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+内部的自由
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新聞記者に小説を書かせると、あまり読みやすい文章を書けず駄文となってしまう人も多い。長文を書く構成力や、説得力ある表現が求められる作家とは要求される能力は異なるのである。
 
== 内部的自由 ==
内部的自由とは1960年代のドイツで生じた、新聞発行者に対する編集スタッフの権利に関する概念である<ref name="Sogabe">[[曽我部真裕]] [[鈴木秀美 (法学者)|鈴木秀美]] ・山田健太(編)「編集権と内部的自由」『よくわかるメディア法』 ミネルヴァ書房 <やわらかアカデミズム<わかる>シリーズ> 2011年、ISBN 9784623058501 pp.70-71.</ref>。記者は報道機関の活動を遂行するために雇用された従業員であり、その指揮命令に従うことが求められる。一方、記者は[[表現]]活動に従事するため、社の編集方針と個人の思想や[[良心]]との軋轢という問題を抱えることがある。また、質の高い報道活動を行うためには、記者の専門的な職能が活かせるように自由な活動を認める必要もある。このように、一般企業の従業員とは異なり、報道機関では編集が全てを決定し記者が忠実に遂行するという構造はジャーナリズムの本質から言えば妥当では無く、個々の記者の自由を尊重すべきと考えられた<ref name="Sogabe"/>。
 
伝統的に党派色の強いヨーロッパの報道機関では、編集綱領で記者の内部的自由が明文化されている場合がある<ref name="Sogabe"/>。また、フランスの労働法典にはジャーナリストの良心を保護する良心条項という規定がある<ref name="Sogabe"/>。良心条項では、買収などによって所有者が変更した場合や、報道機関の編集方針に大きな変化が生じた場合に、記者の政治的信条や良心との齟齬を理由に離職すると、解雇と同様の手当てを受けられる権利があるとされている。
 
== 日本における問題点 ==