「土層 (考古学)」の版間の差分

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{{Otheruses|[[考古学]]における土層|[[土壌学]]における土層|土壌層位}}
[[考古学]]における'''土層(どそう)'''とは、ある[[遺跡]]を包含する土地に堆積した[[土壌]]からなる[[地層]]のこと。主に日本考古学界や、遺跡([[埋蔵文化財]])の[[発掘調査]]現場において慣例的に用いられている概念である。なお、[[土壌学]]における「土層」([[土壌層位]])とは、その定義や認識が大きく異なる{{Sfn|文化庁|2010|pp=94}}
[[画像:Strata of Uenohara.JPG|thumb|right|250px|[[鹿児島県]][[霧島市]][[上野原遺跡]]の土層標本。長い年月を通じて堆積した土壌が層を成している様子が観察される。]]
 
== 概要 ==
地表面には、岩石や鉱物でできた[[砕屑物]]や、動植物遺体が分解されて生じた[[有機質]]土壌などが、常に風や河川の流水、[[火山]][[噴火]]などの自然営力により[[運搬]]・[[堆積]]を続けており、太古から積み重なった岩盤や土壌は、層をなして現在の地表面を形成している。考古学では、これら自然の営力で生じた土壌(自然堆積層)のほか、現在の地表を構成する土壌(表土層)、人為的に運ばれてきた土壌(人為層:搬入土・客土)、[[考古資料]]([[遺構]]・[[遺物]])を含む土壌([[遺物包含層]]・文化層)、[[遺構]]内部に堆積した土壌([[覆土 (考古学)|覆土]])、人類の活動痕跡のない時代に堆積した土壌や岩盤(地山層)を総称して「土層」と呼んでいる{{Sfn|文化庁|2010|pp=94}}。
 
なお、[[土壌学]]における「土層」([[土壌層位]])とは、その定義や認識が大きく異なる概念である{{Sfn|文化庁|2010|pp=94}}。
 
土層はその堆積した年代によって内部に含まれる物質([[火山灰]]や砂泥、またその粒子の大きさなど)が異なっており、色調や硬さなどにそれらの違いが現れる。発掘調査現場では、それらの違いや層中に含まれる[[遺物]]の年代などから土層を区別(分層)することで、遺構の検出や年代の特定、[[切り合い関係]]をもつ複数遺構の先後関係判断などを行っており、土層の理解は考古学の分野において欠かせない技術となっている{{Sfn|文化庁|2010|pp=99-103}}。