「レーガノミクス」の版間の差分

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宗谷岬 (会話 | 投稿記録)
議会予算局、大統領府行政予算管理局、US Govinfo > Budget の財政年次報告書によると、財政歳出総額も、社会保障歳出も、毎年増大であり、減少・削減という説は公的な出典が存在しない伝聞情報である。
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[[image:Ronald Reagan televised address from the Oval Office, outlining plan for Tax Reduction Legislation July 1981.jpg|thumb|right|自らの減税プランをテレビで説明するレーガン大統領, 1981年7月]]
{{アメリカ合衆国の保守主義}}
'''レーガノミクス'''、または'''レーガノミックス'''({{lang-en-short|Reaganomics}})は、[[1980年代]]に[[アメリカ合衆国大統領]]の[[ロナルド・レーガン]]がとった、一連の[[自由主義]]および[[財政]]支出増大[[経済政策]]である。
 
経済活動に関する規制の撤廃と緩和による[[市場原理自由競争]]に基づきの促進、[[社会保障]]支出削減増大減税を行ったが、しかし[[軍事]]支出の増大、[[減税]]、その結果としての消意欲いう需要の増大による経済増大府支出拡大させ遂行した<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function">[httphttps://www.whitehousegovinfo.gov/sitescontent/defaultpkg/files/ombBUDGET-2019-TAB/budgetpdf/fy2014/assets/histBUDGET-2019-TAB.pdf WhiteUS House]Govinfo>Budget {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20131019234558/http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/budget/fy2014/assets/hist.pdfof |date=2013年10月19日the }}United >OfficeStates ofGovernment, ManagementFiscal andYears Budget1996 to Present>Fiscal Year 2019>Historical Tables>FiscalSection year3—Federal 2014Government BudgetOutlays ofby theFunction>Table U.S3.1—Outlays governmentby Superfunction and Function>14354p - 144Page55P, 62p - 65p>Section3Human Federalresources>Education, GovernmentTraining, OutlayEmployment, byand FunctionSocial Services, Health, Medicare, Income Security, Social Security, Veterans Benefits and Services]</ref>。[[グループ・ブリュッセル・ランバート]]が[[コールバーグ・クラビス・ロバーツ]]や[[フィデリティ・インベストメンツ]]と連携し[[M&A]]を流行させ、経済規模は大した。レーガン政権は結果として[[貿易赤字]]・財政赤字([[双子の赤字]])を増大させた。
 
== 概要 ==
レーガン大統領の一期目は[[ジミー・カーター|前民主党政権]]から続く[[スタグフレーション]]の解決が課題であった。そこで[[インフレーション]]と[[失業]]に注目して政策を打ち出した。その主軸は社会保障費を縮小し、支出と軍事支出大を通じて政府支出を大することと、減税、[[規制緩和]]、インフレ収束であった<ref name="us-gov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />
 
レーガンが打ち出した経済政策は[[減税]]による供給面からの経済刺激を主張する[[サプライサイド経済学]]に基づいており、またスタグフレーションの物価上昇という弊害を抑えるために「通貨高政策」を前提条件にしていた。経済学者の多くは、減税を経済の'''需要面'''から刺激する政策として考えるのに対し、サプライサイド経済理論支持者は'''供給面'''においてはるかに大きな効果があると主張した。
 
当初これらの政策は、[[アメリカ合衆国大統領予備選挙|党内の大統領候補者戦]]を争った[[ジョージ・H・W・ブッシュ]]が副大統領就任前に「呪術経済政策(ブードゥー・エコノミー)」と揶揄したが、その後すぐに'''レーガノミクス'''として知られるようになった。社会保障支出の縮小増大と軍事支出の増と並行して行われた減税は、巨額の財政赤字と累積債務の増加をもたらし、政府の累積債務はレーガン大統領の就任時と比較して、後任のジョージ・H・W・ブッシュ大統領の就任時には、金額では9090億4100万ドルから2兆6011億400万ドルへと2.6倍に、GDP比では33.4%から51.9%に増加した<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-federal-debt">[httphttps://www.whitehousegovinfo.gov/sitescontent/defaultpkg/filesBUDGET-2019-TAB/omb/budgetpdf/fy2014/assets/histBUDGET-2019-TAB.pdf WhiteUS HouseGovinfo>OfficeBudget of Managementthe andUnited Budget>HistoricalStates Government, Tables>Fiscal yearYears 20141996 Budgetto ofPresent>Fiscal theYear u.S.2019>Historical governmentTables>50131 - 80Page132P>Section5Section Federal7—Federal Debt]>Table {{webarchive|url=https://web7.archive.org/web/20131019234558/http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/budget/fy2014/assets/hist.pdf1—Federal |date=2013年10月19日Debt at }}the End of Year]</ref>。
 
== 展開と結果 ==
上述の通り、レーガノミクスの主軸は、社会保障費と軍事費の大を通じて政府支出を大することと、減税、[[規制緩和]]、インフレ収束であった<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />。具体的には次のような理論である。
 
# 社会保障支出と軍事支出の大により、経済を発展させ、「強いアメリカ」を復活させる<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />。
# 減税により、労働意欲の向上と貯蓄の増加を促し投資を促進する<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />。
# 規制を緩和し投資を促進する。
# [[金融政策]]により[[マネーサプライ]]の伸びを抑制して「通貨高」を誘導してインフレ率を低下させる。
 
この政策群の理想的展開は、「[[富裕層]]の減税による貯蓄の増加と労働意欲の向上、企業減税と規制緩和により投資が促され供給力が向上する。[[経済成長]]の回復で[[歳入]]が増加し税率低下による歳入低下を補い歳入を増加させると共に、福祉予算社会保障支出抑制増大して財政[[歳出]]を削減増大する。インフレーションは[[金融政策]]により抑制されるので歳出への制約は低下する。結果、歳社会保障支配分を軍事支出の増大転換しより『強いアメリカ』が復活する。」というものである。
 
[[経済学者]]の[[伊藤修 (経済学者)|伊藤修]]は「大幅減税と軍事費(財政支出)の増大によって、反[[ケインズ主義]]の思想に立ちながら結果、ケインズ的な需要刺激策となった」と指摘している<ref>伊藤修 『日本の経済-歴史・現状・論点』 中央公論新社〈中公新書〉、2007年、110頁。</ref>。
 
実際の展開は想定とはかなり異なった。[[1970年代]]末からすでに金融政策はインフレ退治に乗り出しており、政権発足時にはかなり高金利になっていた。そこに、社会保障支出と軍事支出の大<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />と減税をセットにした大型の[[財政政策]]が発動されることになったため、高金利はいっそう拍車がかかった。
 
この高金利は民間投資を停滞させると同時に[[日本]]などの外国資金のアメリカへの流入を促進し、その為替レートをドル高に導いた。ドル高は、輸出減退と輸入増大をもたらし、インフレ率の低下へつながった。財政赤字の増大はこのようにして民間投資の減少と[[経常収支]]赤字によってバランスされインフレーションへはつながらなかった。
 
[[失業率]]は1980年の7.1%から1982年には9.7%に増大したが、1988年には5.5%に減少し<ref name="usdol-bls-unemployment">[http://data.bls.gov/timeseries/LNU04000000?years_option=all_years&periods_option=specific_periods&periods=Annual+Data United States>Department of Labor>Bureau of Labor Statistics>Timeseries>Unemployment rate]</ref>、失業者数は1980年の827万人から1983年には1071万人に増大したが1988年には670万人に減少した<ref name="us-dod-bufget-fyscal-year-20142019-employmebt">[httphttps://comptroller.defense.gov/Portals/45/Documents/defbudget/fy2014fy2019/FY14_Green_BookFY19_Green_Book.pdf United States>Department of Defense>Budget>Fyscal Year 20142019>269265 - 271Page267P>Table 7-6: U.S. EMPLOYMENT AND LABOR FORCE]</ref>。
 
[[1982年]]中にはインフレ率の低下から高金利政策は解除段階に入った。[[1983年]]には景気回復が始まったが、社会保障支出と軍事支出の大<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />と減税という財政政策を受けた消費の増大([[乗数効果]])が主因であった。税率を引き下げていたためこの経済回復の最中でも歳入はそれほど増加せず、社会保障支出の大と[[戦略防衛構想|SDI]]に代表される軍事歳出の大<ref name="us-govusgov-budget-historical-tables-fyscal-year-2014-outlay-by-function" />により財政赤字が大した。ドル高の持続と景気回復によりさらに経常赤字が大した。経常赤字が貯蓄投資バランスの不均衡を受け止めたため、また[[原油価格]]の大幅の下落という要因も加わり、インフレも顕在化することは無かった。なお、レーガン政権は「アメリカ経済は復活した」として、政策の効果を主張した。
 
[[1984年]]には失業率の低下や景況感の回復がさらに強まったが、経常赤字のますますの大は日本と欧州に、[[ハイテク]]製品による莫大な経常黒字('''ハイテク景気''')をもたらし諸外国へインフレを輸出しているとの批判を浴びることになる。
 
[[1985年]]秋に、[[プラザ合意]]が形成され、為替相場は一気にドル安となった。
 
連邦政府機関の雇用者は1980年の497万人から1988年には536万人に増大し、軍人以外の連邦政府機関の雇用者数は1980年の287万人から1988年には311万人に増大した<ref name="us-dod-bufget-fyscal-year-20142019-employmebt" />。
 
[[1980年代]]、年度の通貨額ベースのGDPは[[1980年]]の2兆7240億ドルから[[1988年]]には5兆80億ドルへ1.84倍に増大した<ref name="us-govusgov-budget-historicalgross-tablesdomestic-fyscal-year-2014-Gross Domestic Productproduct">[httphttps://www.whitehousegovinfo.gov/sitescontent/defaultpkg/filesBUDGET-2019-TAB/ombpdf/budget/fy2014/assets/histBUDGET-2019-TAB.pdf WhiteUS HouseGovinfo>OfficeBudget of Managementthe andUnited Budget>HistoricalStates Government, Tables>Fiscal yearYears 20141996 Budgetto ofPresent>Fiscal theYear u.S.2019>Historical governmentTables>215201 - 2164Page202P>Section10Section Gross10—Gross Domestic Product and ImplictImplicit OutlaysOutlay Deflators] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20131019234558/http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/budget/fy2014/assets/hist.pdf |date=2013年10月19日 }}</ref>
 
企業の投資資金は、高金利による株安から他の企業の買収合併へ向かい、株式ブームを生み出した。なお、株式ブームは[[1987年]]の[[ブラックマンデー]]により終了した。しかし、この株式ブームは[[FRB]]の裁量により深刻な恐慌をもたらさなかったが、このことがアメリカ経済のFRB・金融政策依存と資産経済化をもたらすことになった。