「タイの階級」の版間の差分
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'''タイの階級'''(タイのかいきゅう)では、[[タイ王国]]の階級について記述する。
タイの階級は非常に複雑な構成になっており、タイ人の間においても一般的な知識とは言えないほど難解である。またこうした階級に基づく称号などはしばし省略されることもある。[[タイの国王|国王]]はこのような階級を授与・剥奪する権限を持っている。ただし、階級を授けられたことによって、その子孫の位が上がることはない。 ==国王==
一般に以下の二つの称号が使われている。
:*名前の前に置く形式。これは[[ラーマ9世]](プーミポンアドゥンラヤデート)の正式名称である「'''プラバートソムデットプラチャオユーフワ'''プーミポンアドゥンラヤデート」で使われている。
:*プラバートソムデットプラとチャオユーフワを二つに分け、チャオユーフワを名称の後ろに持ってくる形式。[[ラーマ3世]](ナンクラオ)の正式名称(忌み名)における「'''プラバートソムデットプラ'''ナンクラオ'''チャオユーフワ'''」などがそれである。
: 即位前の王に使われる。
▲'''ソムデットプラチャオユーフワ ({{lang|th|สมเด็จพระเจ้าอยู่หัว}})''' 即位前の王に使われる。
===その他===
: いわゆるラーマ3世などに見られる「ラーマ」称号で主に外国などで利用されている。[[ラーマ6世]](ワチラーウット)によって制定されたが、[[ラーマ7世]](プラチャーティポック)によって廃止されたためタイ国内では国王に対する名称として利用されていない。ただし、道路の名前などには利用されている。タイ国外では以下で記述する「ラッチャカーン」の表記の訳語として使われる。
: ラッチャカーンとは「治世」と言う意味の言葉であり。この後ろに数字を配置してチャクリー王朝何番目の王かを明らかにする用途に使われる。たとえばラーマ6世を言う場合、ラッチャカーン・ティーホック ({{lang|th|รัชกาลที่ ๖}}) と表記する。この場合「六番目の治世様」という意味となる。▼
▲'''ラッチャカーン ({{lang|th|รัชกาล}})'''
▲ラッチャカーンとは「治世」と言う意味の言葉であり。この後ろに数字を配置してチャクリー王朝何番目の王かを明らかにする用途に使われる。たとえばラーマ6世を言う場合、ラッチャカーン・ティーホック ({{lang|th|รัชกาลที่ ๖}}) と表記する。この場合「六番目の治世様」という意味となる。
: この称号はラテン語における「Rex」の訳語で、国王が署名をする際、利用される自称するための称号である。敬称を付けない王の名の後に追加される。ラーマ1、3、5、7、9世には前者が、2、4、6、8世には後者の称号が利用されている。いずれもป.ร.と省略されることが多い。たとえば▼
▲'''パラミン ({{lang|th|ปรมินทร์}}) およびパラーメン ({{lang|th|ปรเมนทร์}})'''
: 外国の君主や[[アユタヤ王朝]]の君主に用いられる称号である。▼
▲この称号はラテン語における「Rex」の訳語で、国王が署名をする際、利用される自称するための称号である。敬称を付けない王の名の後に追加される。ラーマ1、3、5、7、9世には前者が、2、4、6、8世には後者の称号が利用されている。いずれもป.ร.と省略されることが多い。たとえば
: 日本の[[天皇]]に用いられる称号である。ちなみにチャクラパットとは[[転輪生王]]と言う意味で、中国やヨーロッパの[[皇帝]]を表すのに用いられる語である。[[昭和天皇]]の前の天皇は追号で呼ばれているが、昭和天皇の場合は「裕仁天皇」と呼ばれ、[[明仁|今上天皇]]の場合は「明仁天皇」と呼ばれている。▼
▲'''ソムデットプラ ({{lang|th|สมเด็จพระ}})'''
▲外国の君主や[[アユタヤ王朝]]の君主に用いられる称号である。
: 外国の国王に用いられる称号である。▼
: 外国の女王に用いられる称号である。▼
▲日本の[[天皇]]に用いられる称号である。ちなみにチャクラパットとは[[転輪生王]]と言う意味で、中国やヨーロッパの[[皇帝]]を表すのに用いられる語である。[[昭和天皇]]の前の天皇は追号で呼ばれているが、昭和天皇の場合は「裕仁天皇」と呼ばれ、[[明仁|今上天皇]]の場合は「明仁天皇」と呼ばれている。
▲'''ソムデットプララーチャーティボディー ({{lang|th|สมเด็จพระราชาธิบดี}})'''
▲外国の国王に用いられる称号である。
▲'''ソムデットプララーチニーナート ({{lang|th|สมเด็จพระราชินีนาถ}})'''
▲外国の女王に用いられる称号である。
==王妃==
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以下のような階級があり、国外ではPrince/Princessとして扱われる。
: 王族の最高階級に与えられる称号である。王とチャオファー位の間に生まれた子供に与えられる。▼
; プラオンチャオ ({{lang|th|พระองค์เจ้า}})
▲王族の最高階級に与えられる称号である。王とチャオファー位の間に生まれた子供に与えられる。
:# 王と[[#チャオチョーム|チャオチョームマーラダー]](つまり、下級王族、平民階級出身)の子供▼
:# チャオファー(男)と王女(つまり[[#チャオファー|チャオファー]]、プラオンチャオ、[[#モムチャオ|モムチャオイン]])の子供▼
▲'''プラオンチャオ ({{lang|th|พระองค์เจ้า}})''' 上記の階級よりも一つ下の階級に与えられる称号。以下に相当する王族に授与される。
: これらは王族の最下級の階級に対する称号である。チャオファー(男)と下級王族、平民との間に生まれた子供やプラオンチャオ同士の間に生まれた子供がモームチャオとなる。また、モームチャオ以下名字が下賜される。敬称はタンチャーイ(男)/タンイン(女)となる。英語においてはしばしば、M.C.と書かれる。▼
▲#王と[[#チャオチョーム|チャオチョームマーラダー]](つまり、下級王族、平民階級出身)の子供
▲#チャオファー(男)と王女(つまり[[#チャオファー|チャオファー]]、プラオンチャオ、[[#モムチャオ|モムチャオイン]])の子供
▲'''モムチャオ(男)/モムチャオイン(女)({{lang|th|หม่อมเจ้า/หม่อมเจ้าหญิง}}, 略語は {{lang|th|ม.จ.}})'''
▲これらは王族の最下級の階級に対する称号である。チャオファー(男)と下級王族、平民との間に生まれた子供やプラオンチャオ同士の間に生まれた子供がモームチャオとなる。また、モームチャオ以下名字が下賜される。敬称はタンチャーイ(男)/タンイン(女)となる。英語においてはしばしば、M.C.と書かれる。
===下級王族===
以下の階級は王族とされているが、実際には王族としての特権である王位継承権を全く保有しておらず、名誉的な階級である。
; モムルワン ({{lang|th|หม่อมหลวง}}、略称{{lang|th|ม.ล.}})
▲'''モムルワン ({{lang|th|หม่อมหลวง}}, '''略称は''' {{lang|th|ม.ล.}})'''モームラーチャウォン(男)の子供に与えられる階級に対する称号。敬称は平民と同じく「クン」である。英語に置いてはM.L.と言う略称が使われる。
====モムルワン以降====
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===その他===
; モム({{lang|th|หม่อม}})
; クン({{lang|th|คุณ}})
▲'''モム ({{lang|th|หม่อม}}) '''はモームチャオの下、モームラーチャウォンの上にあると一般的に考えられている階級に対する称号である。モームラーチャウォン階級の人物が大きな功績をなした際や、王子/王女などで大罪を犯し、階級を剥奪された際に与えられるもの。
▲'''クン ({{lang|th|คุณ}})''' は平民と結婚した王女の子供に用いられる。なお、バンダーサックに用いられる''クン'' ({{lang|th|ขุน}}) とは綴りが違う。近年では平民に対する敬称として用いられている。
==王子の妻==
王子の妻も称号を持っている。以下はその一覧である。
; チャーヤー({{lang|th|ชายา}})
; モム({{lang|th|หม่อม}})
▲'''チャーヤー ({{lang|th|ชายา}})''' は、王女で[[#モムチャオ|モムチャオ]]の称号を持つ王子と結婚した者に与えられる称号である。王子の妻として呼ぶ場合、「チャーヤーナイ + 夫の名前」で呼ぶ。
▲'''モム ({{lang|th|หม่อม}}) '''は、平民で王子と結婚した者に与えられる称号である。名字の後ろにナ・アユッタヤーをつけて、「モム=(個人名)・マヒドン・ナ・アユッタヤー」という風に呼ぶ。王子の妻として呼ぶ場合、「モムナイ + 夫の名前」で呼ぶ。
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== Feudal titles ==
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