「シーベルト」の版間の差分

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== 放射線防護とシーベルト ==
{{See also|自然放射線|環境放射線}}
人体が放射線にさらされる事を[[被曝|放射線被曝]] (ほうしゃせんひばく) といい、人体は世界平均にしてすると年間およそ 2.4mSv (=0.0024Sv=2,400μSv) の[[自然放射線]]にさらされている<ref name="keisokukougaku"/>。放射線は量が多いほど人体に有害であるため、[[放射性物質]]を扱う環境にある人は、自分がどの程度の放射線を受けたのかを、常になおかつ厳密に管理しなくてはならない。その際に用いられる尺度の一つがシーベルトである。
 
[[胃]]の[[X線撮影]]1回分の線量0.5~4mSv[[コンピュータ断層撮影|X線CTスキャン]]による撮像1回分の線量は7~20mSv(=0.007Sv~0.02Sv)である<ref name="keisokukougaku"/>。
 
2 Sv(= 2,000 mSv)の放射線を全身に浴びると5%の人が死亡し、4Sv (=4,000mSv) で50%、7Sv (=7,000mSv) で99%の人が死亡すると言われている。一方で、0.2Sv (=200mSv=200,000μSv)以下の被曝では、急性の臨床的症状は認められないとされるが、こちらは長期的な影響について議論があり、また低線量の被曝についても「健康被害が生じた」として訴訟が起きている<ref>[http://www.jca.apc.org/mihama/News/news88/news88jco.htm JCO事故・健康被害訴訟 第18回公判] 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会</ref>。
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なお、一度に大きな線量を被曝した場合の線量単位にはシーベルトではなく[[グレイ (単位)|グレイ]]が用いられるが、[[X線]]と[[ガンマ線]]による被曝に関しては数値に違いがない。
 
短時間・大線量被曝でシーベルトが用いられない理由は線量率効果<ref>[http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-02-14 線量率と生物学的効果] 原子力百科事典ATOMICA</ref>である。なぜなら単位「シーベルト」に求められる性質のひとつは数値の加算可能性であり、ある時点Aでの被曝と別の時点Bでの被曝の影響を全体として評価する場合に、両者の評価数値を加算したものに意味がなければならないからである。同じ放射線を被曝しても線量率によって影響が異なるのであるから、低線量率被曝の評価数値と高線量率被曝の評価数値は加算できない。シーベルトは低線量率の被曝環境下でのにおける人体への影響評価することを目的とした単位である。
 
これに加えて、シーベルトは[[グレイ (単位)|グレイ]]に対して放射線種や対象組織による係数(厳密な数値ではない)を乗じて得る単位ものなので、たとえ放射線種がX線やガンマ線であってもグレイと同等の厳密さを持つと考えてはならない。[[SI組立単位]]に入ってはいるがシーベルトはあくまでも管理された環境下でのにおける人体防護主眼としを置いた放射線管理・放射線防護目的のための単位であり、社会学的な単位とも言える。
 
== 符号位置 ==