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原則としてオペラ系の声楽家、合唱団、オーケストラによって上演されるが、セリフのみの役だけでなく、一部の役を俳優やポピュラーシンガーによって地声で歌わせることもある。ドイツ圏のオペラ歌手や指揮者<ref group="注釈">フルトヴェングラーは『メリー・ウィドウ』、クレンペラーは『天国と地獄』、ヴァントは『絹のヴィーナス』([[ロベルト・シュトルツ]])、カルロス・クライバーは『[[ガスパローネ]]』がデビューである。これに対し、カラヤンはドイツで叩き上げた指揮者としては例外的に、30歳前にアーヘンで1回だけ『こうもり』を振った記録しかない。むしろ50歳代になってからウィーン国立歌劇場で『こうもり』を8回指揮しているが、生涯でオペレッタの実演はこれだけである。</ref>の多くは地方歌劇場のオペレッタからキャリアをスタートするが、その後もオペラはあまり歌わずオペレッタ専門に近い歌手も少なくない。
一般に、とりわけ日本人の評論家によって、正統派のオペラ歌手は駆け出し時代は別としてオペレッタを歌わないと書かれることがしばしばあるが、名声を確立したのちもオペレッタのライブや録音・録画を複数残している大歌手としては、[[エリーザベト・シュヴァルツコップ]]、[[ルネ・コロ]]、[[アンネリーゼ・ローテンベルガー]]、[[エーリッヒ・クンツ]]、[[ルドルフ・ショック]]、[[ニコライ・ゲッダ]]、{{仮リンク|エーベルハルト・ヴェヒター|de|Eberhard Waechter}}、[[ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ]]、[[フェリシティ・ロット]]、[[ヘルマン・プライ]]、[[クルト・ベーメ]]、[[レジーヌ・クレスパン]]、[[ジークフリート・イェルザレム]]、[[キリ・テ・カナワ]]、[[エディタ・グルベローヴァ]]、[[ルチア・ポップ]]、[[ヒルデ・ギューデン]]、[[バーバラ・ボニー]]、[[アンナ・モッフォ]]、[[テレサ・ストラータス]]、[[ボー・スコウフス]]などがいる。「オペレッタも歌うオペラ歌手」が特殊な存在であるという俗説も上記の顔ぶれのとおり逆であり、特にドイツオペラ歌手についてはむしろ大部分のスターがここに含まれている。強いていえば重い声質を要求されるヴァーグナー系の女声がクレスパンぐらいしか見られないが、それとても、[[ギネス・ジョーンズ]]、[[ヒルデガルト・ベーレンス]]らがキャリア後期に『メリー・ウィドウ』に主演している。
指揮者については歌手に比べると若干事情を異にし、『こうもり』『ジプシー男爵』を除くと世界的巨匠といわれるクラスの指揮者がオペレッタを手がけることは少なかった (そのかわり『こうもり』だけはオペラを含めて随一といえるほど豪華な顔ぶれの指揮者が録音録画を残している)。しかし、1970年代にカラヤンが『メリー・ウィドウ』をレコーディングしたあたりから徐々に状況が変化、今日では[[ニコラウス・アーノンクール]]、[[マルク・ミンコフスキ]]、[[フランツ・ウェルザー=メスト]]、[[クリスティアン・ティーレマン]]といった当代を代表する指揮者がオペレッタを重要なレパートリーとしている。 ▼
また、同様に、オペラとオペレッタは上演される劇場が画然と分かれていると書かれていることもあるが、これも誤りであり、20世紀初頭までしか当てはまらない。後述するように、少なくとも現在本場のドイツ圏にはオペレッタ専門劇場は存在しない。存在するのは、オペレッタをあまり上演しないオペラハウス(主に旧宮廷歌劇場。それも近年は墨守しているところは少ない)と、比較的多く上演するオペラハウスだけである。現在オペラとオペレッタが画然と区別されているのは、むしろハンガリーなどに見られる現象である。
▲指揮者については歌手に比べると若干事情を異にし、『こうもり』『ジプシー男爵』を除くと世界的巨匠といわれるクラスの指揮者がオペレッタを手がけることは少なかった(そのかわり『こうもり』だけはオペラを含めて随一といえるほど豪華な顔ぶれの指揮者が録音録画を残している)。しかし、1970年代にカラヤンが『メリー・ウィドウ』をレコーディングしたあたりから徐々に状況が変化、今日では[[ニコラウス・アーノンクール]]、[[マルク・ミンコフスキ]]、[[フランツ・ウェルザー=メスト]]、[[クリスティアン・ティーレマン]]といった当代を代表する指揮者がオペレッタを重要なレパートリーとしている。
なお、ブロードウェイ・[[ミュージカル]]を、ヨーロッパで上演する場合、「オペレッタ南太平洋」や「オペレッタノーノ―ナネット」のように、オペレッタと呼ぶこともあった。
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