「電脳警察サイバーコップ」の版間の差分

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放映時間は、当初は毎週日曜午前10:30 - 11:00([[日本標準時|JST]]、マストバイ局に同時ネット)であったが、1989年(平成元年)[[4月5日]]放送分(第25話)以降は毎週水曜17:00 - 17:30(JST<ref group="注">ローカルセールス枠のため[[讀賣テレビ]]など一部地域では放送時間が異なる。このうち、[[くまもと県民テレビ]]は日曜7:00-7:30に放送された。</ref>)に変更された。
 
== 概要 ==
本作品は[[東宝企画]]が『[[行け!牛若小太郎]]』(1975年)以来13年ぶりに制作した特撮番組であり、同時に従来の特撮番組とは一線を図す要素が多数盛り込まれた作品でもある。
 
その要素の最たるものが、当時としては珍しい[[VTR]]方式による撮影である{{Sfn|全怪獣怪人 下|1990|p=238}}<ref name = "画報">{{Cite book |和書 |editor=竹書房/イオン編 |date=1995-11-30 |title=超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み |publisher=[[竹書房]] |pages=190 |id=C0076 |isbn=4-88475-874-9}}</ref>。既に[[1983年]](昭和58年)放送の『[[アンドロメロス]]』でもVTR方式による撮影は試みられていたが、同作品がスタジオ撮影が主だったのに対し、本作品ではロケーション映像にもVTR方式を活かした画面合成などが行われる<ref group="注">その一例として、放送当時はまだ着工されて間もない新宿の[[東京都庁舎|東京新都庁舎]]を、1999年という時代設定に合わせて幾度か実景に合成する、といったものが挙げられる。</ref>など、より進んだ形で採り入れられているのが大きな違いとなっている<ref group="注">前述の通りVTR方式による制作が行われた作品は過去にもあるが、放送開始前の1988年(昭和63年)9月18日に放送された特別番組『来るぞ! 超SFX!! 電脳警察サイバーコップ』内では、出演していた村石宏實監督が「初のVTR特撮番組である」と説明していた。</ref>。
 
また作劇面でも連続ドラマとしての要素が導入されており、アクションよりも登場人物の人間性を前面に押し出したストーリー展開が視聴者にアピールされている。番組中盤までは記憶喪失である主人公のジュピターこと武田真也の過去が番組最大の「謎」となっており、彼を巡る登場人物同士の葛藤や人間関係も物語の骨子となっていた。第3クール以降は、主人公・武田真也とヒロイン・上杉智子、準主人公・北条明と敵幹部・ビーストマスタールナの恋愛が物語の軸となり、敵味方の人物像をより深く掘り下げる描写が垣間見られた。登場人物の人間性を深く掘り下げたストーリー展開に加え、従来の特撮番組ではいわゆる「お約束」とされてきた決めゼリフやヒーローが変身後に取るポーズなどの様式美の廃止、随所に挿入されている洒落の効いたセリフ、主人公とヒロインのキスシーンをほのめかす描写、児童番組としては異例の飲酒シーンも数多く描写されるなど、児童のみならず大人の鑑賞にも堪えうる作品作りが心掛けられた。
 
しかしそういった作劇面での斬新さはメインターゲットとされた児童層へのアピールには必ずしも繋がらず、スポンサーの[[タカラ (玩具メーカー)|タカラ]](現・[[タカラトミー]])が販売した玩具はかなりの苦戦を強いられた。放送当時、タカラに営業マンとして勤務していた[[田中圭一 (漫画家)|田中圭一]]が描いたマンガ『サラリーマン田中K一がゆく!』によると、本作品は[[バンダイ]]が[[東映]]と組んで制作する[[戦隊シリーズ]]のような特撮作品をタカラでも展開するという意欲の下で企画が進められ、大々的な制作発表も行われたという。しかし発売した玩具は経営陣が期待する売れ行きにはならなかったようで、田中はクリスマス商戦の際小売店店頭に立って主力商品のひとつ「サンダーアーム」(いわゆる「なりきり玩具」である)をアピールするも、なかなか売れ行きが伸びなかったというエピソードを描いている。その後、その「サンダーアーム」は本作品放送期間中に[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系列で放送されたテレビドラマ『[[君の瞳に恋してる!]]』(1989年)で出演者が使用したところ、ヒット商品となり、番組終了後に「サウンドアーム」というマイナーチェンジ版が発売された。
 
== あらすじ ==