「テレマークスキー」の版間の差分

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後にスイスの急峻な山岳で進化したアルペンスキーはレジャーや競技としての地位を築き、クロスカントリースキーとジャンプスキーも競技として一般化した。ところがテレマークスキーはそれらの陰に隠れ、一時期は忘れ去られる存在となってしまう。再び世に出るのは1970年代になってからで、クロスカントリースキーの流行とともにアメリカに於いてクロスカントリー用の板で斜面を滑降する技術として復活し、現在に至っている。
 
現在では、[[冬季オリンピック]]競技のクロスカントリーや[[ノルディックスキー複合|ノルディック]]コンバインド(複合)]]で有名な[[ノルディックスキー]]の1種もしくは別名として使われることが多い。[[リレハンメルオリンピック]]の開会式で、その存在を改めて世界中に知らしめた。テレマークスキーヤーはテレマーカーとも呼ばれ、徐々にではあるがその数を増やしつつある。
 
テレマークスキーには2つの意味があり、上に述べたスキースタイルとスキー用具両方であるが、スタイルは用具と密接に関わっているため、テレマークスキー用具の特徴とそれによって決まってくるスキースタイルについて説明する。
: テレマークブーツの一目で分かる特徴として、ビンディング取り付けのためにコバが長く前方に突き出ている点と、プラスチックブーツの場合は屈曲可能にするために甲の部分を蛇腹状にしている点が挙げられる。
; 板
: 板も以前はアルペンスキーと明らかに異なり、細長く軽量な板が主流であった。しかし、近年のプラスチックブーツの普及により滑りが高速化して板にも高い[[剛性]]やターン性能が求められるようになったうえ、テレマークレースのスキー幅規定撤廃(後述)もあって短く幅広のカービング板が主流になりつつある。よって、板だけを見ればアルペンスキーとの差はなくなってきており、新雪滑降用の[[ファットスキー]]などを中心にアルペン・テレマーク兼用の板も多く発売されている。また、[[サロモン]]などアルペン専業だったメーカーのテレマーク参入も続いている。
; ビンディング
: そのような板とブーツとの間を取り持つ[[ビンディング]]は、アルミやステンレスの板を曲げただけのような軽量で非常に簡単な構造である。ビンディングから出ている3本のピンを靴底にある3か所の穴に合わせ、コバの部分を上からクリップのように挟んで固定するだけの3ピン式と、コバをビンディング本体に差し込み、靴の周りを1周するケーブルで固定するケーブル式に分けられ、高剛性化しながらもスキー発祥時のスタイルを保ち続けている。最近では固定するケーブルを靴底側に配置したり、アルペンスキーのようにステップインで装着できるモデルも登場している。また、転倒時の負傷防止のためにセフティ(解放機構)を装備したモデルもあるが、モデルによっては重量増になるうえ、そもそもつま先しか固定しないテレマークスキーでは転倒時でも大きな怪我につながることは少ないので、さほど普及はしていない。セフティに限らず、便利でも構造の複雑なビンディングはそれだけ故障のリスクも高く、トラブルが[[遭難]]につながりかねない山岳スキーでは敬遠される傾向が強い。
; クライミングスキン
: 登行時には、クライミングスキン(一般に[[シール]]と呼ばれる)という毛羽だったテープ状のものをスキー板の底面に貼り付け、後方に滑らないようにする。シールはその名の通り[[アザラシ]](seal)の毛皮でできており、前方へは極めて滑らかに滑走できるが、後方へは強い抵抗を発生する。ただし現在では非常に入手困難になり、代用品として登場した[[モヘヤ]](アンゴラ山羊の毛)や、ナイロンなどの[[合成樹脂]]による製品が主流になっている。また、起伏の少ないルート用として、底面にうろこ状のギザギザ模様(ステップソール)が刻まれ、シールを装着しなくとも後方に滑らないように加工したスキーもある。
; ストック
: [[ストック (スキー)|ストック]]も山岳用になると独特の機能を持っている。雪面や状況に応じて長さが変えられ、いざという時には左右を繋げてゾンデ棒やテントのポールとしても使用できたり、滑落対策としてグリップ部にピッケルを装着できたりするモデルもある。また、ほとんどは深雪でも埋まらないように大きいリングを装着している。もっとも、ゲレンデでは安価で軽量なアルペンスキー用を使っているケースも多い。
 
== 最近の傾向 ==
現在のブーツとビンディングは75mmノルディックノルム(ブーツのコバ先端幅が75mm)という規格に則っているが、次世代規格であるNTN (New Telemark Norm) が発表され、対応ブーツ、ビンディングが2008年に発売された。ただ、テレマークスキー用具はアルペンスキーなどに比べるとまだまだ熟成不足の感は否めず、新機構を搭載したもののすぐさま問題点が発覚して[[リコール (一般製品)|リコール]]がかかったり、不評で短期間のうちに生産中止に追い込まれたりといったことを繰り返しているのが現状である。NTNシステムも早速、強度不足による[[き裂|クラック]]が発生するとして、一部のブーツにリコールがかかる事態となった。よって、新製品はしばらく様子を見るべきだという慎重論も多く、高価かつ重い重量も手伝って本格的な普及には至っていない。
 
また、NTNの登場や前述のように現在のテレマークスキー用具は非常に進化を遂げたが、最近では革靴時代からのベテランテレマーカーを中心に原点回帰の動きがあるのも事実である。
 
== 競技 ==
日本では、日本テレマークスキー協会公認の競技が行われている。日本テレマークスキー協会公認競技の種類としては、[[大回転]]、クラシック、スプリントクラシック(短距離版クラシック)がある。
 
特にクラシックレースはテレマークを含めたスキーのすべての要素が要求され、[[滑降]][[回転 (スキー)|スラローム]]に加えて登り坂や360度ターン(ヘリコバンク)、ジャンプ台などをクリアしなければならないという過酷なレースである。ちなみにテレマークレースの特徴として、ターン時には前足と後足との間に靴1足分以上の間隔を開けたテレマーク姿勢をとらなければならず、審判にそれより狭いと判断されるとペナルティとなってタイムが加算されてしまう。クラシックレースのジャンプ台で、着地が規定ラインを超えなかったり着地の時にテレマーク姿勢がとれなかった場合も同様である。
 
以前は板の最大幅を73 mm73mm以下とする規定があったが現在では撤廃され、カービング板やプラスチックブーツの普及もあって高速化が顕著である。
 
日本テレマークスキー協会公認以外の競技会も各地で行われており、海外では[[国際スキー連盟|FIS]]公認の世界選手権、ワールドカップも開催されている。
 
== 外部リンク ==
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