・[[村上市]]）に生まれる<ref name="Murakami">村上市編（1992）, p.722.</ref>。

旧士族山縣正升の長男として生まれる。村上私学校を中退して[[陸軍教導団]]歩兵科に入り、[[1894年]]（明治27年）3月に卒業。歩兵二等軍曹として[[日清戦争]]に参戦した。[[1898年]]（明治31年）12月、[[士官候補生]]となり、[[陸軍士官学校 (日本)|陸軍士官学校]]（12期）に入学。[[1900年]]（明治33年）11月に卒業後、[[歩兵第30連隊]]に所属して[[日露戦争]]に参戦する<ref name="Murakami" />。

これ以後は中国関係の勤務に従事し、約40年にわたって中国各地に在住、陸軍の中国通（支那通）の1人として知られることになる。[[中華民国]]成立後は、[[雲南省 (中華民国)|雲南]]の[[唐継尭]]や[[貴州省 (中華民国)|貴州]]の[[劉顕世]]の[[軍事顧問]]を務めた。特に唐の軍事顧問としては、[[1921年]]から翌年にかけて起きた[[顧品珍]]のクーデター鎮圧に貢献している。[[1923年]]（[[大正]]12年）、陸軍大佐に昇進、[[1926年]]（大正15年）3月、[[予備役]]に編入。退官後も引き続き中国で活動を続け、[[1945年]]（[[昭和]]20年）1月には、[[汪兆銘政権]]の[[繆斌]]に会うなど和平工作に従事したが、これは失敗に終わっている<ref name="Murakami" />。

戦後は暫く[[東京都]]に居住し、後に[[福岡県]][[遠賀郡]][[遠賀町]]へ移り、娘婿・[[三原朝雄]]宅に寓居した。[[1971年]]（昭和46年）1月11日没。享年99（満97歳）<ref name="Murakami" />。

* [[秦郁彦]]編『日本陸海軍総合事典』第2版、[[東京大学出版会]]、2005年。