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氷河期→氷河時代, 第四紀氷河時代(en:Quaternary glaciation)に1つ変更(この用語は重要かと)
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== 新生代の気候と生物の進化 ==
中生代の地球環境は温暖であったが、新生代に入ると地球は徐々に寒冷化してゆき古第三紀の漸新世以後は南極大陸に氷床が発達し[[{{仮リンク|第四紀氷河期]]時代|en|Quaternary glaciation}}に入る。動物は、新生代の始まりである[[K-T境界]]を境に中生代に栄えた大型爬虫類の多くが絶滅し、地上は哺乳類と鳥類の適応分散が始まった。植物では中生代白亜紀に生まれた[[被子植物]]が全世界に広がっていった。
 
=== 古第三紀の気候と生物 ===
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=== 第四紀の気候と生物 ===
[[ファイル:Antarctica 6400px from Blue Marble.jpg|thumb|250px|現在が氷河時代である証拠、南極大陸の氷床。NASAの衛星写真より合成]]
第四紀は約258万8千年前<ref group="注釈">2009年6月30日のIUGS(国際地質科学連合)の執行委員会にて批准。「地球生物学」 P160</ref>から現在までの期間。第四紀には更新世と完新世が含まれる。第四紀を通じて南極大陸に氷河が存在し続けているため、第四紀は「氷河時代」である。第四紀は北米やヨーロッパの大部分が氷床に覆われる寒冷な「氷期」と、現在のように比較的温暖な「間氷期」が交互に訪れ、非常に短期間に大きな環境変化が繰り返し起こった時期である。最も新しい氷期の最盛期は約1万8000年前であり、平均気温は今より6-7℃低かった<ref name="GB160">「地球生物学」 P160</ref>。第四紀の氷期と間氷期の推移の周期性を調査したところ、地球の公転軌道の離心率の変化(10万年周期)、自転軸の傾きの変化(4万年周期)、更に自転軸の歳差運動(2.3万年ないし1,8万年周期)と一致することがわかった。これらの変化によって北緯55°から北緯65°の地域<ref group="注釈">カナダ北部、シベリア、北欧などに相当、これらの地域は最終氷期に大きな大陸氷河で覆われた。</ref>における夏の日射量が減ったことが氷期が始まるきっかけとなっている<ref name="GB162-163">「地球生物学」 P162-P163</ref>。この氷期と間氷期の周期性はこれを数学的計算によって予言した科学者にちなんで[[ミランコビッチ・サイクル]]と呼ばれている。
 
第四紀は人類の時代とされる。人類は樹上生活していた霊長類のうち、アフリカに住んでいた類人猿から派生した。約440万年前のエジプトの地層から類人猿と分かれて直立二足歩行した[[ラミダス猿人]]の化石が日本の調査隊によって1992-1993年に発掘され、その後ラミダス猿人の亜種は約580万年前までさかのぼることが判明した。ラミダス猿人の次に[[アウストラロピテクス]](アファール猿人)が登場する。アウストラロピテクスの化石はエチオピアや南アフリカの約250万年前-350万年前の地層から見つかっているが、骨格化石や足跡の化石から確実に二足歩行していたことが確認された。歩行から開放されたアウストラロピテクスの手は物をつかんだりする以外に、石を加工して石器を作ることができるようになった<ref group="注釈">250万年前のエチオピアで猿人が石器を使用した痕跡が発見されている「地球生物学」 P180 </ref>。アファール猿人から2種の猿人が派生した。硬い植物を食べるために頑丈な顎を発達させた猿人と、肉食による動物性タンパク質の摂取によって脳を発達させ、石器を活用した猿人である。前者は約100万年前にすべて絶滅してしまい、後者の系統の[[ホモ・ハビリス]](脳容積は600mlあって、チンパンジーの300-400mlよりはるかに大きい)が現在の人類に続いている。次の[[ホモ・エレクトス]]は脳容積を850mlに増やし、生存場所もインドネシア([[ジャワ原人]]約20-100万年前)や中国([[北京原人]]約35-50万年前)に拡大した。ヨーロッパでは少し遅れて約3万-25万年前の地層から[[ネアンデルタール人]]が見つかっている。現生人類の[[ホモ・サピエンス]]は、ミトコンドリアDNA分析の結果から約20万年前のアフリカで生まれたとされる。ホモ・サピエンスは厳しい氷期の気候にも適応して、世界各地に生存領域を広げていった。ホモ・サピエンスは約10万年前にアフリカを出て中東に達し、北のヨーロッパへ向かったグループと、東に向かったグループに分かれた。東に向かったグループは南アジアを進み、インドネシアの島嶼伝いにオーストラリアに達し(約5-6万年前)有袋類のみの世界であったオーストラリアを改変した。インドから東へ向かったグループは中国を経由してシベリアには約2.5-3.5万年前に到達、更に氷河に覆われたベーリング海峡を渡って約1万2千年前には北アメリカに到達した<ref>以上第四紀の人類の歴史については「地球生物学」 P176-P183</ref>。