「シングル磁気記録方式」の版間の差分

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前述のデータ更新に関する問題を解決するために、ディスク上に専用の[[キャッシュ]]領域を設ける。この領域では重ね書きが行われず従来通りの記録方式となり、トラック幅はSMR領域よりも広い(=記録密度は低い)。書き込まれるデータは、一旦キャッシュに保存され、その後、一括してSMR領域へ保存される<ref name="akiba2">{{Cite web|url=https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/680650.html|title=“10TB時代”に向けた最新HDD技術「SMR」のポイントをSeagateに聞いてみた|accessdate=2018-3-3|date=2014-12-20|publisher=AKIBA PC Hotline!}}</ref>。また、SMR領域にしかないデータの更新作業は、1. 上書きしたいデータ全体を読み出し、2. キャッシュ領域へ書き出し、3. キャッシュ領域のデータを更新、4. 元のSMR領域に書き直すという煩雑な手順が必要となるものの、作業自体は可能である<ref name="tom2">{{Cite web|url=http://www.tomsitpro.com/articles/shingled-magnetic-recoding-smr-101-basics,2-933.html|title=SMR (Shingled Magnetic Recording) 101|accessdate=2018-03-03|publisher=Tom's IT Pro|language=英語}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.tkl.iis.u-tokyo.ac.jp/top/modules/newdb/extract/1516/data/DEIM.pdf|title=最近の磁気ディスクドライブに於ける高遅延特性の観測とデータベース処理性能への影響の考察|accessdate=2018-10-22|publisher=東京大学情報理工学系研究科}}</ref>。キャッシュからSMR領域への反映は、ホストからの書き込み/読み込み命令とは非同期に自動で行われる<ref name="tom" />。
 
キャッシュのクリア<ref (group="注">[[Flash SSD]]と同様にキャッシュ領域上、またはSMR領域上の空きバンドの[[ガベージコレクション]] )が起こりうる。SSDと異なるのは、媒体の性質上、ブロックを消去せずに上書きできること(ただしバンド単位)だけである。</ref> はドライブ内で全て処理するため、ホストの書き込み/読み込み命令と何ら関係のないタイミングで起こり、前述のような大幅な性能劣化が起こる可能性がある。シーケンシャル書き込みに特化してるとは言っても、キャッシュの容量を超える連続した書き込み要求があると、キャッシュからSMR領域への転送を待たねばならないため、前述のような大幅な性能低下が起こる<ref name=":0" /><ref name=":1" />。
 
ドライブマネージドのSMRドライブの書き込み性能は、連続書き込み量とキャッシュ領域の容量との関係によって、またキャッシュからSMR領域へのランダム書き込み反映の性能については前述の「バンド」のサイズに左右される。書き込みが連続、高密度かつ大量に発生するようなシーケンシャルバックアップ用途には向かない<ref>{{Cite news|title=“10TB時代”に向けた最新HDD技術「SMR」のポイントを Seagateに聞いてみた その特性やベンチマーク、そしてNAS向けHDDの新製品も… text by 平澤寿康|date=2014-12-20|last=株式会社インプレス|url=https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/sp/680650.html|accessdate=2018-10-22|language=ja-JP|work=AKIBA PC Hotline!}}</ref>。
 
更に、キャッシュからSMR領域への転送はホスト - ドライブ間の転送とは非同期に行われるため、ドライブやホストをシャットダウンするためにはキャッシュが完全にフラッシュされるのを待つ必要がある。
 
=== ホストマネージド ===