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=== 『日本渤海関係史の研究』への評価 ===
学界では、複数の研究者から[[第二次世界大戦後]]の日本における[[渤海国|渤海]]研究の第一人者と目されている。
* 2001年9月15日に東京大学で開催された[[史学会]]シンポジウムの主旨には「二〇〇一年になって、古代の日本と渤海をめぐる大きな研究成果が相次いでまとめられた。[[酒寄雅志]]『渤海と古代の日本』(校倉書房、五一四頁)と石井正敏『日本渤海関係史の研究』(吉川弘文館、六六三頁)とである」とある<ref>{{Cite book|和書|author=[[佐藤信 (歴史学者)|佐藤信]]編集|date=2003|title=日本と渤海の古代史|publisher=[[山川出版社]]|page=2}}</ref>。
* [[浜田久美子]]は「実証的、科学的な渤海史研究を切り開いたのが一九七〇年代に登場する石井と[[酒寄雅志]]である。2人は今日に至るまで渤海史研究をリードし、二〇〇一年にはその業績が、石井正敏『日本渤海関係史の研究』([[吉川弘文館]])、酒寄雅志『渤海と古代の日本』([[校倉書房]])の両著書にまとめられた。両著書は戦後歴史学における渤海史研究の集大成といっても過言ではなく、日本における渤海史研究のひとつの到達点が示されたことになる<ref>{{Cite book|和書|author=[[浜田久美子]]|authorlink=|date=2003-02|title=研究動向 渤海史研究の歩み--石井正敏氏、酒寄雅志氏の業績を中心に|series=歴史評論|publisher=[[校倉書房]]|isbn=|page=74}}</ref>」「石井・酒寄両氏の著書刊行により、渤海史研究は一つの節目を迎え、この刊行を機に新たな展開をみせていくことであろう<ref>{{Cite book|和書|author=[[浜田久美子]]|authorlink=|date=2003-02|title=研究動向 渤海史研究の歩み--石井正敏氏、酒寄雅志氏の業績を中心に|series=歴史評論|publisher=[[校倉書房]]|isbn=|page=82}}</ref>」「戦後の対外関係史研究を、渤海というテーマで進展させた第一人者として石井の名前を挙げないわけにはいかないであろう<ref>{{Harvnb|前近代の日本と東アジア 石井正敏の歴史学|2017|p=151}}</ref>」「史料が少ないと言われる渤海史研究において、新史料を丁寧に読解した石井らしい論文、石井にしかできない研究<ref>{{Harvnb|前近代の日本と東アジア 石井正敏の歴史学|2017|p=155}}</ref>」と評している。
* [[河内春人]]は「70年代から始まった渤海史再検討の動きは、90年代初頭になって方法論的に[[止揚]]することによって大きく加速しながら現在に至っている。かかる状況下において21世紀初めの年に、現在の渤海史研究をリードしてきた石井正敏氏の『日本渤海関係史の研究』(吉川弘文館)、酒寄雅志氏の『渤海と古代の日本』(校倉書房)という両著書が出版されたことは、渤海史研究がひとつの到達点に至ったことを示している」と評している<ref>{{Cite book|和書|author=[[河内春人]]|authorlink=|date=2002-06|title=渤海史研究の論点|series=唐代史研究|publisher=[[刀水書房]]|isbn=|page=106}}</ref>。また、石井の渤海研究方法の特徴として、「個々の史料について、字句一つ一つから徹底的に検討して一回毎の外交交渉の特質を明らかにする方法」を挙げ<ref>{{Cite book|和書|author=[[河内春人]]|authorlink=|date=2002-06|title=渤海史研究の論点|series=唐代史研究|publisher=[[刀水書房]]|isbn=|page=109}}</ref>、「先行研究への目配りと史料用語の緻密な検討は今後の研究の基点となりうるものであろう」と評している<ref>{{Cite book|和書|author=[[河内春人]]|authorlink=|date=2002-06|title=渤海史研究の論点|series=唐代史研究|publisher=[[刀水書房]]|isbn=|page=108}}</ref>。