「職務称号」の版間の差分

職務称号とは所属機関から付与される職名呼称、或いは一定の資格等に基づき職務上用いる[[称号]]のことである。広義には、政府の[[官職]]、[[公職]]、企業等の[[役職]]、その他、職業の名称等あらゆる職名、職位、職階に関する名称を包含し得る。その意味で[[名誉職]]や[[名誉称号]]、[[軍人]]や[[公務員]]等の[[階級 (公務員)|階級]]などの[[階級称号]]、[[学術称号]]、[[弁護士]]、[[公認会計士]]等の[[資格称号]]の概念とも関連性、共通性が強いが、狭義には役職・職名を称号として呼称するものをいう。例えば、[[中国]]等では大学教員等の職名を「職務称号」と呼称しているように<ref>[[劉占富]]著『{{PDFlink|[http://gazo.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/gakui/data/h20/124294/124294a.pdf 現代中国における教員評価政策に関する研究]}}』([[時潮社]]、[[2010年]]) 参照。但し、リンクは2007年東京大学学位論文のもの。また、劉占富著「{{PDFlink|[httpfile://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspaceC:/Users/bitstreammarit/2261AppData/36833Local/1Temp/eac026007.pdf 現代中国教員職務称号評定制度の実態と効果]}}」『東京大学大学院教育学研究科教育行政学論叢. 26号』(東京大学、2007年)参照。</ref>、大学教員や医師・医療関係者など[[教育機関]]・[[研究機関]]や[[医療機関]]のように、職名を積極的に称号と形容する職業領域があり、狭義の意味での職務称号とは、主に、こうした機関の職名呼称を指す<ref>大学教員や医療関係者の職名を称号として積極的に呼称する事例については多数あるが、政府の通達でもその傾向が見てとれる。一例として、文部科学省ウェブサイト「[http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1329878.htm 「臨床教授（臨床助教授・講師を含む。）」（仮称）の称号の付与について（通知）]」参照。</ref>。[[日本]]の[[外務省]]でも正規の[[外交官]]でない[[民間]]の[[文化人]]等に[[特別大使]]等の称号を付与し、広報活動を委嘱することがあるように、しばしば職名を称号と形容する場合がある<ref>外務省ウェブサイト「[http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/17/rls_0905b.html 千玄室（財団法人）日本国際連合協会会長への日本・国連親善大使の称号の付与について]」、外務省ウェブサイト「[http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/21/10/1196626_1108.html ベトナム外務省による杉良太郎氏への「ベトナム日本特別大使」の称号授与]」参照。</ref><ref>古代日本で朝廷から唐に派遣する外交使節の官職を指して職務称号と記述する文献もある。具体的には新野直吉は自著『古代日本と北の海みち』の中で、斉明天皇から遣渤海使に任ぜられた引田虫麻呂の職を指して「職務称号」と形容している。「職務称号」と形容する著作や論文もある。新野直吉著『古代日本と北の海みち』（吉川弘文館、2016年）47頁参照。</ref>。

*劉占富著『{{PDFlink|[httpfile://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspaceC:/Users/bitstreammarit/2261AppData/36833Local/1Temp/eac026007.pdf 現代中国教員職務称号評定制度の実態と効果]}}』(東京大学、2007年)