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'''戸田 勝成'''（とだ かつしげ）は、[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]から[[安土桃山時代]]にかけての[[武将]]、[[大名]]。[[仮名 (通称)|通称]]は半右衛門、武蔵守で、'''戸田武蔵守'''の称でも知られる。名[[諱]]は'''重政・'''（しげまさ）、'''勝重'''（かつしげ）ともいう。
 
== 生涯 ==
出自不明<ref>紀行文集『[[街道をゆく]]』で[[司馬遼太郎]]は「美濃戸田氏の支流ではないか」と推測している。また、勝成の子・内記は丹羽氏時代の同僚・[[村上頼勝]]の娘を娶り、その子は頼勝の養子となり家督を継いだつながりから、村上源氏系の戸田氏という説もある。</ref>。
兄に[[戸田勝隆]]（三郎四郎）がいる。
 
はじめ[[丹羽長秀]]に仕えた。[[天正]]10年（1582年）、長秀配下で[[山崎の戦い]]に参加<ref name="p207">大日本史料11編19冊207頁。</ref>。天正11年（[[1583年]]）の[[賤ヶ岳の戦い]]の後、長秀に従って[[越前国]]に侵攻。4月21日、[[長束正家]]や[[村上頼勝|村上義明]]（忠勝）、[[桑山重晴]]らと[[柴田勝家]]勢を撃破して北ノ庄城に退かせた<ref>大日本史料11編4冊203頁。</ref>。長秀が越前国に移封されると、同国[[吉田郡]][[松岡城 (越前国)|松岡城]]2万5,000石に封じられた<ref name="p207"/>。天正12年（[[1584年]]）の[[小牧・長久手の戦い|長久手の戦い]]の陣立書では、[[青山宗勝]]・勝成・[[太田一吉]]・[[大島光義|大島雲八]]らが丹羽勢の先手を構成し、勝成は1,000名を率いた<ref>大日本史料11編8冊249頁。</ref>。
はじめ[[丹羽長秀]]・[[丹羽長重|長重]]父子に仕えたが、[[丹羽氏|丹羽家]]に内紛があり、それを機に[[豊臣秀吉]]の家臣となったとされる。一方で、兄・勝隆同様に秀吉古参の直臣で、その家人であったという異説もある<ref>{{Citation |和書| last=近藤|first=安太郎 |year =1989| title =系図研究の基礎知識 第２巻 |publisher =近藤出版社}}</ref>。▼
 
▲はじめ天正13年（[[丹羽長秀1585年]]・）、[[丹羽長重|長重]]父子の代に仕えたが、なって[[丹羽氏|丹羽家]]に内紛があり、それ家臣の大量離脱が起きたのを機に[[豊臣秀吉]]の家臣となったとされる。{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}{{refnest|一方で、兄・勝隆同様に秀吉古参の直臣で、その家人であったという異説もある<ref>{{Citation |和書| last=近藤|first=安太郎 |year =1989| title =系図研究の基礎知識 第２巻 |publisher =近藤出版社}}</ref>。}}。このとき、[[富山の役]]の前に、丹羽家臣・[[成田道徳]]が[[佐々成政]]と共謀したと密告したのは勝成と長束正家であったと『丹羽家譜』『越登加三州志』は伝えている<ref>大日本史料11編19冊218-219頁。</ref>。
[[越前国]][[足羽郡]][[安居城]]主に封ぜられ1万石を領した。秀吉の[[九州平定|九州征伐]]、[[小田原征伐]]と歴戦し、[[朝鮮]]出兵の折は[[文禄・慶長の役#文禄の役|文禄の役]]において[[肥前国|肥前]]名護屋に駐屯した。また、[[伏見城]]の普請を命ぜられ、その功で後の[[慶長]]4年（[[1599年]]）の秀吉の死後に1万石を加増され、併せて2万石を領した。
 
秀吉の家臣として、[[越前国]][[足羽郡]][[安居城]]主に封ぜられた{{sfn|桑田|1971|p=116}}{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}。
慶長5年（[[1600年]]）、[[関ヶ原の戦い]]においては[[石田三成]]に共鳴して西軍方に付いた。初め北国口を守備していたが、東軍が迫ると、[[大谷吉継]]の配下の北陸衆の1つとして[[美濃国|美濃]]方面へと移動した。▼
 
天正15年（[[1587年]]）、[[九州平定|九州の役]]に従軍。天正18年（[[1590年]]）の[[小田原征伐|小田原の役]]では秀吉本陣の脇備えとして、300騎を率いた<ref>{{Citation |和書|last=|first=|editor=東京帝国大学文学部史料編纂所|year=1908|chapter=豊臣秀吉小田原陣陣立|title=大日本古文書. 家わけ 三ノ一（伊達家文書之一）|publisher =東京帝国大学|url={{NDLDC|1908790/347}} 国立国会図書館デジタルコレクション|page=623}}</ref>。[[文禄]]元年（[[1592年]]）の[[文禄・慶長の役#文禄の役|文禄の役]]でも[[肥前国|肥前]][[名護屋城]]に駐屯し、秀吉本陣の前備衆で、同じく300名を率いた<ref>{{Citation |和書|last=吉村|first=茂三郎|editor=吉村茂三郎|chapter=松浦古事記|year=1934|title= 松浦叢書 郷土史料|volume=第1|publisher=吉村茂三郎|url={{NDLDC|1214367/95}} 国立国会図書館デジタルコレクション|page=127}}</ref>。
本戦においては[[平塚為広]]らと大谷隊の先鋒として奮戦したが、松尾山に陣を張る[[小早川秀秋]]が離反して攻撃してきたのに続き、同じ北陸衆の[[脇坂安治]]・[[朽木元綱]]・[[赤座直保]]・[[小川祐忠]]の4隊が寝返って側面から攻撃してきたために、挟撃を受けて壊滅した。潰走する中で、勝成は[[織田長益|織田有楽斎]]の長男・[[織田長孝|長孝]]の東軍部隊に捕捉され、混戦の中で長孝の槍を頭部に受けて討たれた。これが長孝ではなく[[津田信成]]であったとする異説もある<ref>功を奪われたことにより、津田信成と織田長孝の関係は悪化した、とされる。</ref>。なお、有楽・信成は共に勝成の友人であった。『[[武功雑記]]』によれば、勝成は東軍の諸大名にも親交のある者が多く、その死を聞いて皆涙したという。▼
 
文禄3年（[[1594年]]）、[[伏見城]]の普請を分担{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}。この当時、知行は1万石{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}。
関ヶ原では、嫡男・[[戸田内記|内記]]（一説に重典）も同じく討死している。▼
[[慶長]]3年（[[1598年]]）8月の秀吉の死により、金子5枚を受領。慶長4年（[[1599年]]）に1万石を加増され、併せて2万石を領した{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}。（ただし廃絶録では1万石のまま<ref>{{Citation|和書|last= |first= |author-link= |editor=近藤瓶城|title=史籍集覧. 第11冊|year=1926|chapter=纂録五十四・廃絶録|publisher=1926|pages= |url={{NDLDC|1920318/416}} 国立国会図書館デジタルコレクション|page=9}}</ref>。）
 
▲慶長5年（[[1600年]]）、[[関ヶ原の戦い]]においては[[石田三成]]に共鳴して西軍方に付い与した。初め北国口を守備していたが、東軍が迫ると、[[大谷吉継]]の配下の北陸衆の1つとして[[美濃国|美濃]]方面へと移動した{{sfn|高柳|松平|1981|p=163}}。
重典の妻は[[村上頼勝]]の娘で、藤五郎という子供がいた。この藤五郎と同一人かどうかは不明だが、内記の子は村上頼勝の養子となり、[[村上忠勝]]と称し村上家を継いだと『[[武家事紀]]』にある。ただし諸説あり。
 
▲本戦においてはも[[平塚為広]]らと共に大谷隊のに付属し、先鋒として奮戦したが、松尾山に陣を張る[[小早川秀秋]]が離反して攻撃してきたのに続き、同じ北陸衆の[[脇坂安治]]・[[朽木元綱]]・[[赤座直保]]・[[小川祐忠]]の4隊が寝返って側面から攻撃してきたために、挟撃を受けて壊滅した。潰走する混乱の中で、勝成は[[織田長益|織田有楽斎]]の長男・[[織田長孝|長孝]]の東軍部隊に捕捉され、混戦て（あるいは石田本陣に向かおうとして織田長孝隊の中で前を横切って）戦闘となり、長孝の槍を頭部に受けて討たれた。これが長孝ではなく[[津田信成]]であったとする異説もある<ref>功を奪われたことにより、津田信成と織田長孝の関係は悪化した、とされる。</ref>。なお、有楽・信成は共に勝成の友人であった。三年前の慶長2年4月22日に3人は家康邸で一座を共にしている{{sfn|高柳|松平|1981|p=164}}。『[[武功雑記]]』によれば、勝成は東軍の諸大名にも親交のある者が多く、その死を聞いて皆涙したという{{sfn|高柳|松平|1981|p=164}}。
 
▲関ヶ原では、嫡男・[[戸田内記|内記]]（一説に重典）も同じく討死している{{sfn|高柳|松平|1981|p=164}}ので、廃絶となった。
 
== 巷談 ==
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== 脚注 ==
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==参考文献==
*{{Citation |和書| last =桑田|first=忠親 |author-link=桑田忠親| year =1971|title =太閤家臣団|publisher =新人物往来社|pages=116-177}}{{ASIN|B000J9GTRU}}
* {{Citation |和書| last1=高柳|first1=光寿 | author-link=高柳光寿|last2=松平 | first2=年一 |year =19841981| title =戦国人名辞典|publisher =吉川弘文館|pages=163-164}}
 
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