「ハーモニカ」の版間の差分

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クロマチック(クロマティック)スケール、すなわち半音階も演奏できるように改良したタイプである。<br>
クロマチック・ハーモニカ (Chromatic Harmonica) には上下式とスライド式がある。<br>
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上下式クロマチックというのは日本で学校教育用に考案されたもので、吹き口が上下2段にわかれている。[[鍵盤_%28楽器%29|鍵盤]]の白鍵に当たる音が下段に、黒鍵に当たる音が上段に配置されているので演奏方法は簡単であるが、前述のように鍵盤ハーモニカに取って代られ、現在では[[アンサンブル]]用など一部で使われるのみである。<br>
上下式クロマチックは別名シングル・クロマチック・ハーモニカ (Single Chromatic Harmonica) とも呼ばれる。一時期は学校教育の現場でも使用されたため、各種開発されたが、上下2段に穴があるためハーモニカに厚みがありすぎて、子供にとって非常に吹きにくいものであった。また、音階配列も各社で統一がなされなかったことも急速に衰退した理由の一つといえる。<br>
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スライド式クロマチックは、現在一般的に使われているクロマチック・ハーモニカは、スライド式クロチックで、どのモデルもほぼ同じ仕組みである。吹き口は一列であり、4穴で1オクターブの音が出せる。12穴3オクターブのものが主流であるが16穴4オクターブのモデルもよく使われる。吹き口は一つだが内部は上下2段にわかれていて、吹き口のすぐ後ろにある穴あき板によって片方が覆われる。側面のレバーを押すと板は横にスライドしてもう一方の穴が開放される。レバーを放せば板はばね仕掛けで元に戻る。つまりC調のハーモニカの場合CとC#のリードプレートが取りつけてあり、通常はCのリードが鳴り、レバーを押すとC#のリードが鳴る仕組みである。※(HOHNER SuperChrominica270)が有名。(ホーナーの歴史と共に歩んできたロングセラーモデル)また、内部構造も複雑で、リードに空気を送るのを「バルブ」と呼ばれる薄い皮膜状の物で振り分けをしており、これが過度に濡れたりすると音質が変わったり、音が出なくなったりする。このバルブに不具合が生じやすい欠点があり、素人には使いにくい面がある。機構も複雑だが演奏家の技量も要求される機種なのでかなりの上級者向きのハーモニカと言える。<br>
基本的に、スライド式クロマチック・ハーモニカは単音のハーモニカであるが、2012年に、[[鈴木楽器製作所]]で開発し発売された機種は、世界初の複音スライドマチック式クロマチック・ハーモニカが世に出た。<br>