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哺乳類細胞への作用を追加
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== 解説 ==
ナイシンは''Lactococcus lactis'' の発酵によって生じる。商業的には、''Lactococcus lactis'' の[[牛乳]]や[[デキストロース]]等の天然培地での培養、大麦焼酎粕由来発酵大麦エキスの発酵<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan/104/8/104_579/_article/-char/ja/ 古田吉史、丸岡生行、中村彰宏ほか、大麦焼酎粕由来発酵大麦エキス(FBE)からのナイシン生産] 日本醸造協会誌 Vol.104 (2009) No.8 p.579-586, {{DOI|10.6013/jbrewsocjapan.104.579}}</ref>によって得られ、化学合成されることはない。[[グラム陽性菌]]の成長を抑え、食品の寿命を延ばすために[[プロセスチーズ]]や[[肉]]、[[飲料]]等の製造に用いられる。多くの[[バクテリオシン]]が通常近縁種しか阻害しないのに対し、ナイシンは[[酢酸菌]]''Listeria monocytogenes''等を含む広い範囲の種に対して効果がある<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/milk/59/1/59_59/_article/-char/ja/ 益田時光、善藤威史、園元謙二、ナイシン―類稀な抗菌物質―] ミルクサイエンス Vol.59 (2010) No.1 p.59-65, {{DOI|10.11465/milk.59.59}}</ref>。しかし[[キレート剤]][[EDTA]]と組み合わせることで、ナイシンによって[[グラム陰性菌]]も抑えるられることが知られている。ナイシンは水溶性で、10億分の1のレベルの濃度で効果を持つ。食品中では、食品の種類や認可に応じて~1-25ppmの濃度で用いられることが普通である。またその効果の選択性により、グラム陰性菌、[[酵母]]、[[カビ]]等の単離のための培地に加えられることもある。[[サブチリン]]や[[エピデルミン]]はナイシンの関連物質であり、どれも[[ランチビオティクス]]と呼ばれる分子のグループに含まれる。
 
近年の研究で細菌だけでなく、哺乳類細胞にも作用することが分かってきている<ref>{{Cite journal|last=Kitagawa|first=Norio|last2=Otani|first2=Takahito|last3=Inai|first3=Tetsuichiro|date=2018-10-23|title=Nisin, a food preservative produced by Lactococcus lactis, affects the localization pattern of intermediate filament protein in HaCaT cells|url=https://link.springer.com/article/10.1007/s12565-018-0462-x|journal=Anatomical Science International|language=en|doi=10.1007/s12565-018-0462-x|issn=1447-6959}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/10/dl/s1024-15d.pdf|title=食品安全委員会 添加物評価書|accessdate=2018年 11月13日|publisher=厚生労働省}}</ref>。
 
[[食品添加物]]としてのナイシンの[[E番号]]はE234である。