「エア・コンディショナー」の版間の差分

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さらに米国では、一般家庭であっても[[ダクト]]を使用して各部屋に冷暖房を行う'''ダクト方式'''が普及してきたが、日本のエアコンに代表される'''ダクトレス'''方式も評価されつつある<ref>[http://www.toushin-1.jp/articles/-/3794 日本標準のダクトレス型エアコンが米国でも普及へ] 投信1(2017年7月29日)2017年8月2日閲覧</ref>。
 
能力によって、2.2kW2&nbsp;kW、2.5kW5&nbsp;kW、2.8kW8&nbsp;kW、3.6kW6&nbsp;kW、4.0kW0&nbsp;kW、4.5kW5&nbsp;kW、5.0kW0&nbsp;kW、5.6kW6&nbsp;kW、6.3kW3&nbsp;kW、7.1kW1&nbsp;kW などがある。使用する電圧も、単相100Vと、単相200Vと、動力の[[三相交流|三相]]200Vがある。通常、エアコン一台に子ブレーカー一個を用意する。なお、日本の家庭用エアコンは窓型、セパレート型とも、[[2001年]]より[[家電リサイクル法]]の対象となり、廃棄の際に適正な処理が義務付けられた。
 
動力の三相200Vエアコンは室外ユニットや室内ユニット共外観上一般の100/200V単相エアコンと同じであるが、省令による規制があるため受電方法が異なる。
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家庭用エアコンは、冷房・暖房・ドライ(除湿)など多様な空気調整が可能な機種が製造・販売の多くを占める。最近は[[トップランナー方式]]による[[省エネルギー|省エネ]]化が進み、内部の改良とも相まって以前のものよりも消費電力が少なくなっている。日本国内で発売されるセパレート型のエアコンはほぼ全て[[インバータ]]制御を内蔵した機種になっている(ただし、窓型エアコンについては非インバータのものが大半を占めている)。インバータエアコンは[[1981年]]に当時の東京芝浦電気(現・[[東芝]])が世界で初めて発売した。当初は、圧縮機には[[誘導電動機]]を用いていたが、[[1990年代]]に高効率な[[ブラシレスDCモータ]]が開発されて以来、現在では、日本で発売される家庭用エアコンに搭載される圧縮機用・ファン用のモータは、ほぼ全てがブラシレスDCモータになっている。日本ではインバータエアコンが主流であるが、世界的に見れば一定速である非インバータエアコンがまだまだ主流である。
 
また、非インバータエアコンでは[[商用電源周波数]]による能力の差があり、50Hz地域では60Hz地域より1 - 2割能力が落ちるが、インバータエアコンではそれがない。そのため、非インバータが主流であった当時のエアコンのカタログは50Hz・60Hz地域で別々に作成していた。現在では、非インバータの窓型エアコンのカタログで、50Hz50&nbsp;Hz・60Hzそれぞれの場合の能力が併記されているのが見受けられる。能力の違いは圧縮機に用いる誘導電動機の回転数が電源周波数に依存するためである。なお日本での窓用エアコンでのインバータ採用例は松下電器産業(現・[[パナソニック]])のCW-G18系が空前にして絶後になった。同機種は年毎の僅かなマイナーチェンジのみで20年以上発売され続けた。窓用インバータエアコンは森田電工(現・[[ユーイング (企業)|ユーイング]])からも発売されていたが、現在同社はエアコン事業から撤退している。
 
差別化機能として[[マイナスイオン]]の発生、[[エアフィルタ|フィルタ]]の自動清掃機能などをうたったものも存在する。また、[[空気清浄機]]機能や[[換気]]機能、[[加湿器|加湿]]機能、[[ホームオートメーション|HA]] [[日本電機工業会|JEMA]]標準端子-Aが付いたものもある。
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シーズンオフには、エアコンの[[配線用差込接続器|プラグ]]を抜いたりブレーカーを落としたりすることにより、待機電力をなくす家庭がある。家庭用での暖房では、「すぐに温風がふき出して欲しい」という需要が高い。そのため、外気温が低い場合は、停止中でも機器を予熱をする機能を持つ機種がある。また、冷媒寝込みを防ぐためのヒーターを持つ機種もある。このような機種では冬場の待機電力は多い。
 
また、寒冷地など暖房時に外気温が低すぎる場合は、屋外で燃焼をした熱をヒートポンプする「石油エアコンディショナー」がある。同様にガス<ref>[[都市ガス]]もしくは[[液化石油ガス|プロパンガス]]を燃料としている。</ref> の火で熱を発生させ、その熱を室内へ送る「ガスエアコンディショナー」もある。寒冷地で、除霜運転が多いことが予想される場合は有効な選択である。なお、家庭用では、冷房にガスや石油の力はあまり使用されていない。過去にパナソニックや東芝なども石油や都市ガス等を使ったエアコンも販売されていたが<ref>主に都市ガス会社への[[OEM]]が中心である。</ref>、暖房時におけるエアコン自体の性能向上に伴い、採用されるケースが少なくなった。
 
窓型エアコンは、「ウインドエアコン」とも呼ばれる。長所は、壁掛け型に比べ、小型であり、安く、個人で取り付け(取り外し)ができることである。壁に配管用の穴を開けたり、室内機の固定工事を施す必要が無く、窓さえあれば設置できるため、賃貸物件等でエアコンの設置に制限がある場合にも向いている。
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* 安全装置のエネルギー源は電気であり、停電時には運転できない。
 
[[液化石油ガス|LPG]]は災害時に供給が止まることが少なく、発電機で少量の電気を供給すれば稼動する。一方運搬に必要な道路の[[インフラストラクチャー]]の損傷具合によっては都市ガス同様に復旧が遅くなる事もある。ただし、都市ガスは復旧が遅く長期に渡って空調が使えなくなる。したがって都市ガスが無ければ営業自体ができない店舗(飲食店やガス炊きボイラーの[[浴場]])はともかく、病院や事務所など直接ガスに依存しない施設ではGHPのみに依存すると空調に支障をきたす場合がある。一部の飲食店では厨房の都市ガス器具も撤去され始め、店舗の[[オール電化住宅|オール電化]]が進行している。電力ピークカットを目的とした税優遇措置は、2011年現在も有効である。
 
== 車両用 ==
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温度調節はドライバーが手動で任意に行う'''マニュアルエアコン'''と、建物用エアコンのようにあらかじめ設定した室温に室温センサーなどで自動調節を行う'''オートエアコン'''が存在し、今日の日本市場ではオートエアコンが主流である。
 
クーラーの冷媒には一般的には[[代替フロン|R134a]]が用いられる。かつては[[フロン類|フロン12(R12)]]が広く用いられていたが、オゾン層破壊が問題になったことにより現在ではR134aに完全に置き換えられている。しかし、R134a冷媒は強力な[[温室効果ガス]]でもあったR12ほどではないもののやはり地球温暖化係数(GWP)が高い温室効果ガスであることから、欧州F-Gas 規制<ref>{{lang-en-short|F-Gas regulation}}</ref> が制定され、2017年1月までに全ての欧州内の乗用車および軽トラックの新車のカーエアコンに使用される冷媒はGWP が150 以下の冷媒を採用しなければならなくなった。2011年1月から発売される新型車から段階的廃止が始まり、代替冷媒として[[二酸化炭素|CO2]]やHFO-1234yfが採用される模様である。
 
近年では[[花粉症]]対策などを謡った[[クリーンエアフィルタ]]がカーエアコンに装着される事も一般化している。バスの冷房装置については、[[機関直結式冷房装置]]、[[独立機関式冷房装置]]を参照。
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== 問題点 ==
* 室外機は、特に冬場に暖房にすると音が強くなることがある。
 
* 暖房時は、設定温度を下げて風量を強くすると、空気循環(サーキュレーション)も出来て効果的である。ただし、風量を強く設定しても、吹き出し温度が低くなると風量が弱くなる機種も多い。この場合、風量を「強」にしても「自動」にしても同じである。冷房時は設定温度を上げて風量を上げると、除湿能力が低下する場合がある(湿度が高いと体感温度が上がって設定温度を低くしがちになったり、[[熱中症]]や[[食中毒]]の原因になったりする)。このため設定温度だけを上げて風量は自動に設定し、送風の補助として扇風機などを利用すると良い。
 
* 通常のエアコンは[[換気]]能力を備えていないが、仕組みを知らないと「室外機との間で空気の出し入れをしている」と誤解する場合がある。なお、エアコンとはまったく別個の装置として、換気装置を内蔵している機種は存在する。当然ながら換気のためのダクトが別に存在し、直接外気に晒すタイプと、室外機に接続するタイプがある。「[[原子力事故|原発事故]]が発生し屋内退避指示が出たらエアコンを止めること」と周知する[[報道機関]]が存在するが<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=cYpYSLYd_1w 【原発】「屋内退避」が発令されたらどうすれば・・・(11/03/18)][[テレビ朝日]][[ANNニュース]]公式[[YouTube]]</ref>、これはエアコンに換気機能が付いている場合であり、換気機能が付いていないエアコンまたは換気をオフにできるエアコンを止める必要はない。
 
* 家電品の中では、メンテナンスコストと掃除の要求頻度が比較的高い。掃除を怠ると、内部で増殖した[[カビ]]が室内に拡散される場合がある<ref>[https://www.sankei.com/life/news/180628/lif1806280026-n1.html 梅雨の季節…どうするエアコンのカビ対策「家庭でも掃除は可能です」][[産経新聞|産経ニュース]](2018年6月28日)2018年9月2日閲覧。</ref>。
[[File:TOTO C75A-003.jpg|160px|thumb|エアコンのドレン排水管がタンクに接続された和風便器の例]]
 
*取り廻しの関係で[[ドレン]][[排水]]の配管を、[[水洗便所]]の[[便器]]洗浄のタンクに接続配管される場合がある。ただし、タンクの水を[[温水洗浄便座]]に使用する場合は[[衛生]]面で[[バクテリア]]や[[雑菌]]による[[感染症]]や尻かぶれを防止するために、配管を別系統に分ける必要がある。また[[水洗式便所#和式(和風便器)|和式大便器]]等の[[温水洗浄便座]]を使用しない場合でも、ドレン排水管内からの[[バクテリア]]による[[スライム]]や[[苔]]、[[ミズゴケ類]]等の[[藻類]]や[[錆]]がタンク内に流れ込み、タンク内・タンクからの便器へ・便器内いずれの管路でも付着する場合がある。これらドレン排水による故障を未然に防ぐ為に、定期的にタンク内部の点検が必要となる。
 
* メンテナンスが不十分な水冷式の屋外機内では、[[レジオネラ]]が発生し、飛沫による拡散が問題となる可能性がある。2012年、[[カナダ]]の[[ケベック・シティー]]の住民など176人が在郷軍人病を発症し、うち12名が死亡する事件が発生した<ref>{{Cite news
|url=http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2900438/9507295
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* [[ダイキン工業]] - 2010年より空調事業(家庭用・業務用)の世界シェア1位。国内シェア1位のパナソニックと包括提携。GHPの室外機はアイシンからのOEM。
* [[デンソー]] - 自動車向けが中心だが、過去にはオフィス用灯油ヒートポンプ(KHP)タイプも取扱い扱っていた(パナソニック産機製)。主に同社の工場等で見かける。
* [[デンソーエース]] - 旧ゼネラルエアコンテクニカ、スキニー<ref>三菱電機や東芝キヤリアからのOEM。</ref> というブランドでトヨタ系列施設、輸入住宅、コンビニで使用。
* [[長府製作所]](基幹部分は三菱電機製、一部機種はダイキンのOEM) 
* [[東芝キヤリア]] - 東芝とキヤリアとの合弁という形で設立(販売は[[東芝ライフスタイル]]が担当)。かつては石油もしくはガスエアコン(いずれも家庭用ならびに業務用)にも手掛けていたが、現在は撤退している。
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== 脚注 ==
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== 関連項目 ==