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[[ハロゲン]]および[[カルコゲン]]などと加熱により直接反応して化合物を生成する。希[[塩酸]]および希[[硫酸]]とは表面に難溶性塩を生じて反応しにくいが、[[硝酸]]とは容易に反応する。[[酢酸]]イオンとの親和力が比較的強く、空気([[酸素]])の存在下において酢酸水溶液にも溶解して[[酢酸鉛]]を生成する<ref name="daijiten">『化学大辞典』 共立出版、1993年</ref>。
: <cechem>2Pb\ + 4 CH3COOH\ + O2 -> 2Pb(CH3COO)2\ + 2H2O</cechem>
 
また鉛は軟らかい金属であり、紙などに擦り付けると文字が書けるため、[[古代ローマ]]人は[[羊皮紙]]に鉛で線および文字を書き、これが[[鉛筆]] (lead pencil) の名称の起源となった<ref name="nishikawa">西川精一 『新版金属工学入門』 アグネ技術センター、2001年</ref>。
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原料は方鉛鉱が最も重要であり、[[焙焼]]工程および[[還元]]を経て粗鉛が取り出され、ついで湿式法または乾式法により[[精錬]]される<ref name="nishikawa" />。
まず[[選鉱]]により純度を高めた方鉛鉱を焙焼により酸化鉛とし、ついで[[コークス]]により還元して粗鉛を得る。
: <cechem>2PbS\ + 3O2 -> 2PbO\ + 2SO2</cechem>
: <cechem>PbO\ + C -> Pb\ + CO</cechem>
: <cechem>PbO\ + CO -> Pb\ + CO2</cechem>
また直接製錬法では、焙焼により一部を酸化鉛とし、これを残りの硫化鉛と反応させるもので、エネルギー的に有利な反応であるが選鉱の度合いを高める必要がある。
: <cechem>2PbO\ + PbS -> 3Pb\ + SO2</cechem>
 
=== 湿式法 ===
湿式法は[[電解精錬]]によるもので、電解液に[[ヘキサフルオロケイ酸]]水溶液、[[陽極]]に粗鉛、[[陰極]]に純鉛を使用して[[電気分解]]を行う。鉛より[[イオン化傾向]]が小さい[[ヒ素]]、[[アンチモン]]、[[ビスマス]]、銅、[[銀]]、[[金]]などの不純物はスライム状の[[陽極泥]]として沈殿する。
: <cechem>Pb -> Pb^2+ \{} + 2 \mathit{e}^-</cechem>(陽極)
: <cechem>Pb^2+ \{} + 2 \mathit{e}^- -> Pb</cechem>(陰極)
[[酸化還元電位]]の接近している不純物である[[スズ]]は電解精錬では分離しにくいため、鎔融状態で[[水酸化ナトリウム]]で処理しスズの除去を行う。これにより99.99 %程度の純度の地金が得られる。